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Oiva Toikka | オイバ・トイッカ
Tahiti Vase 813 | タヒチ ベース 813

Oiva Toikka | オイバ・トイッカ
Tahiti Vase 813 | タヒチ ベース 813

Brand:Nuutajarvi | ヌータヤルヴィ
Production Period : 1977-1979

1977年に制作されたタヒチは、高さにより形が違います。四角形は高さ120mm、五角形は高さ150mm、八角形は高さ180mm、高くなるにつれ面が増えていく、他にないラインナップ構成になっています。色展開はそれぞれにクリアとカラーの2配色。フルラインナップで6種類。ただクリアを見かける事はとても少ないです。カラーのタイプはクリアガラスに、細かく砕いたカラフルな色ガラスのチップを巻きとり、型吹きしています。ランダムにつけられる色ガラスにより、その表情は実に様々。同じ形のものであっても、ベースの色がクリアに見えるものがあったり、やや黄色がかって見えるものがあったり、カラーチップの色が鮮やかに出ているものがあったり、細かくベースの色に溶け込んでいるものがあったり、どれも全くといっていい程に違い、同じものが一つとしてありません。これがオイバ・トイッカのタヒチ最大の魅力と言えます。こういった製法で作る場合、円柱のような形状だと、表面が湾曲しているため、ガラスチップと本体の間に隙間ができ、それが原因となり大きな気泡が大量に生まれ、またそれがはぜる事により割れが発生してしまいます。このタヒチみたいな装飾をしたガラス製品を効率よく生産するのはとても難しいのです。それでオイバはタヒチを角柱で構成することにしたそうです。そして、この巻き取るカラーチップも薄く吹いたガラスを砕いて作るため、かなり手間がかかり、比較的コストが高くついてしまう製品の一つでもあります。

ポムポムベース(1970-1972)やプテリボトル(1975-1977)、シエッポにも見られオイバらしいカラフルな色ガラスの独特な組み合わせを、それとは違った形で用いた手法は、タヒチと同時期に生産されていたAtolli Bowl 643 / Atoli Plate 646 (1977-1978)でも使用されています。また、それ以降のバードJalo Kiwi (2002-2010)や、Indian Fowl(2006)、ボトルやボウルのシリーズTunturissa(1987-1989)に、この手法は続いていっているようにも感じます。タヒチベースに限るわけではありませんが、この頃の製品はどれもユニークピースの雰囲気があります。でも、当時のヌータヤルヴィのカタログにしっかりと掲載され、一般的に流通していたのです。完全に同じものを作り、何もない事が当然で、少しでも何かあればB品とされる現在では、この量産は難しい。こうした自由な物づくりが可能だった時代が、僕には少し羨ましくもあり、そこがスコープのこれから目指すべき物作りの方向でもあるのです。

ユニークフローラ

量産品しかないと思っていたフローラ。特殊な装飾が施されたフローラを、どこかで何かの本で見た記憶がある。それというのはフローラの表面にタヒチのカラー的装飾が施されたような物だった。とはいえ、それをどこで見たかも定かではなく、フローラとタヒチを組み合わせたらどうだろう、というのが頭に浮かんでいたから、そう思い込んでいただけなのかもしれない。オイバにそれを話してみると作ってみようという。バードとは違う、型吹きながら同じ物がない量産、僕がこれから最も力を注いで目指そうとしている方向である。その第一歩がこのアートフローラであり、オイバもいいじゃないかと言ってはいるけれど、振り返ってみると、もっとやりようがあったんじゃないかと、クヨクヨと考え続けてもいる。オイバと作るスコープ別注物の中でも、かなり僕の要素を多く含んだアートフローラ。この未熟な部分のある第一歩を手にしてくれた方々には心より感謝しています。