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Birger Kaipiainen | ビルガー・カイピアイネン
Wall Plate

Birger Kaipiainen | ビルガー・カイピアイネン
Wall Plate

Brand : Arabia | アラビア
Production Period : 1940~1980年代

フィンランドのアラビアを代表する食器パラティッシ。そのデザイナーであり日本でも広く知られるカイピアイネン。でも彼はほとんど量産品のデザインはしていない。アラビアアートデパートメントに1937年から在籍し、1988年までアトリエで作品を作り続けているので多作。自身のアトリエや各国での展示会で作品を販売し、それらは凄いスピードで売れていくからアトリエはいつも空っぽ、展示会は即完売だったそうです。世代的にはオイバ・トイッカより16歳年上だから一世代上。1950年代はフィンランドデザインの黄金期と呼ばれていますが、そのまさに中心にいたアーティストです。僕自身も早くから、カイピアイネンの作品をいくつか買っています。それはオイバ・トイッカと石本藤雄先生の影響で、彼らの部屋にはカイピアイネンの作品が飾ってあり、その光景をいつも見ていたから欲しくなってしまった。そしてオイバ・トイッカはカイピアイネンに可愛がられていたようで、直接作品をプレゼントして貰っている。だからカイピアイネンの作品の事もよく知っていて、僕の買ったカイピアイネンの作品を見せると「それは1940年代だな」とか「1950年代だな」と即答してくれます。僕はオイバ・トイッカや石本藤雄先生と直接会い、二人の作品とともに今を生きているわけですが、二人にとってはカイピアイネンの作品がそれにあたるのだろうと思います。さて、話は変わりますが僕の資料集めという名のビンテージ・アートピース収集の経験から、ここ数年で特に高くなったと感じる物は、アアルトベース、カイピアイネンのウォールプレート、そしてルート・ブリックの作品諸々です。カイピアイネンのウォールプレートは、アラビアのプロアルテとして作られたエディション物を抜いても、数もそれなりにあります。様々な図案が存在し、同じものはなく、非常に大きな作品が多く、価格もひときわ高い。カイピアイネンの絵皿は1940年代、1970年代、1980年代に多く作られているようですが、作風はかなり違います。1940年代の初期作品は人物と風景が多く描かれていて、後期の物との違いは一目瞭然。そして1970年代の作品はパラティッシが発売された時期という事もあり、パラティッシのような図案が多く、果物やビオラや植物などが描かれています。そして1950年代からカイピアイネンが多用している、陶器のビーズを使い装飾した作品が多い。1980年代最晩年の作品は風景的な絵柄もありますが、主には花と昆虫であったり、花と散る花びらであったり、パラティッシのような図案ではない絵柄が本当に色々と描かかれています。ざっくりとそんな風に見るとカイピアイネンのユニークピースの絵皿は年代を掴むことができるように思います。1940年代初期の作品は、そこまで高くはなっていないのですが、それ以降1950年以降の作品はどれも高くなってきていて、特に1970年代、1980年代のウォールプレートは絵柄によってはとんでもない価格になる事があります。

ウォールプレートとパラティッシ

カイピアイネンのユニークピースが飾られた小さな部屋で、パラティッシを使って食事をする、食器棚にパラティッシが収納されている。そんなバランスが素敵に思っています。オイバ・トイッカのアートピースが飾られたテーブルでフローラやフルッタを使っているとか、石本先生のオブジェが飾られた空間で、石本先生のテキスタイルをテーブルクロスに使うとか。同じデザイナーのユニークピースと量産品が一緒にある様というのは、なんとも贅沢な光景。実現するのは難しい事ですが、パラティッシが大好きで、パラティッシが生活の中心にある人は、いつかカイピアイネンのウォールプレートをダイニングに飾るというのも洒落た目標ではないかと思うのです。