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Alvar Aalto | アルヴァ・アアルト
Chair69 | チェア69

Alvar Aalto | アルヴァ・アアルト
Chair69 | チェア69

Brand : Artek | アルテック
Production Period : 1935~

1935年より製造の続くアルテックの定番、チェア69。その年代判別はスツール60のそれと同じでいいとアーカイブを見ていて思う。1965年以降は脚のレイヤーが5枚になり、ネジはプラスになり、座面側面のつなぎ目は凸からストレートとなる。つまり1965年以降は現行仕様と大きくは変わらない。それでは1935年から1965年までの区分を以下に。

1930年代は脚の取り付け部分の先端、その角が丸く綺麗に仕上げられている。これというのはスツール60と同じ。そして背を取り付けているネジは、小さく膨らんだ半球形をした通称『テントウ虫』である事が多い。多いと書いたのには理由があり、スタンプから完全に1930年代だと思う物でも、テントウ虫ではない物もあるし、逆にテントウ虫ではあるけれど1940年代後半ぐらいの物だと思う物もある。だからネジで1930年代確定の判断は難しい。とはいえテントウ虫と呼ばれる小さな半球型のネジが使われている物は1930年代、40年代であるとはいえるだろう。1930年代とはいえ1935年~1939年と期間は極めて短いので、そんなに数のある物ではない。そして本でしか見た事がないのだけれど、スツール60同様、1930年代には座面がサンドイッチ構造の物もある。

1940年代はつまり第二次世界大戦そして戦後復興の期間となるので、資材不足も激しく、スツール60同様にチェア69も脚部はフィンガージョイント(War-Leg)が採用されている。ただスツール60と比べると極端に数が少ないので、なにかの事情があり、1940年後半には4枚レイヤーのLレッグに戻ったのではないかと仮定。もちろん座面側面のつなぎは凸である。スツール60とは事なり、数は極端に少なく一見して判別できる物ではあるが、そうそう見つかる物ではない。

1940年後半から1965年まで4枚レイヤーで、座面側面凸はそれ以前の物と一緒ながら、脚の取り付け部先端は丸く綺麗に処理されていなくてザッと切りっぱなし。あとは塗料が薄いので、色濃く飴色に焼けているものは1940年後半から1950年代の物だと判断。1960年代は塗料も良くなり厚くなるので、少し白っぽく綺麗な状態をある程度保っています。また1950年代にはビニール張りや布張りのタイプが多く作られていたようですが、スツール60のように異なる木種を使った座面や、リノリウムという物は見た事がないです。座面が丸ではなく他と共通でない事もあり、特殊な材は使いにくかったのかもしれません。

ダサカッコいい

スツール60、カルティオ、そしてチェア69。誰もがスツール、グラス、椅子と言われて絵を描けば、それとなってしまうぐらいシンプルでスタンダードな物、そんな物を好む傾向が僕にあるから、チェア66が人気だというのは十分知っているけれど、チェア69で満たされているので、なかなか他に手が出ない。ただチェア69もビンテージ始まりだからか、素朴で使い古された、どこか薄ら汚れたような雰囲気が似会うと思っていて、ドムスで別注した色展開のままに別注してみた。結果、そんな雰囲気も出て良かったと思っている。ハニー、ウォールナットの単色もいいのだけれど、ツートンのどこかダサくも見える雰囲気はドムスと違った趣がある。ダサカッコいい。