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Oiva Toikka | オイバ・トイッカ
Flora | フローラ

Oiva Toikka | オイバ・トイッカ
Flora | フローラ

Brand:Nuutajärvi / iittala | ヌータヤルヴィ / イッタラ Production Period : 1966-91 / 2002 / 2014-

1963年からヌータヤルヴィガラス工場のデザイナーとして着任したオイバ・トイッカ。当時のヌータヤルヴィガラス工場は、プレスガラスの製造が急速に発展し、カイ・フランクの5035グラス(1963-1967)や5037グラス(1964-1972)等が生産されていました。オイバ・トイッカは、そのプレスガラスを用いて、1964年にKastehelmiシリーズをリリースし大成功をおさめ、それに続く新作としてデザインしたのがFloraです。1960年代半ばは、フィンランドで花や果物をモチーフにした新しいデザインがたくさん生まれています。例えばマイヤ・イソラがデザインした、マリメッコの代表作Unikko(1964年)、ビルガー・カイピアイネンがデザインしたアラビアのParatiisi(1968年)もこの頃の作品です。そんな時代にガラスに使用される事のなかった植物をモチーフにして、ガラスの凹凸で図案を表現するという新しいガラスシリーズが誕生しました。スタート時は、型押し(プレス)のタンブラーでしたが、それはすぐに中止され、薄い仕上がりとなる型吹きでの生産へと切り替えられました。1966年の生産開始以降、様々な形、サイズ、カラーを増やし、大幅なラインナップ変更、生産終了となりながらも、多くのユーザーからのリクエストを受けて再生産され、今もイッタラを代表するロングセラーとなっています。ただ人気商品だったので類似製品も多く、よく見ると柄が違っていたり、そもそもガラスではなくプラスチック製だったりする物まで存在します。(Floraの生産に必要な金型というのは非常に高価で気軽に作れる物ではありません。あまり見た事のない珍しい柄というのは基本的に存在しないと考えていいと思います。)そんな類似品多発な程に人気となったフローラの長い歴史を見ていると、大きく4つの時代に分けての見方ができそうです。

第一世紀:1966年~1977年

スタートのカラーラインナップは、クリア、ブルー(現在のライトブルー)、バイオレット、グレー。アイテムラインナップは、タンブラー2サイズ、パンチグラス、ボウル240mmでした。その後も毎年新たなアイテム、サイズが次々に追加され、発売から2年後の1968年にはアメジストも追加されます。テーブルを飾ったり、食事を楽しんだり、家での生活を豊かにするフィンランドの人達に、こういったものが非常に喜ばれたことがよくわかります。Floraは更に海外へも輸出され、特にドイツやアメリカで大ヒットしました。カラー展開がクリアのみへと変更されるのは1978年ですが、1973年には全ての脚付アイテム、そして多くの色ガラスのアイテムが廃番になっています。

COLOR
クリア、ブルー、バイオレット、グレー、アメジスト
LINEUP
タンブラー 15cl / タンブラー25cl
パンチグラス10cl(ボウル 80mm)
ボウル 150mm / 190mm /240mm
ステムボウル 150mm / 190mm /240mm
脚付グラス:シェリーグラス6cl / カクテルグラス10cl
ワイングラス15cl / ビアグラス25cl
シュガーボウル10cl / クリーマー10cl
ピッチャー100cl /150cl / 200cl
ベース 150mm / 210mm / 255mm( 脚付 )
MEMO
第一世紀は計測方法が違うので容量表記が現在と異なります。
15clが現在の23cl、25clが現在の36clです。当初は小さかった訳ではない。

一般的にパンチグラスとは脚付きのボウルのことを指しますが、Floraのラインナップではボウル80mmをパンチグラスと表記しています。このパンチグラスは、1968年発売のシュガーボウルと同じ形で柄もほぼ一緒であり、加えてカクテルグラスの上の部分とも同型です。(ただし、カクテルグラスのみ底の柄が少し違っています。)

シュガーボウルとクリーマーにのみグリーンの展開がある。

第一世紀は、おそらくこの他にも、色々なアイテムが生産されていたのではないかと予想されます。氷がグラスに流れ出ないようにピッチャー(1968-1991)の注ぎ口が曲げられた物もみつかりました。またボウル240mmのオパールガラスのように、試作として作られたと思われる物が、人の手に渡っている場合もあります。

ベースに注ぎ口を作り、持ち手を付けるとピッチャーになります。

様々な色が存在するシュナップスグラスは何故だかクリア以外、カタログや資料に出てきません。その理由はそもそもシュナップスグラスはノベルティとして作られた物だからという事らしいです。

第二世紀:1978年~1991年

オイルショックの影響もあり色ガラスを使ったアイテムは生産終了し、カラーは完全にクリアのみの展開となります。その一方で、グラスにはシュナップス、ダブルオールドファッション、ハイボールなどが加わりサイズは豊富に。プレスガラスで作られるプレートもラインナップに加わりました。派手で豪華なアイテムは終了となり、実用面を重視したラインナップへと修正されていった、そんな印象を受けます。

COLOR
クリア
LINEUP
タンブラー23cl / 36cl、ピッチャー120cl / 200cl
ボウル 80mm / 150mm / 190mm / 240mm
チーズカバー
プレート 40cm / 26cm / 17cm
シュナップスグラス 5cl
ウイスキーグラス 37cl (D.O.F) / 43cl (H.I.B)
MEMO
ビンテージショップで聞いた話、17cmより小さい皿が存在するらしい。

第三世紀:2002年

過去の販売時からの知識しか情報はないのですがラインナップは5アイテム。クリアのみで短期間ですが再生産されました。スコープで取扱開始した2003年5月には既に廃番となっていたので2002年の限定生産だった可能性が高いです。日本国内では化粧箱に入った状態で販売されていたのでギフトアイテムとして人気でした。

COLOR
クリア
LINEUP
タンブラー23cl / 36cl
ボウル100mm / 150mm / 190mm

第四世紀はスコープの時代

タンブラー2サイズ、ボウル3サイズ、ピッチャー1サイズというラインナップで、スコープ単独での復刻を実現しました。それは奇しくも、Floraの全盛期を支えたヌータヤルヴィ工場の閉鎖が決まった2013年末。その後閉鎖される2014年初めにかけて、ヌータヤルヴィ工場とその仕事を引き継ぐイッタラ工場との2箇所で生産されるという、少し特別な物となりました。それもあり初回納品された6アイテム(全てクリア)に限り、普段のイッタラシールではなくヌータヤルヴィシールが貼られています。更に2015年7月には、Floraにとって実に37年ぶりとなる新色セビリアオレンジが登場。続いて光源により色の変わるアメジストやフィンランド独立100周年でイッタラのキーカラーとなっていたウルトラマリンブルーのボウル80mmもキャンペーンオマケ用に別注しました。そして、2019年、フィンランドと日本の外交関係100周年にイッタラからペールピンクとレインが登場。今後はスコープ別注からイッタラのラインナップへ?現段階ではまだ定番復活はしていないのですが、後々そうなっていくかもしれません。