Schmidinger module / Fatty Containers

ファティーの魅力はなんぞ

1999年に発表された収納家具ファティーコンテナーズは、ブロックランプとならぶハッリ・コスキネンの代表作だと僕は思っています。プライウッドの曲げ加工を利用し、薄い材を組み合わせて形作られていますから非常に軽量、そして軽量ながら座ってOK、スツールとしても使える強度が十分に備わっているという1つで2度おいしい、日常で重宝する家具です。ファティーには無駄な線がなく、ほぼ面だけで構成されていますから、見た目にスッキリ、どこに置いても絵になり、どこにあっても生活感が出ない。でも、蓋を開ければ中には生活感の溢れる物々がたくさん詰め込まれ、封じ込められ、生活空間をスッキリ綺麗にまとめている。それがファティーコンテナーズの魅力です。スコープのオリジナル収納「パントリー角」は、それが食器棚なのか？本棚なのか？ソモソモなんなのか？カテゴリーできない収納家具だからこそ、どこにでも置くことができて用途が広がると考えたわけですが、使い続けていてファティーコンテナーズにも同じような家具に見えています。無駄の一切がそぎ落とされた綺麗な木箱、なにか特定の用途をイメージさせることなく、置く場所を選ぶことなく、置きたい場所に置き、使いたい場所で使うことができる。そして、そこにあった多くの物がファティーコンテナーズにより包み隠され、部屋全体がファティーの見た目のようにスッキリとした空間へと整えられる。上面に物を置くことは問題なくできますから、買った物をとりあえず置く場所としたり、上にイッタラのMenoを置いて収納を重ねるというのも僕の特別気に入った使い方です。ファティーコンテナーズ＆メノー、どちらもハッリ・コスキネンのデザイン、相性が良いのは当然です。

座れる収納
Lサイズ人気は圧倒的

たっぷり収納できて、座ることもできる。これが大きな魅力となっている家具ですから、中心にあるのはLサイズです。乾物やレトルトパック、カップ麺、缶詰やお菓子、そしてキッチンツールといった物を詰め込みまくって、キッチンストッカーのように使いましたらとても便利ですし、テーブルセッティングに欠かせないテーブルクロスやランナーなどのファブリックコレクション、料理本をゴッソリ詰め込んでおくにもよいと思います。また台所が狭くて邪魔になるのであれば、ダイニングテーブルの下に置いて、純粋にキッチン収納として活用を始めてみるのも良いものです。テーブル下に置いてあるのがファティーコンテナーズであれば使っていて気分も良いですし、少し見えるだけであっても、その場の雰囲気はどこか違ってきます。この使い方は贅沢過ぎるように思いますが、その用途として使わなくなった場合であっても次に活用してみたい場所は沢山見つかりますので無駄になることはなく、つまり使い道がなく捨てる結末にならないのですから、長い目で見ましたら贅沢過ぎることもないと僕は思います。ベッドルームに持ち込みベッドサイドテーブル兼収納としても良いですし、リビングに並べてベンチを兼ねた収納としながら子供のおもちゃを詰め込む、アウトドアに使う道具類を収納するなど、まぁ、とにかく何でも収めて場所をスッキリ整えるための家具ですから使い道はいくらでも見つかります。もちろん四次元ポケットではないので、入らなくなってきたら整理しなくてはいけませんが、ファティーの中を整理するだけですから既にターゲットは絞られていて整理整頓は想像以上に早いです。

持ち運べるSサイズ

Sサイズはファティーコンテナーズ発売当初から上面にハンドルが付いています。金属製のハンドルが付いていますから、スツールとしての活用はできませんが、物をいれて持ち運ぶことができます。収納量はLサイズの半分ほどながら、25L程度の容量がありますので、Sサイズであってもそれなりの量を詰め込むことができます。LPもうまく収まるサイズなのでスコープ事務所では長らくレコード収納として使い続けています。ただハンドル付Sサイズ、軽いといっても3kg以上ありますから、バッグのように気軽に日々使えるような物ではないです。頻繁に持ち運ぶことはないので、結局は置いたまま使う収納となり、ハンドルは飾り、ハンドルって必要なのか？と考えるようになります。ですが、そんなある日、引越しの時にかなり重宝しました。そこに用途のヒントがあるのだと思います。持ち運びできる、自立する、内部は守られる、上に物が置ける。そう考えるとアウトドア用品を詰め込んでおき、ファティーごと車に積んでしまえば便利なんじゃないか？と想像するのです。頻繁に車に積いだり下ろしたりしている物を、ファティSサイズに収納しておいて、必要な時にファティーごと車に積んで下ろして持ち運ぶ。そんな風にイメージを膨らませれば、用途の広いアイテムとなっていきます。特殊な物のように思うのですが、使う人次第で用途が広がり続けるSサイズです。

Sサイズ ハンドル無
2022年9月新登場

ファティーコンテナーズは、LサイズもSサイズも幅が違うだけで側面形状は同一ですから、サイズ混合でズラリ横一列に並べることができます。そして、そうしましたら凄く綺麗です。ただ、Sサイズは発売当初からハンドル付しかラインナップされていなかったので、Lサイズをズラリ並べるしかありませんでしたから、スコープはSサイズのハンドル無をリクエストしまして2022年9月よりラインナップに加えました。Sサイズのハンドル無が加わることで、並べて置ける場所の幅は広がっていますので、ファティーを愛用する皆々様はその使い道、使い所を再検討・再構築してみてください。スコープの撮影スペースではSサイズ ハンドル無にタッパー類をごっそり収納しています。実はそのために作ったというのもオカシナ話なのですが、僕にとってはマジメな話だったりします。案外タッパー類は増えていくし、かさ張りますし、無いと不便ですし、でも出しっ放しは困りますから、どこかに大きな収納場所が欲しかったのです。とはいえ、Lサイズに納めるというのも大袈裟過ぎ、大容量過ぎてタッパーは間違いなく増え過ぎるでしょうから、僕としてはSサイズまでにタッパーは抑えたい気持ちなのです。

2021年4月16日
持ち出し用防災グッズ入れ

予期せぬ災害で、ガスや水道が止まってしまった場合に備えて、水やレトルト食品、ガスボンベなど、自宅待機で必要になりそうなアイテムを押入れに買い置きしてあります。それとは別で、今すぐに家を出なくてはならないレベルの災害時用に、防災用非常持ち出しグッズをひとまとめにして、玄関のファティーコンテナーズに入れています。ファティーの中には、長期保存の水、ビスコ缶、アルファ米、缶詰、羊羹、ポケットラジオ、ヘッドライト、予備電池、雨具、ホイッスル、手ぬぐい、軍手、マスク、ローソク、マッチ、ビニール袋、ラップ、ティッシュペーパー、A2ケア、電話帳、メモ帳、油性ペン、現金、こんな感じの物を入れてます。毎年、防災月間の9月に、賞味期限などを確認して新しい物と入れ替えるルールにしています。本来はこれを持ち出し用のバックパックに積めてファティーに入れておくのですが、今はまだ詰め込んでない状態です。そして、今年のふるさと納税でゲッツしようと目論んでいるのが、折り畳めるヘルメット。これがあるとパーペキと思うのですが、まだ買っていないので、仕方なく娘が小学校時代に尻に敷いて育て上げた熟成防災頭巾を2つ、代わりに入れています。娘と防災頭巾を被ってみた様子はダブル節子状態でしたが、無いよりは良いに決まってるし、なによりファティーにシンデレラフィットしているので良し。ちなみに私の防災アイテムはとらやの小形羊羹「夜の梅」。賞味期限が一年もあるので、非常食用としてバッグに入れて携帯していますが、お腹が減るとおやつとして食べてしまうのが問題です。（スコープ 酒井）

ブランド

Schmidinger module (シュミディンガーモジュール)

デザイン

Harri Koskinen (ハッリ・コスキネン)