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2009年8月22日
子供たちの夏

PHOTO:原田 智香子

ライフ-スキルを学ぶ 長い夏休み

フィンランドでは子供たちにはすばらしく長い夏休みがあります。学校は5月の末から休みに入り次に学校へ行くのは8月の中旬です。2ヵ月半自由の身になるのです。

でも『自由の身』も、何もすることがなくてとっても長いと退屈です。ですから大抵子供の夏休みは色々様々な講習会や夏季学校でスケジュールはいっぱいです。最も人気があるのは自然の中でいろいろな活動をするボーイスカウトのキャンプや運動をするキャンプ、たとえば乗馬キャンプ等です。

子供のサマーキャンプや講習会は学校の授業とはまったく隔離されていて、ここでは学校で学ぶ事とは別種のライフ-スキルを子供たちに教えます。キャンプでは親の支えなしで同年代の子供たちと一緒に協調、共同してやっていかなくてはなりませんし、そのようにして自立心を養います。多くのキャンプではとってもたくさん仕事もして、我慢強さや忍耐力を学びます。いったい自分はどれくらい仕事ができるのか試してみるのです。

講習会の内容は非常に様々です。たとえば息子のヘンリはちょうど今、子供のための建築学校アルッキの合宿に参加中です。この合宿では朝から晩まで森の真ん中で小屋作りに励みます。小さなナイフを振るい、7歳から12歳までの男の子たちが高い木の上に小屋や橋や要塞を作っていくのです。

母親、父親は合宿も最終日になり、恐ろしく高いところに造られた装置がすべて完成しなければここには入れてもらえません。講習会の終わり、お母さん達はかわいそうなことに7メートルもある高い木の先っぽにある要塞まで登ることを命じられます。断れば息子ががっかりしてしまいます。ハイヒールを脱ぎ捨て、もう登るしかありません!

裂き織り教室

おばあちゃんは娘のメリを友達と一緒に4日間の子供のための織物教室へ入るように勧めました。去年も参加した講習会です。実はその時私は、8歳の子供たちが大きな機で毎日6時間、7時間も機が織れるかな、と半信半疑でした。(何しろ家ではたった15分の食器洗いや掃除機かけが、果てしなく長い仕事に感じるらしいので)結局私の疑いは無駄に終わりました。小さな女の子たちは二人で競争しながら、とても楽しんで一日に何時間も機を織り、素敵な長い長い布を織り上げました。

去年メリは自分のために夏のバッグと白いウールのマフラー、それから我が家のために麻のクリスマス用のテーブルセンターを織ってくれました。メリは今年はもっと難しいものに挑戦したい、と言い、マットを織ることにしました。おばあちゃんや母親が家に織ったマットと同じように、本物のマットを自分も織る、ということがメリにとってワクワクする事だったようです。

フィンランドでは、100年にも及ぶとても長い伝統がある裂き織りのマット。一昔前、この国は貧しかったので、すべての素材がとても大切でした。すっかり使い古した衣服や布も最後まで使い果たそう、というわけで着古したシャツ、ズボン、カーテンやシーツをすべて細く裂き、それを美しいマットに織り上げました。こういったマットは今現在でもそれぞれのフィンランド人の家庭に必ずあります。

子供のための織物教室はとても簡単に開くことができます。ほとんどすべての街の近郊に市立やその他団体の織物センターがあるからです。ここには常に指導者がいて機で何かを織りたい人たちの指導にあたります。糸代だけは自己負担です。織物は、機を使って自分の夢をかなえることができるので、フィンランドでは非常に人気のある趣味ですし、大人だけでなくもちろん子供にも人気があります。

近頃の子供たちも自分の好きな色でマットの横糸を選びます。今の流行は、ぼろぼろのジーンズを細く裂き、横糸にすることです。私もジーンズでマットを織った経験があります。あの青いデニム色はとってもきれいですね。特にピンクや白を合わせて縞にすると、とても美しいと思います。最近は、メリヤスを工場で細くカットし紐状にしたものが、マットの横糸用として売っているので、昔のように色使いに頭を悩ませる必要はなくなりました。

次に小さな女の子たちが大好きな色はもちろんピンク色。メリと彼女のいとこのユーリアのマットもやっぱりピンク色に出来上がりました。それに、一緒に織物教室に参加したローサのマットもやっぱりピンク。(ローサという名前自体、フィンランド語で桃色を意味しています。それに金髪のローサの服は全身ピンク尽くめでしたっけ…)

織物教室の後は、あちらこちらのお宅の床にはピンク色のマットが敷かれ、来客たちの賞賛を浴びることでしょう。この娘が大きくなり、いつの日か親元を離れるときには、この自分で織ったマットを持って出て行くのだな、と親たちはわかっています。その日のイメージが脳裏をかすむと、母として胸がキュッとします。娘はそんな親の気持ちは知らず、このマットにはしゃいでいます。夏休みは、子供たちの大人になる夢が、大きな一歩で前進するときです。

夏という時期には、子供たちが家を出て行ったら私は何をすべきなのか、と母として深く考えざるを得ません。もしかしてその時は、私が近所の織物教室に参加し、ジーンズ・マットを一つ二つ織る番かも知れません。本当は今すぐにでも織りたいのですよ。でも今は時間がありません!


Text & Recipe : Hanna Jamsa (ハンナ・ヤムサ)

ヘルシンキを拠点とした現地でのガイドツアーや様々なサービスを日本人旅行者に提供する会社、My Suomi(マイスオミ)代表取締役。実はフィンランド屈指のアンティークコレクターでもある。フィンランド・ヘルシンキ在住。

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フィンランドのお母さんたちは、子供たちのためにとても頻繁にパンを焼きます。いろいろな講習会や合宿などに参加する時に、お弁当として持たせるのにも便利なものだからです。にんじんパンはその中でも特に人気のある一品。理由は、子供にとっては《甘くておいしい》し、母親にとっては《ヘルシー》なパンだからです。パンは小さく丸めてロールパンにしたり、長細い形に焼いたりします。焼きあがったパンは半分に切り込みをいれ、間にバターやフレッシュチーズを塗り、ソフトな味のチーズやスライスしたトマト、きゅうりをはさみます。ハムをはさんでもとてもおいしいですよ。