
Aalto トレイ(小さい方)にリモコンは乗るのか?
ティーマの前身キルタ(1953年-1974年)が生産終了となった7年後の1981年、キルタの基本的な概念はそのままにフォルムの修正、カラー展開、ラインナップの見直し、そして当時の新しい生活様式に合わせ、電子レンジでも使えるように、陶器から磁器へと素材を変更し、より丈夫で機能的なシリーズへとリニューアルした「ティーマ」。発売当時はキルタと同じARABIAの製品でした。ARABIA期の刻印を探し集めてみると全部で6種類見つかりました。これを機に刻印ごとの生産年代を明らかにしたかったのですが、資料がなく困難だったため、ヘルシンキのビンテージショップ「Bisarri」オーナーのマルヨさんにご協力いただきました。ところがマルヨさんに聞いても、刻印で年代を判別するのはとても難しいとの話。アイテムによって使う刻印を変えたり、過去の刻印をまた再び使うような事もあった時代なので、当時のARABIA工場の人ですらクリアにするのは難しいだろうという見解でした。という事で、ARABIA期の年代は確定することが出来ませんでしたが、今回はマルヨさんがビンテージを判別する際の肌感を元に、ARABIA期の刻印を(1)から(6)までアバウトこんな感じという順番で並べていただきました。
※この情報は非公式ですので、あくまでも個人が参考にする以外に使用しないでください。※転写転載も禁止ということでお願いします。
【1981年-(1)】
ティーマの最も古い刻印は(1)。というのは資料的に見ても間違いなさそう。ARABIAの上にある『王冠』のようなグラフィックは、ARABIA工場の『煙突』を表しています。
【年代の順番不明(2)(3)(4)(5)(6)
(2)(3)は、ほぼ同時期ではないかという感覚。続いて(4)。その後に、現在のロゴでもお馴染みとなった「DISHWASHER SAFE OVEN TO TABLE MICROWAVE SAFE」の文字が入った(5)(6)が登場。これがARABIA期の後半、というのがマルヨさんの見解。
【2003年前後(7)】
2003年、ティーマはアラビア社からイッタラ社へブランドを移行。そのブランド移行の間で作られた刻印が(7)。特に大きくデザインされた「iマーク」が印象的。ARABIAのイメージから一新したいイッタラの主張の強さが表れているようにも見えますが「Arabia Finland」も、小さく記されている、配慮のような?名残もあり、過渡期を感じられる刻印です。この刻印は2年程しか使用していなかったと思われるので、ビンテージショップで見つけるとつい手に取ってしまう、気になる存在の刻印です。
【2004年(8)】
私たちが一番見慣れている刻印(8)。マルヨさんによると、この刻印になったのはティーマにレッドが登場したタイミングの2004年。食器洗浄機 ・電子レンジ・オーブンに加えて、冷凍庫でも使える「FREEZER SAFE」という一文が加わりました。
【2025年 (9)】
iittalaの新ロゴが発表された2024年、スコープ25周年を記念してiittalaに別注したイエローティーマ。新ロゴが発表される前の発注だった為、裏刻印は旧ロゴ+scope 25v. 2025。これがiマーク刻印最後のティーマとなりそうです。1981年から続くティーマの裏刻印にscopeの名が記される日がやってくるとは!