おでんの季節になると食べたくなるのは、
母の作る愛情おでんを押さえ、
セブンティーン、エイティーン、
翼の折れたエンジェル時代を過ごした
香川県のおでん。それすなわち、
讃岐うどん屋のセルフおでん。
これが一番、美味しい。というか、
思い出深い。

父の転勤で高校時代の2年間を過ごした
香川県高松市。言わずと知れたうどん王国。
通学の、行きにうどん。帰りにうどん。
100円 200円で食べられるから、
高校生も、毎日うどん屋でたむろする。

その香川県のうどん屋に、ほぼほぼ
あると思って間違いないのが、セルフおでん。
なぜ、うどん屋におでんが置いてあるのかは
よく知らない。が、とにかく、
うどんが出来るまでの飢えをしのいだり、
うどんでは足りないお腹を満たしたり、
自分で腹の具合を微調整できる
大事な立ち居地のオプションメニューだ。

うどんが出てくるまでに、好きで食べていたのが
「焼き豆腐」と「牛スジ」。
どちらも讃岐のおでんには大抵入っている。
他に、他県にはない具材として、地元で「てんぷら」
と呼ばれる、魚のすり身を揚げた「平天」がある。

そして、四角い升のおでん鍋から
好きなネタをとった先のゴール地点に
私が今、最も食べたい懐かしい味がある。
大きなタレ壺にナミナミと入った「からし味噌ダレ」。
いかにも辛そうな黄色をしているのだが、
甘口の白味噌ベースだから、
讃岐富士みたいに、丸くて角のない優しい味。
おでんの上から思いきりかけるのが良い。
嗚呼、あん時のおでん。
食べたい、今すぐに。


讃岐おでん、作ってみた。

所詮おでんは家庭料理。食べたいなら作ればいい。
ということで、今回のおでんの要となる、味噌ダレの作り方を
香川県の友人に電話で教えてもらった。

話はそれるが、讃岐の雑煮と言えば「あん餅雑煮」。
白味噌にあんこ餅をイン!する、
なかなかのご当地性を持った雑煮。
私はまだ食べた事がないが、讃岐に嫁入りすると、
年の瀬にお姑さんから「これで正月の雑煮をつくりまい。」と
イヅツの白味噌を渡されるんだとか。(友人談)
そのイヅツの白味噌は名古屋では手に入りそうもないので
インターネットの力を借りて取り寄せた。
それと、粉からしと平天も。

台所の上戸棚からは、重たいアイツも出してきた。
うちで「バンビーナ」と呼ばれているアイツは、伊賀の布袋鍋。
憎らしいほど重たいが、そのふてぶてしいボディに
世界も認めるだろう、
すごい実力を秘めている。
おでんのほうは、この布袋鍋にまかせておけば、まず問題ない。
さて、あとは、あん時のタレを思い出して、作るのみ。

[ 材料 4人分 ]
粉からし・・・大さじ1
白みそ・・・大さじ6
酒・・・大さじ2
砂糖・・・大さじ2
おでんの出汁・・・大さじ6

練ったからしにラップをして更に逆さまにするのは、揮発する辛味成分をしっかり閉じ込めて、辛味を増すための、昔からの作法。

すり鉢、すりこ木がなくてもボウルとスプーンで。白みそと、からしも、手に入るものでどうぞ。


粉からしを同量のお湯で溶く。


ラップをして逆さまにして、
15分ほど寝かせておく。


すり鉢に、からしと白みそを入れ、すりこ木で混ぜる。


砂糖、酒を加えて混ぜる。


おでんの出汁でのばす。
好みのゆるさまで。
今回は白みそと同量。


完成披露試食会。

今回初めて作った、からし味噌ダレ、
正直、うまくいった。(と、思っている。)
うどん屋のイメージを引っ張りすぎて、
たっぷり作りすぎたかぁー、と思ったけど、
残ったタレを、後日トンカツやゆで野菜につけて食べたら
すごく美味しかったから、むしろ多目に作っておくと良い。
大きめのすり鉢を使ったのも大正解だった。
調味料が気持ちよいほど滑らかに混ざるし、
すり鉢を当たるという作業自体も気持ち良い。
何分でもやっていたくなる。
そのままテーブルに出せば、名脇役感もハンパない。

そしてもうひとつ、ゴールデンプレート賞を
あげたいくらい良かったのが
取り皿に使った「正角皿」。
おでんの具を2つ、3つ取るのにベスト。
深さがあるから、出汁を飲みたい派にも好評だったし、
丸ばかりの食器の中に、正方形が入ることで、テーブルが整った。
一見地味な皿で、発売後もしばらく、
手を出せずに様子を見ていた皿だが、
こういうものこそ使ってみるとジワジワくる名皿だと思った。

わざわざ食べに来てくれた、名古屋の
赤味噌育ちスタッフも、気に入ってくれたよう。
ナカモの「つけてみそかけてみそ」もいいけど、
讃岐の「からし味噌ダレ」もね。
あん時のタレの再現方法を習得したから、
この冬は、何度でも作りたい。

text : スコープ 酒井

土鍋とTeemaシリアル、金属のお玉。
持ち物に東屋の和物は増えてはいるけれど
家での鍋時間がどうにもダメ。
そこを反省し、足りない物を補い
スコープの鍋をしっかり組み立ててみました。

何度か鍋をして、何度か組み立て直し
今の段階ではそれなりに満足いく
セットアップになったと思っています。
それは凄く頑張る必要もなく、
ただ普通に鍋をするだけで、
足りない物を少し足して気持ち良い。
そんなところ。

最終仕上げの鍋会(撮影日)、
初めて参加したスタッフから
『こんな鍋におよばれされたい!』
そんな声が聞こえた時にヨシヨシと思った。

これで完成とはいわないけど、
今年の冬はこんなセットで過ごしてみて
また何か足りない物があれば
探したり、作ったり、作って貰ったりして
加えてみよう。そうしようと思ってます。









僕の好きなとり鍋の店で出てくる
鍋のつゆ。って言ってもほとんど大根おろし。
それが凄く美味しかったから
お店で聞いたままに、
適当に再現してみたらグッド!でした。
大根おろしに酢をたっぷりかけて
卵の黄身を落とす。そして、そこに醤油を
垂らして混ぜたら完成。分量はお好みで。
酢は案外多めがいいみたい。
みぞれ鍋の別添えバージョン?
鶏肉と大根と卵っていうのはどうも
相性良いようです。