【販売終了】/ ArtekATELJEE AALTO TABLE

見た物が欲しくなる
アアルトのアトリエにあるテーブル

見た物が欲しくなります。それが買えない物となれば余計に欲しい気持ちが増幅します。でもって、そこに少しばかり知識があったりしますと、アレのこんなんが欲しいということになります。で、結果こんなことになります。というのがスコープ20周年にアルテックが作ってくれましたX-レッグの特殊なコーヒーテーブルです。アアルトのアトリエに展示してある3本脚6角形のコーヒーテーブル、天板の木種をマホガニーに変更したバージョンがスコープ20周年アイテムとして50台限定で生産されました。このデザインのコーヒーテーブル、特別注文として生産さたことはあるものの、アルテックの製品として販売されたことはないようで、つまり品番・品名がありません。名前がないので《ATELJEE AALTO TABLE》と名付けられました。また、アルテックの古いテーブルを見ていますと定番バーチだけではなく、脚部とは異なる材を天板に選んだタイプが数多く存在します。チーク、エルム、マホガニー、アッシュ、中にはYレッグに無垢集成材天板というのもあります。そんな中、僕の好みで選びましたのがマホガニーです。ホント好き勝手やってますけれども、こんな方向もありではないでしょうか。そもそも天板のバリエーションが存在するのは、色々な要望や色々な建物に合わせて特別に作られたからでしょうし、このスコープ20周年アイテムというのも僕個人の欲しいといく欲望の先に出来ている特別な物ですから、どうしても無難ではない方向で実を結ぶわけです。つまりこうなることは仕方のないことなのです。

Xレッグ、ファンレッグ

1930年代にアルヴァ・アアルトが開発しました曲げ木の技術「L-レッグ」、その技術をもとに1946-47年には「Y-レッグ」、1954年には「X-レッグ」が開発されました。スコープ20周年アイテムとして製作された《ATELJEE AALTO TABLE》にはファンレッグとも呼ばれるX-レッグが採用されています。L-レッグを細かく切断したものを扇形に組み合わせてダボで接着したX-レッグは、現在製造はされていませんので、とても珍しいアイテムなのですが、後発の脚だけあって装飾的でとてもリッチな雰囲気があります。アルテック80周年で作られた特別なコーヒーテーブルもまたこのX-レッグでした。また木材成型の実験として作られたウッドレリーフが存在するということを、もう一つのスコープ20周年アイテム《EXPERIMENTAL WALL RELIEF》のページに書きましたけれど、レリーフだけでなく、上の写真のようなオブジェ的作品も存在します。このオブジェは1952年に完成した建築物のために作られた物と聞いています。X-レッグが誕生する2年前の1952年には既にX-レッグはほぼ完成していて、試作と実験は既に行われていたようです。そんな豆知識を添えておきます。

欠点の薄い特殊な三本脚
個人的におススメの用途

3本脚の良い点はガタツキが発生しない点です。それに加えまして見た目にスッキリしていて美しいというのも大きいです。欠点としては安定性に欠くというところでしょう。ただ3本の脚を結ぶ三角形内に荷重をかける分には倒れることはなく、三角形の外にある部分に荷重が掛かりましたら倒れることがあります。ただ、このテーブルは六角形をしていますが、三角形に近い六角形ですから脚と脚との間にある微妙に出っ張った部分に荷重を掛けなければ倒れることはありません。つまりその荷重を掛けたら倒れるよ！というエリアが極端に狭くなっているのです。3本脚の欠点を解決しながらも非常に洒落たデザインで完成していて、まさに3本脚テーブルの完成形のように僕には見えています。実に素晴らしいと思うのですが、作るのは非常に面倒なのが見てもわかりますから、なかなか生産されることもなかったのでしょう。でも、本当にこれを使っていると洒落た物だなってのは沁みます。コーヒーテーブルですからソファーやラウンジチェアのテーブルとして使うが王道だと思いますが、アルテックのダイニングテーブルと一緒に使い、高さ違いとしてセットしますと見た目的にもカッコイイですし、実際使うにも便利です。このコーヒーテーブルの使い方が僕はとても気に入っています。

ブランド

artek(アルテック)

デザイン

Alvar Aalto (アルヴァ・アアルト)