[販売終了] iittala/ Art Flora
アートフローラ、そのはじまりは
見間違えだったのかもしれない
アートフローラという名前は企画・試作を進める中で、関わる誰もが自然とそう呼び、気付けば、そのまま品名登録されていただけであり、アートと呼ぶ所以のようなそんな深い考えというのは全くない。 少しばかり特別な物を少量生産する。多くの人に向いた物である必要もなく、それを欲しい人だけが手にすればよい。気兼ねなく、自由に作ってしまおう!そんな物作りをしたいとオイバの影響が色濃くでる僕は、常々そう思っていた。作る側が好きに作った、世の流れに少しそっぽを向いたようにも見える物。合わない人も多いのだろうけれど、人によってはご馳走のように映る。このアートフローラは、そんな物。 ことの始まりは、オイバ・トイッカが量産物とは少し違う特別なファウナを作り、そのユニークファウナを自宅で愛用しているのを見た時のように思う。すると偶然、その後に訪れたビンテージショップで同じ物を見つけ、それを手にする事ができた。その時にユニークフローラがあったら欲しい、そう思い、この企画はスタートした。 加えて僕はフローラの少し特別な物を、なにかの本で見た記憶もあった。ただ記憶はあるがどこをどう探しても、それにあたる本を見つける事ができない。それは見間違いか幻想だったのだろうか。 「そんな物を作ったような気もするし作ってないような気もする。つまり全く覚えていない。ただ、そういうフローラに興味があるなら、作ればいいじゃないか。」 試作でヌータヤルヴィガラス工場へ向かう車の中で、オイバがそう言った。結局、キューヒュ―やポムポムの試作で時間切れとなりフローラの試作は叶わず、その後はオイバと工場へはいっていない。それでボンヤリとした記憶の映像を元に、僕がイッタラの職人と共に試作したのがアートフローラの種となっている。
作り方とか、色のこととか
完成したアートフローラについて
僕の思った事を含めの覚書
ファーストサンプルは2014年アニュアルAlder Thrushの装飾に使っていた色ガラスのチップをクリアガラスに巻き取り型に吹いて作った。色ガラスのチップを作らないといけないから、高い物になるともいわれた。出来上がった物は勢いがあり、とても気に入っていたのだけれど、気泡ハゼが多く、仕上りも粗々しい。タヒチの様に平面で構成された形ならまだ綺麗に仕上がるそうなのだが、フローラのように湾曲した側面では平らに近いチップとクリアガラスの間に沢山の隙間が生まれ、それが大きな気泡となり、穴になる。イッタラとしては製品化する事はできないと指摘があった。 その後、イッタラ工場の職人達が、クリアガラスで更に覆う事で問題解決した。もちろん気泡やら、多少のナンヤラはある。あるけれども製品化はできる。そして次の試作ができた。それを見たオイバの一言「いいじゃないか。」アートフローラは完成した。 ファーストサンプルより色ガラスは淡く物によって色ガラスが少なすぎる?と感じもするけれど、色が少ないも新しい。今は、色が多い物が欲しいという人ばかりだというのもよくわかる。ただ、これぐらい色を入れるというルールを作ってしまえば、違う物になってしまう。これはオイバの物作りの線上に乗っているからいいじゃない。量産品とユニークピースの間にある物、そこが、いいんじゃない。 これは方向性を決め職人に任せた結果で、こと細かく指示するとこうはならない。こんな物の作り方がオイバ的なんだなぁとシエッポから始まり、アートフローラでかなり理解できた気がする。 こんな手仕事の匂いを大いに含む、少しばかり特別な物を住空間に混ぜてみれば、その空間も少し特別な風になるだろう。ただ、少し実験的な企画でもあるから手にする前に、じっくり検討はして欲しい。
アートフローラは売れていない
だから3型のクリアは作らず守る
アートフローラにはスコープで復刻・再生産をしていない3型を選んだ。第一弾ベース165mm、第二弾ボウル190mm。そして最終第三弾ベース250mm、これで全て。 正直、あんま売れてない。生産数少なく、木箱は東屋に依頼し、布も他では使っていないフローラグレーの大きな布で包んだ。当初の予定売価より遥かに下げたりもした。内容的には相当厳しいけれど、それでもそんな売れはしない。ここまでくるとオシャレに感じる。だから、これを手にしてくれた人は神だ。そう思っているので、僕なりに保護したい。スコープとしてはアートフローラで選んだ3型はクリアの様な通常版は作る予定はなし。他が作ると出ちゃいますけど、僕ら的にはそんな保護を考えています。
- ブランド
- iittala
- デザイン
- Oiva Toikka (オイバ・トイッカ)
商品スペック
- 材質
- 無鉛ガラス
- 寸法
- ベース165mm
約φ110×H165mm / 約550g / 約1380cc
木箱 : W142×D142×H196mm
ベース250mm
約φ110×H250mm / 約800g / 約2100cc
木箱 : W142×D142×H270mm
ボウル190mm
約φ188×H105mm / 約920g / 約2530cc
木箱 : W222×D221×H141mm - 生産
- Made in Finland
- 備考
- 各500個限定