アナログ界のモーニングセット
2019年9月1日
9月の食材「カツオ」
カツオの刺身で手作りツナ!
オイルも後から活躍しますんで
いつもスーパーでふつうに買っているものを手作りしてみるというのは、なかなかオススメの料理の楽しみ方です。既製品は手作りに比べると余計なものが入りがち。なので自分で作ればより優しい味になることが多いし、食べるときも「どれどれ、どんな仕上がりかな」と、より繊細かつ慎重に味わうことになって、あらためて食材の味を感じることができると思います。
食べることは毎日のことだから、いつも手作りできるわけではないけれど、たまには小さな挑戦や発見があった方が単純に楽しいですしね。 さて、今月の食材「カツオ」は、9月がまさに旬で、「戻りガツオ」と言って脂ののったものが店頭に並びます。この時期にはお店でドドンとでっかいサクの刺身が売られ、自分で切ってね的な、セルフ特価になっていることも多いし、サクで買うと色々な料理に使いやすいからいいんです。
そんな新鮮なカツオの刺身をオイル煮にして、自家製ツナを作ろう、というのが今回の料理。オイル煮ってちょっとハードル高い気がするけれど、難しさもなくて、ちょっと気になる油がもったいないんじゃ問題も、心配ナシ!なぜなら油にも風味が移るからとても美味しくなっていて、ツナを食べた後にも炒め物やサラダなど、さまざまに使えるので。
まず、カツオの刺身は塩を全体にうすくふり、20分ほど冷蔵庫で置いておきます。時間がきたらキッチンペーパーで表面の水気をふき取り、鍋に入れましょう。そこへにんにく薄切りと黒粒コショウ少々を加え、油を注ぎ入れます((油は好みのものでOKだし、そそぐ量もカツオに8割くらい被れば十分)。
あとは火にかけてフツフツなれば弱火にし、15分加熱します(2~3回上下を返したり、鍋を傾けて油を均一にいきわたらせたりしながら)。鍋ごと冷ました後、保存容器に油ごと移して冷蔵庫へ。
食べるときは、市販のツナ缶より少し粗めにほぐし、浸しているオイルも加えて使ってください。僕の一押しは、このツナにマヨネーズと醤油を足して、海苔&刻みネギをたっぷりのっけた「自家製ツナマヨ丼」!!市販品のツナマヨが想像通りに美味しいとしたら、もっとフレッシュで素材感のある、想像以上の美味しさのはずです。
既製品のツナ缶といえばマグロが主流ですが、カツオを原料としたものも多く作られています。手作りすると、マグロはクセがなく、カツオは魚の風味が比較的しっかりめに仕上がるかと。魚の風味をマイルドにしたい場合はローリエを1枚分ほど、オイル煮するとき加えてみてくださいね。オイルに浸して冷蔵すれば2週間ほど日持ちします。
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク