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2019年11月1日
11月の食材「ぶり」

挑戦しがいのある冬の定番煮物
これが作れたら自信がつくかも!

煮物が上手に作れたらうれしい。料理の腕が上がった気がするし、あったかくて美味しい煮物が食卓にあるとやっぱりうれしいから。煮物って、豪華な食材を使わずとも幸福度を上げてくれる、いい料理だなと思ってます。

その反面、煮物と言えばちょっとハードルが高いと思われがち。そんなイメージは、失敗と成功を理由も分からぬまま闇雲に繰り返しがちなところからくるんじゃないかなぁ。なので、まずは少し頭を整理してから料理にはいりましょう。

煮物と一口に言ってもさまざまで、大きなポイントに「完成時にどのくらいの煮汁を残すか」ということがあります。

今回紹介するぶり大根は、筑前煮などと同じで、はじめの汁量から1/5位まで煮詰めた状態が完成形ですが、おでんや高野豆腐の含め煮などの汁気たっぷりの煮物もあります。

汁気たっぷりの煮物は、飲んでちょうどいい味の煮汁で、弱火でことこと煮含めるものが多く、汁が多い=具材に火が通りやすい。煮汁の味を具材にしみこませるのが得意な煮物とも言えます。

対して、煮汁を煮詰めながら仕上げる、つまり、具材に火を通すのに必要な量の煮汁は入れて、そこから汁気を飛ばしてちょうどよい味付けにする煮物は、徐々に煮汁の味が変化していく難しさがあります。

この違いをおさえて、いざ、旬のぶりのアラで作る「ぶり大根」を作っていきましょう。



先ほど書いた通り、ぶり大根は煮詰めていく方です。まずは鍋の底に切った大根を広げ、その上に霜降りしたぶりのアラを乗せ、たっぷりの酒と具材の高さの8割ほどの水を入れます。落し蓋をするから汁気は8割くらいで十分、煮詰めることを考えて水は入れすぎないように。

落し蓋をして火にかけ、沸いたらアクを取ってそのまま15分煮て、大根にしっかり火を通しましょう。

さぁここからが肝心の味付け。大根に少しでも味をしみこませたいので、砂糖→醤油の順で時間差をつけて入れましょう。まずは砂糖を入れて5分、醤油を入れて5分、さらに落し蓋を取って5~8分ほど煮て完成。汁気を飛ばしたいから、火加減は中火かそれより少し弱い位で。

作り慣れるまでは、調味料を控えめに入れて仕上がり5分前位に味をみて、好みの加減に調味料を足してもいいかも。初心者向きとは言えないけれど、美味しく煮詰めるぞ!という気持ちで、是非この冬のド定番和食に挑戦してみてください。

ざっと詳しい材料を!ぶりアラ500gを用意して塩小さじ1をまぶし、15分おいてから霜降りします。大根は1/2本ほど。鍋に具材を入れたら、酒100mlを加え、そこに水400~500ml位でちょうど8割ほどの高さになるかと思います。具材たっぷりなので、いつもの料理よりは火加減強めで、鍋底いちめんに少し煮汁が残るくらいまで煮詰めてくださいね。

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク