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2021年9月24日
〇〇ご飯が映える黒飴

栗ご飯を炊きました。8月末から9月下旬まで、実家の庭の栗が一日2kg前後落ちてくるので、時期後半、粒が大きく育った栗を一週間チルド室で眠らせて甘味が増してきたタイミングを見計らってしれっといただいてきます。栗は下ごしらえが大変なのですが「栗くり坊主」という専用皮むき器があれば、超らくちん。鬼皮をお湯で柔らかくしておくと面白いほど簡単に剥けるので苦になりません。苦にならないとは言っても、栗ご飯作りにはそこそこの時間と労力を費やすので、結果おかずも汁物も作らないままゴール。我が家では食べる物が一品しかない場合、"パーティ"と言う単語を後ろに付けることで逆に楽しくなってくる?小さなマインドコントロールを日常的に行っております。例えば、夕飯が面倒くさくて買って来たパンを並べただけの夕飯は、パンパーティ。だから栗ご飯だけの今日は、平日の昼間っからクリパという事になります。麦茶でカンパ?イ。そんなパーティの時は器選びが肝心、一品が最大限映えるような器を選びます。黄色く炊きあがった栗を引き立てるのは東屋の伊賀飯椀 黒飴。これでどうでしょ?(スコープ酒井)

2019年6月1日

この旬シュ瞬!の連載、実は先月からしばし魚介類をテーマにしてみようぜとなったのですが、僕にとっては『新章突入!』というくらいの出来事で、気持ちも新たに気合が入っています。

というのは、魚=外で食べるもの、という話をよく耳にする今日この頃ですが、家庭でも肩の力を抜いて魚料理を楽しんでもらいたいと、魚好きの僕は思っているからです。何故ならシンプルに美味しいから!

今月のテーマである鮎も、和食屋さんの初夏のコース料理では鮎の塩焼きは定番ですし、野外イベントで豪快に串焼きが提供されているのも見たことがあるので、外では食べる機会もあると思います。でも家庭料理としてはあまり馴染みがないのではないかと。日本のいたるところで天然ものが獲れて養殖もされていて、6月くらいからスーパーで普通に買えるところも多いと思うので、一度手に取ってみてくださいね。

僕が家で作る鮎料理でおすすめしたいのが、米2合に鮎2尾を用意して作る炊き込みご飯。人数分の鮎を買って塩焼きにするよりも試しやすいですし、炊き込みご飯なら、天然or養殖というちょっとした素材の違いも、薬味などをうまく合わせることでクリアできちゃいます。

まず買ってきた鮎は、ため水の中で洗って、表面のぬめりを取りましょう。次に、鮎に塩をして魚焼きグリルへ移し、ただただ強火で表面に焼き色がつくまで焼きます。鮎の皮に香ばしさがプラスされるだけで美味しさ5割増しくらいになるので、ひと手間をかける価値あり!

あとは米を研いで水加減して、30分くらい浸水し、醤油、酒、みりんで味つけ。そこへ焼いた鮎をはじめからのっけて炊飯します。

炊きあがったら鮎を一度取り出して頭や骨を箸で除いて身をほぐし、身をもどし入れていただきます。天然の鮎ならワタも全部混ぜ込んでも美味しいですし、養殖の鮎なら大葉や細ネギなどの薬味をたっぷり合わせたり、ちょっとだけコショウをきかせても美味しいのでお好みでどうぞ!

魚を普段からさわらない人には、鮎を“洗う”作業ですらハードルが高いかもしれませんし、“身をほぐす”作業もちょっとひと手間です。でも、たまには素材まるごと触って調理することがあっていいと思いますし、作る時も食べる時も満足感や有難みのようなものがしっかり身にしみて感じられる、どちらも魚料理ならではの良い工程なので、前向きに取り組んでみましょう!

米2合に対する調味料は【醤油大さじ2.5、みりん&酒各小さじ4】。土鍋なら米を研いで水気を一度切って水450mlを加えて30分浸水し、そこに調味料を入れて炊きます。炊飯器なら研いだ米を内釜に入れて水を少なめに30分浸水後、調味料を入れ、最後に目盛りまで水を追加して炊くとよいです。好みで昆布を一切れ入れたり、水の代わりにだし汁を使ったりしても!

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

2018年11月1日
自然薯

ある料理雑誌の編集の方とお話したとき、「うちの調査結果だと、すり鉢って持っていない人も多いみたいで…」という話題になったことがあります。

「マジっすか?」と聞き直したあと、しばし絶句してしまったほど衝撃を受けた僕ですが、ここで声を大にして言いたい。和食作りにすり鉢は超便利なのだ!と。

すり鉢には、食材をする(下ごしらえ)、すったものと何かを混ぜる(調理)、そのまま食卓にドーンと出す(盛り付け)、という台所から食卓までの流れを一手に引き受けてくれる万能さがあるのです。

あと、個人的には、すり鉢とすりこ木でごろごろすっていると、ちょっとだけ心が休まるような気がして好きです。同じ作業の繰り返しなのですが、すりこ木から手に伝わる感触も「作っている!」という実感をもたせてくれるんですよね。

さて、今月の食材の「自然薯」、長芋とはひとあじ違う粘りと濃い味わいが楽しめるので、とろろかけご飯が最高に美味しいわけですが、テレビを見ながら、もしくはちょっとボヤっと考え事しながらでも手を動かし、それで美味しくなるんだからいいよなぁ、とすり鉢料理の優秀さをつくづく感じます。

11月くらいから全国で流通し始める自然薯は、最近では天然もの以外に栽培もさかんに行われているので、手に入りやすくなったと感じている人も多いのではないでしょうか。

自然薯の下処理としては、まず土を洗い落として、水気をふき取ってから直火でさっとあぶってひげ根を燃やしましょう。ひげ根だけはすり鉢でもつぶせないので、ここはポイントです。

ひげ根さえなくなれば、皮ごとでよいのですりおろします(気長にすり鉢に自然薯を当ててすりおろしてもいいですが、ものによって皮が残りやすくなるので、おろし金で一度すりおろし、後からすり鉢でするのがおすすめです)。

粘りが強いので分離しないよう少しずつ、だし汁と醤油、好みで溶き卵なんかも加え、ごろごろごろとすって仕上げます。

さあ、熱々のご飯の用意ができたら、すり鉢ごと食卓に。しぶめの食卓で絵になるのは間違いなし、言わずもがな、しみじみと美味しい!

うちでは、ごろごろすり係として娘を任命したりするのですが、食べるとき、「だしがきいてうまいねぇ」などと、作ったからこそ分かる味わい方をしていて面白かったりもします。

今回はとろろ大好きなうちの娘が自然薯をすっているところのワンカット。なかなか手つきも様になってきています。すった自然薯に加えるのは、自然薯250gに対して、だし汁100ml、醤油大さじ1、溶き卵1/2個分くらいが目安かと。醤油は普通の醬油でもいいですが、あれば淡い色合いの薄口醤油がおすすめです。好みで青のりやわさびを添えてどうぞ!

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

2018年7月1日
とうもろこし

炊きあがってくるときの香ばしく甘い香り、フタを開けたときの湯気のむこうには瑞々しくぷりんとした黄色の粒々たち。米もとうもろこしも芯からふっくらアツアツの炊きたてをいただくと、しみじみとした美味しさがあじわえます。

今回はきっとみんな大好き「とうもろこしご飯」のすすめです。お気に入りの鍋で炊いて、炊きたてを鍋ごとテーブルに運べば、おもてなしにもイケる存在感のご飯です。

さて、この「とうもろこしご飯」の味付けはシンプルに塩だけ。米2合に対してとうもろこし1本くらいが具沢山に感じられて嬉しい仕上がりになると思います。 とうもろこしは長さを半分にしてから縦に置き、上から包丁でそぎ落とすように実を切り落とすとやりやすいです。米2合を研いで水加減して、30分ほど置いてから塩小さじ1強を加えて溶かし混ぜ、とうもろこしの実と芯をはじめから入れて炊飯スタート。

10年以上前に料理屋で修業していた頃から作り続けているこの炊き込みご飯ですが、去年から一つだけやり方を変えました。それは、「とうもろこしの芯も一緒に炊いちゃう」ということ。芯の有り無しで食べ比べてみたところ、芯入りの方が、ご飯にとうもろこしの風味や甘みがプラスされて、より美味しかった!

これまで芯捨ててたなーと、最近は10年分の敵討ち的な心もちで、実と一緒に芯を必ず入れてから炊飯するようにしています。知らないことがたくさんあるから料理って楽しいのです! ちなみに、とうもろこしを買うときは、手に取るときに穂先の方を軽く握ってみるといいです。ずっしりと実が詰まっていそうで太いものなら、間違いなくしっかり美味しく育ってくれています。

スーパーでとうもろこしを見かけるようになると、野菜作りが好きな祖父の家で、とうもろこしの蒸したものや、キンキンに冷えたすいかがおやつでよく出てきたことを思い出します。ついでに祖母があんなこと言ってたなぁとか、いろんな出来事が頭に浮かんできたりします。とうもろこしは、僕にとっては子どもの頃の夏の思い出のひとつとも言えますね。

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

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