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東屋 / 裁縫箱

裁縫なんて全くやらない私のところに
やってきた立派な裁縫箱。
豚に真珠、なことは解ってます。

幼いころ、母親が出かけ留守番となると祖母の部屋に行き裁縫箱を使わせてもらうのが楽しみだった。母親を見送ると、色んな柄の端切れやカラフルな糸、ボタンが雑多に押し込められた裁縫箱をいそいそと取り出し、水戸黄門を見る祖母の隣で作業開始。何をするかというとボタンを布に縫い付ける。大きいボタンや小さいの、くるみボタンや貝殻のボタン、正しいやり方なんてかんけーない。勢いにまかせてつけるつける。「ぎょうさんつけたねー」という祖母の言葉を、ほめられていると勘違いし、得意になってただ只管に針を進めた。何が楽しかったのかはよく分からないが、それが自分に与えられたお仕事?バイト?みたいな設定だった。謎だけど。祖母にしてみたら、自分の裁縫道具が奇妙な作品として生まれ変わるのだから、いい迷惑だっただろう。祖母はそんな私をみて、「この子は大きくなったらお針子さんにでもなるかねー」と言っていたが、残念ながらそうはなっていない。お針子さんどころかこの頃は針にも糸にもすっかりご無沙汰で、裁縫するなんてのは、服のボタンが取れたときに仕方なしに。あのころの職人魂はいつのまに、どこに行ってしまったんだろう。そしてこんな事態は、なんだか祖母を裏切っているような、後ろめたいような、ほの暗い思いとなって私の中に渦巻いている。で、そうこうしている間にこんな年になってしまったというわけ。ある日スコープに送られてきた東屋の裁縫箱。シャチョウが、「使ってみたい人いる?」とスタッフに聞いてきた。おそるおそる値段を聞いてみると予想を裏切らない価格、セットで4万超えですからそれはもうありがたいお品物だ。がそんな裁縫箱を、その場にいたほとんどが買いたいという意思表明をしたのは驚きだった。当の私も勢い手を挙げた。裁縫なんて滅多にやらない人間にはもったいない代物ってことは重々承知。嫁入りの予定も全くありませんがそんなことはさておいて、この裁縫箱は自分のものにしたいと思った。はてこの気持ちはなんなのだ・・・。

一見普通のハコなんだけど
全然普通じゃあないってのが
手にするとじわじわ理解できる

東屋の裁縫箱は、大の箱の中に中の箱、中の箱の中に小の箱を入れてセットで使用することが出来ます。全てバラバラのパーツがパズルのように一つにまとまる仕組みです。一番大きい箱は、2段に重ねられていて、下段には大きな裁ちばさみや端切れ布などを収納、裁ちばさみは24cmサイズだったらまっすぐ入ります。また上段には中箱と針山を入れる部分の他に細長い仕切りが二箇所。ここには物差しやチャコペンシル、ミシン糸や糸巻きなどが綺麗に収まります。一番小さな箱には針やボビン糸、ボタンなどを入れるといい具合。こまごまとしたものが多い裁縫道具を使い易く、きれいに収納できるのは、裁縫道具が仕事道具である編み物作家、くげなつみさんがデザインしている所以でしょう。上蓋を持ちそっと持ち上げると、精度の良い桐ダンスを開ける時のように、すーっと静かに開き、楠の良い香りがふわりと漂います。表面は無塗装で仕上げられ、本体の接着にも化学的な成分を使用していないため、樟脳の原料にもなる樟の効果が最大限に生かされています。防虫に優れた樟によって、虫に食われやすい布ものや糸などを安心して保管できるのも重要なポイントです。そしてこのハコの最大の見どころと言えば、ホゾ・チギリと呼ばれる2枚の板のつなぎ目部分。糸を通す程の細い隙間に木のパーツが組み込まれている、非常に精巧な職人技に目を見張ります。こうしてじっくり見れば見るほど普通のハコじゃあないことがわかり、じわじわと良いものを手に入れた満足感が湧いてくるのです。裁縫箱と銘々されていますが、シンプルな大小の箱で成り立っていますから、用途は持ち主の自由。趣味の道具をまとめてもいいですし、薬箱として使うのもいいですね。化粧道具をまとめても使い易そうです。またセットに一つ付属する針山、端切れの布が使われる為、柄はバラバラ。この柄で裁縫箱の表情も少し変わってきますから、ここも楽しみの一つです。スコープではそれぞれ個別販売しますから、その際はぜひここもチェックしてみてください。

最高の相棒を見つけたのだから、
これはもうやるしかない。
我が裁縫箱になるのはいつの日か。

さて、そんなふうに私のもとにやってきた真新しい裁縫箱。空っぽの裁縫箱の隙間を早く埋めたくて、未だ使う当てのない、糸や裁ちばさみを慌てて買い求めそれを詰め込んだ。それはどこか、すっぽり空いた私とお裁縫との隙間を埋めるようなそんなことに似ていた。真新しい道具が詰まった裁縫箱は、自分のものになりきっていないよそよそしさがあって、まだどうもしっくりこない。そしてせっかくいい裁縫箱を手にしたのに、なんだか絵にならないなぁと少し焦る自分がいたりもする。そんな具合にすったもんだしながら、ぐいっと背伸びしながら、ようやくお裁縫と向き合い始めた私。裁縫箱の力を借りてやっとスタート地点に立つことができた。まず手始めに、前に買ったワイルドクローバーの縁をまつり縫いして、テーブルクロスに使えるようにしよう。そうそうフルッタフローラの生地でお弁当包みも作りたかったんだ。あーあのズボンの後ろポケットのボタンこのまえとれたんだった…。こうしていったんはじめてみれば、案外針と糸を手にやりたいことは次々に浮かんでくるのだった。昔広げるのが楽しみだった祖母の裁縫箱、あんなふうになるにはまだまだ時間がかかりそうだけど、いつの日かこれが私の裁縫箱と、自信をもって言える日が来ると良いなぁと思う。久々に針を進めるといつの間にか夢中になっている自分がいる。あーあのボタン付けてた時もきっとこんな顔してたんだろうな。忘れかけていたあの頃の記憶が少しずつ蘇ってきた。

text: スタッフ 成戸

東屋 (あづまや)
くげなつみ
楠家具製作所
材質
寸法 大:約W285 × D230 × H100mm
  (内箱: W268 × D210 × H57)
中:約W135 × D195 × H50mm
小:約W80 × D115 × H30mm
各サイズの内寸
生産 Made in Japan
  • 個別販売商品


東屋 裁縫箱

  • 1
  • 1¥45,715(税抜き)
  • 販売終了致しました
  • 2
  • 2¥45,715(税抜き)
  • 販売終了致しました
  • 3
  • 3¥45,715(税抜き)
  • 販売終了致しました
  • 4
  • 4¥45,715(税抜き)
  • 販売終了致しました
  • NO IMAGE
  • ¥45,715(税抜き)
  • 次回 入荷未定