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伊賀の地は太古の昔、琵琶湖の湖底でした。その地層から採れる陶土は耐火度が高く、江戸時代より直火の土鍋、土瓶などがこの地で作られてきました。伊賀の土は、炭化したプランクトンなどの有機物を多く含み、有機物は焼成時に蒸発し細かな気泡のある素地となります。そのため土鍋自体がしっかりと熱を蓄えて食材の芯までじっくりと火を通しうまみを逃さずおいしい料理に仕上げます。先人の「土と釉は同じ山のものを使え」という教えの通り、伊賀の職人が、伊賀で取れる土、伊賀で取れる釉薬を使い、一つ一つ丁寧に造り上げました。

土と成形について
伊賀の土は、炭化したプランクトンなどの有機物を多く含みます。その有機物は焼成時に蒸発し、細かな気泡を作ってくれるので、火によって膨張する土中の空気の逃げ道となります。そのため、耐火度が非常に高く、丈夫な焼き物ができるのです。この食器は、ほとんど精製していない伊賀の土を、自然な荒いままで使っています。荒い土は型成形の機械を通ることが出来ません。人の指が直に土に触れながら、ろくろ、たたら、型打ちという技法を使い成形していますので、型成形のものとは異質の柔らかさがあります。

ご使用に際して
ご使用前に必ず“目止め”を行ってください。特に土鍋は土が荒い為目止めをしないと水が染み出て沸騰しません。一度の目止めで沸騰しない場合は繰り返し目止めを行って下さい。

釉薬について
釉薬は伊賀でとれる灰や長石を原料にしています。顔料等の色づけはしていません。陶土の採れる山の木を燃やした灰を使い、'灰釉'を作り、岩山が風化して出来る長石を原料に、'長石釉'を作ります。この2つの透明釉がベースとなり、そこに鉄や銅を混ぜ込むことで、様々なバリエーションの釉薬を作っています。さらに、酸化、還元という焼成時の化学変化を利用し、混ぜた鉄分を反応させて、寒色系、暖色系の色味を出します。


  • 石灰
    石灰岩・長石を主原料にした釉薬。焼きあがると無色透明のガラス状になるため、素地の土の色がそのまま出ます。

  • 黒飴
    伊賀に古くからある少し透明性のある黒色の鉄釉。柔らかさと、風雅さを持つ色です。

  • 土灰
    山の雑木を焚き火にした残灰を集め釉薬にしたもので、窯の加減で少し赤みを帯びる特徴です。

  • 松灰
    登り窯の燃料となる赤松の灰のみを使い、灰が溶けるまで高温で焼きます。すると、美しく澄んだ緑となり、同時に生地も堅く焼き締まります。

  • 志野
    桃山時代の柔らかな温かみのある志野釉を藁灰を使うことで再現したものです。

  • 織部
    伊賀に古くから伝わる伊賀織部。松の薪で銅釉を焼くと、淡く透明になったり、鮮血のような紅を出したり、様々な表情を見せてくれます。

  • 紅長石
    伊賀の土に長石をうっすらと施すと、高温の窯の中で土と長石とが呼び合い、美しい紅色を作り出します。

  • 黄瀬戸
    樫灰を淡く施し、柔らかく焼く事で温もりと柔かさを持つ色が生まれます。釉垂れの出す豊かな表情も特徴です。

  • 茶飴
    黒飴と同じく、古くから土鍋や行平といった火の道具等に多用されています。釉を通して素地の朴訥とした表情がうかがえます。