皆様、大変ご無沙汰しております。前回のすすめるデザインからもう少しで一年が経ってしまいます。 連載という形でコラムを書いておりましたが、今年の夏に向けてのスコープさんのリニューアルのディレクションのお手伝いに専念するため、少しの間お休みを頂いておりました。すすめるデザインを楽しみに読んでくださっていた方には大変申し訳ないと反省しております。この回より再開いたします、改めてよろしくお願いいたします。

 

ここで、少しリニューアルの背景をお話させてください。
そもそも、リニューアルをしようという話がスタートしたのは2007年末。今までのウェブショップという 存在から一歩踏み出し、ウェブなのにスタッフとお客さんが友達のように沢山騒いでいるような場所、そしてデザイナーと何でも話ができる場所になれたら幸せだねぇ、などと平井社長と話しているうちに、まずはそういうみんなが集まれる場所作りからはじめよう、という事になりリニューアルが決行。そしてリニューアルがひとまず完了したのが2009年夏。予定では2008年末にリニューアルするはずだったのですが、約半年あまり延長・・・。WEB上なので全てデジタルですが、おそらく一度建てたお店をショベルカーで全てぶち壊して、真っさらな土地にもう一回骨組みから新しい家を建てた位の大工事でしたから遅れたのも仕方がありません(笑)。一時期、WEBストアという要するに通信販売業であるスコープさんがなぜここまで身を切ってお客さんの所に届くひとつのモノに執着するのか、なぜ届いた商品が今どうなっているのかスタッフ全員が気にしているのか、正直お店というのは商品が沢山売れれば都合が良いのにどうしてここまで・・・と不思議に思ったこともあります。

 

色々な解答を考えましたが今こうしてリニューアルを終え少し経ってから考えるとそれは多分「スコープは、お店に住んでいる。」のではないかと感じました。例えば、韓国にはサムゲタンという鶏鍋のような薬膳料理があり、体調が悪い時によく食されるそうです。サムゲタン屋の主人は例え夜中だろうが休日だろうがお客さんが不調を訴え訪れれば、店を開けて暖かいサムゲタンを作ってあげるそうです。そして何が悪いのか相談にのってあげたりするそうです。だから主人はお店に住んでいます。 夜中に、スコープ事務所に直接行ってドアを叩いても誰も出てきませんがWEBにアクセスすれば、そこに彼らはいます。スコープで取り扱っているテーブルでグラスで、わいわいとパーティーをしています。 「毎日大好きなモノに囲まれて暮らしたい」というメッセージがWEBに書いてありますが、多分それを真っ先にやっているのはスコープさん自身なのだと思います。

 

その気持ちが、今回のリニューアルでは色々な具体的な企画になって登場しています。スコープポイントとかそういう名前を付ければよいのに、OMK(オマケの頭文字でオーエムケーと読む)という買えないモノがもらえる仕組み(笑)や、デザイナーとお客さんの距離をぐっと縮めるために色々を話して知り合う「シルスコープ」特集。そしてこれから動きだそうとしているスコープオリジナルのものづくり。

 

 

以前のウェブサイトではなかなか伝えづらかった事も、大きなスクリーンをトップページに置いたことで、綺麗だなぁと思った感動をギャラリーのようにそのまま伝えられるようになりました。買わなくても楽しめる情報がたっぷり詰め込めるようになりました。

色々な事を知ったり、体験して、使ってみてわかることも話して、褒め合ったり、すすめあったり、ああでもないこうでもないと語り合う。そんな場所が出来たら最高だなぁと僕は思います。おそらく平井社長も思っているかな。

 

 







 

本当はここからが本題なのですが(笑)、そんなスコープさんから毎年恒例のスケジュールノート2010が出来上がりました。毎年少しづつ改良を重ねながらリリースしているこのスケジュールノート。今年も監修をさせていただきました。去年の大幅なリデザインの良い所はそのままに、背割れをしても良い味になるよう中まで紺色の表紙を採用したり、おまけページを追加したりちょっとづつですが改善されています。

 

そして、このスケジュールノート本体の製作をしてくださっているクーグート代表の高橋さんと先日お話をした際に、面白い企画が生まれました。

 

そもそもこのノート、名古屋を中心としたクリエイターのシェアが圧倒的に高いそうで、クーグートさんの周りのデザイナーさんやミュージシャンの方から毎年おまけページのリクエストをクチコミで聞き、それをなるべく反映させているので毎年おまけページはちがうデザインになっています。「マイノリティーな所から生まれたノートなので、できるだけ周りの人が喜んでくれる事を第一に考えたい。もちろんスコープさんの周りの人達も。」と高橋さんはおっしゃっていました。

 

そこで、少数意見が反映されるスケジュールノートを作っていこう。という企画が持ち上がり、
スケジュールノート2010ではそのトライアルとして、「大人になってから世界地図を見る機会が圧倒的に減った。」という意見から出来た世界地図ページ、「いつもスケジューリングがうまくいかないから、コピーして何度でも書ける予定表が欲しい。」という意見から出来たプロジェクトプランナーページを新たに製作しました。そして来年からは今回このノートを買って使っていただいて出た意見をきちんと集め、どんな少数意見でも採用できるものは採用していこうと思っていますので、その際には欲しいページデザインを募集します。乞うご期待ください。


そしてそして最後になってしまいましたが、今回の表紙デザインはイッタラでお馴染みのクラウスハーパニエミさん。昨年の直線的な雰囲気とは打って変わって有機的でやわらかい仕上がりのノートになっています。多分使い込んだ感じも良さそうなんだろうなぁ、と今から楽しみです。

 

 

 

11/NOV/2010 Text:ワダケンジ

 

 

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