Oiva Toikka | オイバ・トイッカ
Elephant OT28 [ Elefantti ] | エレファント
Brand:Nuutajarvi | ヌータヤルヴィ
Production Period : 1964-1965
Color : Clear
Size : H40mm, 73mm, 100mm
オイバ・トイッカがヌータヤルヴィでデザイナーの仕事を始めたのが1963年で、1964年にはKastehelmiがリリースされ人気となるから、早い段階で注目を浴びる事となるのだけれど、最初期、つまり1963年頃にデザインされたガラス食器の類は、予想に反してスタンダードであって、ビンテージショップで見かけても、それを一見してオイバ・トイッカのデザインであるとわかる人も少ない。けれど、その一方で1964~66年に作られたOT品番(勝手に僕がそう呼んでいる)のアイテムや、1964~1970年代に作られたN品番(勝手に僕がそう呼んでいる)のアイテムは独特な作品が多く、その品番を見るだけで少し興味を惹かれてしまう。特にオイバ・トイッカの頭文字をとったであろうOT品番には面白い物がいくつかある。ユニークピースは別として、Elephant(Elefantti)OT28は、オイバ・トイッカが量産アイテムに動物をモチーフとした二つ目の作品とされていて、もう一つは作品集にも載っていない、1960年のDogという作品ではないかという話があるが詳細は不明だ。Elephant OT28は鋳型に流し込んで作られた四角い透明ガラスの塊に、同じく透明ガラスで頭をつけた非常にシンプルな象のオーナメントなのだけれど、現行のキューブとは違い、研磨処理をしているのは底面だけ。他の面についてはフラットではあるけれど、型に沿った面そのままで、少しやわらかい雰囲気がある。エレファントは全面研磨するのではなく、この方がいいという事だろう。わかる気がする。同時期の作品に四角い透明ガラスのFish(Kala)OT1というペーパーウェイトもあり、それらを作るためのペーパーウェイト技術と呼ばれる加工方法により、かなり先にはなるのだけれど、オイバ・トイッカの代表作Annual cube(1977~)が生まれる事となる。
さて、このElephant OT28は、とにかく生産年が短い上に生産数も極めて少ないのか、ビンテージ市場に出回ることが極端に少ない作品だから相場もあるようでない。個人的な感覚だけれども3サイズセットはファーストキーックリを見つけるより難易度が高い。2008年頃にヘルシンキのショップでMサイズを500ユーロで売っているのを一度見た事がある。あれは本当に買っておけばよかったと激しく後悔していて、今でもその売られている光景を鮮明に覚えている程に後悔している。その数年後にフィンランドの知人からMサイズをナカナカに高いお値段で買った。そして更に数年後、Mサイズは見つかるだろうと気軽に売ってしまったけれど、それから二度と出会う事がなく、Mサイズを売ってしまった事を強く後悔しているコレクターから、手持ちのLサイズとSサイズをとんでもなく高い値段で買った。2008年からの8年間に僕がElephant OT28と出会ったのは以上で全てである。つまり、なかなか出会う事のできない非常に珍しいアイテムであって、3サイズ揃えるとなると相当ハードルが高いという事をお伝えしたい。アニュアルキューブにつながる物として、スコープアーカイブスに登録したいから販売する事を決めたのだけれど、これはずっと売れなくてもいい物だから売れなくても気にしなくて大丈夫。ちなみに3サイズ揃える事を最優先したので多分かなりの高値で買わされています。それに伴い、スコープでの販売価格はかなり高い。高いんだけど、売れてしまうと、いくら出す気があっても手に入れられる保証はどこにもない。そんな物なのです。
キューブグラスオイバワールド
オイバの作品は色々集めて多くを飾って手放して、また手にしてを繰り返していて、今このアーカイブスを展開するに至って、少し落ち着いてきたんだけど、僕はコレクターという意識もないし、ビンテージショップを生業にしているわけでもないから、気の向くまま赴くままに収集し販売している。そんな風にオイバ作品との日々を積み重ねていくと、四角い作品を積み上げたくなるんだなと思う。それがゴールというわけではなくて、必要なパーツというようなこと。やたらバードしかない、ロリポップしかない、ポムポムしかない、キューブしかない、って事ではなくて色々なオイバ作品の好み所を集めて自分の好きな景色とする。そこにはキューブグラスオイバワールドが必要なのだ。Fish OT1やElephant OT28を眺めていたらアニュアルキューブ、もっと大きなキューブをいくつか手にして、オイバや石本先生みたいに、積んで飾りたくなってくる。自分もやってみたくなる。それで僕も今更ながら少しづつキューブを集めている。その流れもあってスコープでもアニュアルキューブの取扱を開始してみた。それだけの話です。