SIDE BY SIDEは障害者と共に作り上げるデザインプロジェクト、単なる生活用品のデザインブランドではありません。使い捨ての製品が増える中で長く愛用できる「本当に良いもの」を提供することを大切にしています。製造はドイツの障害者工房で行われていますが、障害を持つ人々に就労の機会を提供するだけではなく、良いデザインを組み合わせることで一般市場で競争力のある製品を生み出しています。関わる人々が全員フラットにつながっている点が、SIDE BY SIDEの素晴らしい価値だと僕は感じています。ただ、それを実現するのは本当に大変なことだと聞いています。障害を持った人が安全に作業できるよう生産ラインを工夫する必要があり、各々のスキルや能力に応じて担当する製造工程が異なるため、難しさも伴います。比較的シンプルな製品であれば多くの職人が関与できますが、スコープで人気となっている「MAMA」「PAPA」のような大きなアイテムは生産工程も複雑なので作業に従事できる職人がそもそも少なく、なかなか思うような数量を生産できません。そんな事情もあって大きなアイテムほど欠品が多いブランドですが、スコープでSIDE BY SIDEのアイテムが広く支持されて大きな売り上げになっている今の結果は、工房で働く人々にとって非常に嬉しいことなのだと聞いています。自分たちの製品が日本で愛用されているということが、彼らにとって大きな励みになっているのだそうです。スコープができるのは、定期的に発注して製造する仕事を生み出すことなのですが、全てをラインナップすることはできないので、少しづつ僕の生活に取り入れながら、必要と思うアイテムのみをラインナップしていっています。そして在庫が積み上がってオーダーが難しくなってきたらセールを開催して在庫調整し、新しい発注を生み出すようにしています。