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2022年3月11日
物も人気も薄い平碗を使いまくって

TIME&STYLEのTSUBAKI碗は、圧倒的人気が端反り、次いで人気なのが酒井の武士飯効果?丸椀です。平碗はイマイチ薄味です。で、僕自身の生活のお椀を平碗に変更し、日々使いまくる試みをしましたら、平碗の良さを理解できてきましたから報告ナウ。つみれやしんじょの様な料理には平椀が似合う、使い易いはその通りながら、日常ではあまり出会わない。この平碗が使えると思いましたのは雑煮でした。僕は雑煮が好物です。毎日でもOKな人です。実家の雑煮の具は白菜に鶏肉が基本でありますけれど、僕は白菜に豚肉、これが好物です。昨年より平碗を常備しているので、それに伴いお正月から雑煮も定期的に作るようになりましたのは、嬉しい展開でございます。雑煮に平椀ナイス。そして豚汁、とんじる、ぶたじる、今でもどっちかわかんないんだけど、豚汁も平碗ナイス。だから雑煮や豚汁こういった具多き汁物の登場が頻繁でしたら平碗ナイスと思います。もちろん、普通の味噌汁には向かないのか?と聞かれれば、そんなことも当然なく、問題なく違和感なく、普通に使えます。3種それぞれ使って思いますのは、多少の似合う方向はありますけれど端反椀、丸椀、平碗、どれであっても日々にイイ感じで使えるから、好みで選べばいいんじゃないかと、そんなナウでございます。(シャチョウ)

2021年9月10日
ひとりの時、武士飯

シャチョウがお届けするスコープアパートメントのテーブルと打って変わりまして、酒井家からお届けしますのは米と味噌汁オンリー、質素の極み。武士飯でございやす。右に見えますのが、江戸の食卓を書いた本に載っていた納豆汁。具は納豆、小松菜、木綿豆腐。擂鉢半殺しにした納豆を出汁で伸ばして味噌汁に投入します。具材全て栄養価が高い上、意外と腹持ちがいいのです。ご飯と味噌汁だけかい!な食事を、マックス映えさせてくれますのが折敷全判。折敷の上に並べれば大抵、ねづっちくらいは整います。納豆汁はTSUBAKIの丸椀朱塗に、飯碗は伊賀の志野を並べるのが厳しい食事情を、丸く優しく温かく和らげてくれる感じがしてとても気に入っています。家にひとりの時のお昼は大体こんな感じで健康的。多分すんごい長生きすると思う。(スコープ酒井)

2020年2月1日
しじみ

その日のご飯の汁物が“しじみの味噌汁”だと、娘が高確率で「おかわりある?」と聞いている気がします。天然の出汁かとか、体にいいとか、全く考えてないだろうから、ただうまいんだろうなぁ、こういううまさが好きなんだなぁと、一生懸命小さな貝の身を食べる姿を眺めながら僕は考えていたりします。

世の中に「うまいもの」はたくさんあります。僕もコンビニをうろうろして気になるものを買ってみるけれど、だいたい良くできていてうまい。そんな食品を手軽に買えることってありがたいなと思う反面、どの食品も見事にうま味が強いから、細かい加減が少し分かりにくくなっている気もしています。それじゃあせっかくの「食べる」という楽しみの幅を逆に狭めることすらあるかもしれない…とも。

たまにはシンプルな食べ物を、その素材ならではのうま味の強さ・余韻の残り具合・後味のすっきり度など、考えをめぐらせながら味わってみてほしいなと思います。あらためて自分の好みの美味しさ、うまみの加減の輪郭がはっきりして、料理や食事の楽しみ方のヒントになるはずなので。

それでは、ここからはそのシンプルなうま味たっぷり、しじみの味噌汁の作り方を簡単に。 500mlの水に昆布を入れて30分ほどおいて味をひきだしやすくしておき、火にかける直前に洗ったしじみを加えます。

火加減は弱めの中火くらいで、いきなり沸騰させるのではなく、じんわりとあたためていき、しじみと昆布から旨みを引き出します。沸いたらアクを丁寧に取り、昆布も取り出します。そこへ味噌大さじ2、酒大さじ1ほどを加えたら完成、むずかしいことはありません。仕上げには好みで粉山椒をふってください。

ちょっと専門的な話になりますが、昆布のグルタミン酸としじみのコハク酸の合わせ技で、【うま味の相乗効果】なるものが発動し、感じるうま味の強さが倍増すると言われています。もちろん昆布なしでも作れるけれど、口にしたときの飲みごたえも、余韻がありつつもすっきりとした後味も、どちらもかなえてくれるので、ぜひ一度おためしを。

水500mlに対してのしじみの分量は200gほど。また、しじみは冷凍するとうま味が増すよ!といたるところで聞きますが、確かにうま味は増すけれど、若干泥臭さが出てくることもあるので好みにもよるかなと。冷凍せずに昆布を合わせてうま味を倍増する、これがいちばんな気がしている冨田なのでありました。

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

2019年5月1日
しらす

「本当に美味しいものは、何日か続けて食べて飽きないもののことだよ」と、社会人になりたてのころ通っていた八百屋の店主さんに力説されたことがあります。

いま、美味しいものについて考える仕事をさせてもらっていて、たまにその言葉を思い出すことがあります。なるほどそれは確かにそうかもしれない。       “美味しい”の基準はいろいろですが、何日か連続で食べれちゃう料理は、その人にとって確実に美味しいものと言えるでしょう。僕の実感としても、一回食べてめちゃくちゃ美味しいものよりも、「昨日も食べたんだよなぁ~」と思いながらも箸がすすむ料理の方が、また作ろってなるし、家族からの評判も良い気がします。今回紹介する“釜揚げしらす丼”は、うちにとって、いまの時期、まさにそんな一品です。

春を迎えてあたたかくなってきた頃からが全国的にしらす漁の時期。獲れたてを漁港近くで茹であげた「釜揚げしらす」は、冷凍でないものが出回るようになり、そのプリン!とした身の口当たりと、臭みのないやわらかな風味は、何とも言えない美味しさ! 冨田家ではスーパーで買うのはもちろん、より新鮮なものをお取り寄せすることもあるのですが、鮮度が良いものは本当に食べ飽きないんですよね。

さて、しらす丼の作り方ですが、ご飯の上に順に乗っけていくだけなので失敗のしようがありません。ひとつ、僕のこだわりがあるとすれば、ご飯の上に少しのカツオ節を散らすこと。丼ぶりいっぱいのご飯を食べるなら、多少味わいに複雑味や変化があった方がいいですし、丼ぶりにはやっぱり「かっこみたい!」くらいのやみつき感があってほしいと思うので。

話がそれましたが、次は、カツオ節の上に釜揚げしらすをドーナツ状に盛り、中央にそっと卵黄をのっけます。刻みねぎや青じそといった薬味が一つでもあれば、見た目も味も、そして作りやすさもふまえて、これ以上ないカンペキな丼ぶりかと。

ちなみに、おかずや丼ぶりなどに卵黄だけを使った時は、献立の汁ものを卵白のみそ汁にすると良いです。卵白に合わせる具材はあるものでいいのですが、油揚げや天かすなど、卵黄の代わりとなるコクの出るものをちょっと加えると、みそ汁の味がまとまってより美味しくなると思いますよ。

茹でたて釜揚げしらすをわざわざ家でちょっとだけ冷凍して、【茹でたて冷蔵品vsその冷凍バージョン】で食べ比べしたことがあります。茹でたてを口にしたときに広がるクセのない良い風味って冷凍すると弱まって、魚のクセや苦味が若干強くなる気がしました。「冷凍しないほうが美味しい!」というのが、僕の舌メーターの判定結果です(比べるとですけどね…)

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

2018年8月1日
冬瓜

暑い日が続きます。食欲だけでなく、キッチンに立つ意欲もおちこむ季節ですよね…。どうにかやる気になってもらえるよう、今回紹介する「冬瓜の豚汁」と「料理すること」の魅力について僕なりにちょっとマジメに書いてみようと思います!

冬の瓜と書いて、トウガン。漢字で見ると冬野菜のようですが、冬瓜は夏の野菜です。丸のまま冷暗所で保存すれば冬までもつ、ということでのネーミングだそう。おかげで旬の時期が分かりづらくなってしまったというあたりは否めないですが…。冬瓜といえば、えびと煮たものが定番で、手間のかかるイメージでしょう。でも今回の豚汁はだし汁ナシで美味しく仕上がりますし、生姜の爽やかさもきいて、軽やかな冬瓜が活きる夏の味わいです。

では、ここから作り方を簡単に。冬瓜は薄く皮をむいて種とワタをのぞき、食べやすい1cm厚くらいの大きさに、豚肉も食べやすい大きさに切ります。

鍋でごま油とせん切りの生姜を熱し、香りが出たら、冬瓜と豚肉を入れ軽く炒めます。そこに水を加えて冬瓜に火を通し、味噌をといて完成です!

ポイントは2つあって、一つはだし汁を使わない分、香りやコクの出る食材、ごま油、生姜、豚バラ肉を組み合わせること。もう一つは冬瓜にじっくり火を通すこと。味噌をとき入れる前に7~8分煮て、味噌を入れた後もさらに数分、冬瓜に少し透明感が出るくらい煮ましょう(写真は味噌を溶き入れてすぐ。ここから2~3分煮ると透明感が出てきます)。とろっとした柔らかな口当たりが、冬瓜のやさしい味わいにピッタリですから。

最近、これからも料理をがんばろうとあらためて考えるきっかけがありました。身近な人が病気で倒れてしまったのですが(いまは快方にむかっています!)、回復を待つなか、その人に食べさせてもらった料理が色々と頭にうかんできました。その人らしさのつまった料理で、外では買えないものであり、美味しさ以上にそこに価値があるんです。こんな風に自分も誰かに思い出してもらえる料理を作っていけたらいいな、そういう料理作りの手助けができたらいいなと、僕のひそかな目標になりました。この冬瓜の豚汁も、外では食べる機会のない料理だろうと思います。せっかくキッチンに立つのなら、家族に、自分に、そんな料理を作ってみるのはどうでしょう。

(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ

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