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東屋 / うどん鉢

東屋のうどん鉢
丼ぶりのように大きくはない

明治時代に作られ始めたといわれる「うどん鉢」。その古物をベースに東屋が現在に復活させたのが、名前そのまま「うどん鉢」です。なます皿が深くなったような形状、幅広く使えるサイズ、そして口縁が太く丈夫なつくりをしています。うどん鉢という名前ですが、今のうどん用どんぶりのサイズではなく、大でもティーマシリアルボウルぐらい。大で冷やしうどんが1玉は入る大きさです。これは古い小説のシーンや、いろいろな人の話を聞いての仮設ですが、昔は2杯で1食ぐらいの量だったのではないかと思うんです。少しお腹が減った時にサラっと1杯、しっかり食べる時にはお代わりして2杯、3杯と食べる。そんな昔のうどんライフを想像しています。そして、煮物を盛り付けてもよいですし、鍋のとり鉢としても使いやすい。用途が特定されない雰囲気、適度に深さのある使い勝手のよい形状だからこそ、用途がとても広がっていきます。それは使っていると、よくわかります。

東屋のうどん鉢大と小まき半呉須の比較 — 大 / 大まき半呉須 / 小まき半呉須

大なのか小なのか

大は直径15cm、小は13.5cm、そこまで大きく違わないので、「どちらでもいいんじゃない？」「微妙なサイズ違いを作らなくても良かったんじゃない？」と思う人も多いでしょうし、最初は僕もそう思っていました。でも、使い慣れてくると、使い分けるようになるんです。そして、大小両方あった方が断然使いやすいとわかります。大でないとダメなシーン、小でないとダメなシーン、そして両方あってよかったと思うシーン。いろいろあります。「どちらをよく使いますか？」と聞かれても、どちらもよく使うから返事に困ってしまうぐらい。1枚目の写真は肉じゃがとサラダは大、ほうれん草は小。2枚目の写真は、ナムル4種全て小。出来上がった料理をテーブルにだす、残った料理をラップして冷蔵庫に入れる、その料理の量により大小を使い分けることになります。

鍋のとり鉢として

うどん鉢は、鍋のとり鉢として使っても素晴らしいです。うどん鉢小でも一般的なとんすいより一回り大きく、うどん鉢大ともなれば鍋にはかなり大きい。でも、上の写真で使っているのは大。鍋には大を選ぶことが多くなるのでは？と僕は予想しています。なぜかと言うと、〆のうどんやラーメンを食べるときには大がちょうどいいサイズだから。最後に「大で良かった」という結末があるんです。鍋で使う器は大は小を兼ねると思う。大きくて困ったことはなく、大を選んだからといって大きすぎたと後悔したこともありません。小でも十分なのですが、大を選んだ方が安心。鍋のときには、うどん鉢大をいつも選んでいます。大きいと熱くなりにくいから、手に持ちやすいというメリットも少しあり。そんな理由で、僕は鍋には大を選ぶというレポートでした。

うどん鉢と水餃子

餃子と言えば焼餃子ばかりで、水餃子を家で食べることは滅多にありません。理由は簡単で、食べる時にツルっと滑って食べにくいし、タレにつける時にボチャンと落ちてタレが飛んで汚れるのも凄くイヤ。そんな水餃子に明るい未来が訪れたと思った瞬間が、この写真、水餃子とうどん鉢小の組み合わせです。一人分の水餃子とタレをうどん鉢小へ。手に持てるからとても食べやすいし、多少ボチャンしても深さがあるので周りは汚れにくい。なにより、水餃子を盛り付けた雰囲気が素晴らしい！すごく美味しそうに見えます。よく考えれば、焼餃子より水餃子の方が調理は楽だし、キッチンも汚れないからイイことが多い。急に水餃子のブーム到来、2023年の冬です。加えて、うどん鉢小と湯豆腐の写真もどうぞ。いい雰囲気ってだけの報告。上に乗ってるのはネギと明太子。

丼としても十分に活躍

うどん鉢の大なら、深さがあるのでカレー1人前を盛り付けられます。レトルトカレー1人前を注ぎ入れるには小さ過ぎるようにも見えますが、試してみれば全然OK。そして丼としても大活躍です。新たに試した海鮮丼はバッチリ！大満足でした。海鮮丼には、一般的な深い丼より、浅くて広いうどん鉢が似合うように感じます。写真は大を使っていて、ご飯の量は180g。一般的な丼物のご飯の量は200g前後と書かれていたので、少ないわけではありません。食べ過ぎにならない、ちょうどよいサイズ。また、十分な量が盛り付けられているのに大きく見えないところも素敵です。

2024年、まき半呉須
2025年、太巻呉須

5種類を目標に毎年少しずつ色柄を増やそうと思っているうどん鉢。2024年9月に追加したのは、側面が半分青いその名も「まき半呉須」、太い刷毛を使った極太輪線が側面を一周しています。そして2025年12月に追加したのが、太い4本の輪線が側面を飾る「太巻呉須」です。どちらも、内側には細い輪線が二本引かれています。無地と一緒に使えば、同じ型ながら見た目に変化が生まれ、食卓に素敵な厚みが出ます。和食器は色々組み合わせて使うのが楽しい器ですから、無地に呉須の柄を加えて、その変化を楽しんでください。「まき半呉須」「太巻呉須」は刷毛で輪線を付けているので、刷毛目の違いや呉須の重なりなど、細い輪線より個体差が色濃く出ます。その点はどうかご理解の上オーダー願います。