
2019年7月1日
ウルティマツーレと夏
ウルティマツーレは夏!
フィンランドの氷をイメージさせるウルティマツーレ。氷とフィンランド、だから冬に使う事をイメージしていた。冬に氷の冷たさなんて誰も求めてないんだけど、何故かウルティマツーレは冬に使うイメージがあった。フィンランドへ行くのは冬が多いからだろうか。フィンランドでウルティマツーレを使うのも寒い冬のイメージである。ウルティマツーレ、物も使うも冬のイメージだった。でも、涼し気な食器こそ夏!そう夏に愛用すべきじゃないの?と今更ながらに思いついたというか、今更ながらに気付き、ようやく夏のウルティマツーレをお披露目してみる。2018年冬のクリスマスにウルティマツーレを手にしてくれた皆様、少しズレた提案していたのかもしれませんが、ここで修正というか補正というか、この機会に夏のウルティマツーレを楽しんで頂戴。食器で涼をとり、気持ち良い夏を過ごしてみて頂戴。

馬子にも衣装じゃないけれど、やはり食事には器が大事だ。立派な椅子に座っていると立派になった気持ちになるし、普段より少し立派に見えるんじゃないだろうか。衣装により同じ人でも貧相に見えたり、立派に見えたりする。料理も綺麗な器、立派な器に盛りつけてやれば目にも美味しそうに映る。器がよくなり、料理もおいしそうに見えれば上昇気流にのり、料理の腕前も上がっていくだろう。素麺を茹でてサービングプラターに盛りつけた。本当に涼し気で美味しそう、最高だった。刻んだネギはボウル11.5cmに、素麺つゆはオールド Sへ。麺を茹でてネギを刻んだだけ、ツユは創味のつゆである。素麺はそれほど好きではなかったんだけど、見た目にやられたのか、とにかく美味しかった。それは僕だけでなく他のスタッフ数名もそうだったみたい。ウルティマツーレがあるなら素麺もいいな。ひょっとしたら歳のせいかもしれないんだけど。


猪口とオールド S
蕎麦猪口は用途が広い。蕎麦つゆをいれるだけでなく、酒を呑むにも使うし、ちょっとした料理を盛りつける。ウルティマツーレのオールド S、そんな蕎麦猪口と同じように使ってみるといいんじゃないだろうか。洋酒を呑むだけでは勿体ない。日本酒も呑もう!だけじゃなく、素麺や蕎麦のつゆをいれてもいい、酢の物を入れて食卓へ出してもいい。向付として使うのもアリ。大き過ぎず、小さ過ぎず、それに向いたサイズなんだと思う。そもそもオールドファッションなんて名前が用途を狭くしているんじゃない。ガラスの蕎麦猪口とでも思っておこう。グラスをボウルのように使えば少し違和感あるものだけど、これはスッキリとシックリきた。


豪華ガラスのドンブリ
ウルティマツーレボウル20cmってのは相当大きな代物と思っていたのだけれど、ティーマの万能選手、ディープレート21cmと似たようなサイズじゃない。ガラスの厚みが大きく感じさせるのだが、直径でいえばお一人様サイズじゃない。そこで1人分の素麺を盛りつけた。イイ、かなりイイ、これはイイ!深さもあるから水と氷を入れたとしても問題ない。デザートボウル、サラダボウル、つまりセンターピースとして使う用途ばかりが頭にあったのだけれど、一人分の料理を盛りつけるガラス器、ガラスのドンブリと考えてみたら先がパッと開けた。


ダイエット中
ダイエット中です。半年で10kgほど減りました。特に大きく変えた昼食。JR名古屋高島屋1Fにあるパン屋で毎朝買ってます。ツナ&イモが少しのったサラダとバナナ味の豆乳、それでおしまい。今日は腹が減ってたまらなくなりそうだという予感がすればサンドイッチを買うこともあるんだけど、いつもは我慢。そんな少し寂しいランチのサラダも、四角いプラスチックケースから、ウルティマツーレプレート19cmにうつし替えてみたら量が多く見え、少し気が楽になった。アイスティーはスパークリングワイングラスで、ミルクはコーディアルにいれて。ダイエット中はこういった飲み物が楽しみになる。どっしりしっかりのウルティマツーレピッチャーに美味しい冷たい飲み物を準備することは欠かせない。



ヤッコとボウル11.5cm
ガラスボウルに冷奴。ウルティマツーレボウル11.5cmほど冷奴が似合うガラスボウルというのも少ないんじゃなかろうか。周りに並ぶは、どれもこれも和食器であるのだけれど、実によく馴染んでいて、涼し気で美味しそうだ。氷の溶ける様子がデザインの元となっているそうなのだが、そういった自然の様子を器の形状に取り入れるというのも日本的なんだと思う。だからか和食器とよく馴染む。日本のガラス器より馴染んでるんじゃない?と思うぐらいに馴染んでいる。箸が似合うフィンランドデザインというのも珍しい。



大きなガラスボウルの力
もう15年以上前の話になるのだけれど、あるガラス作家さんの個展で立派なガラス器を買った。ウルティマツーレサービングプラターのような大きくて立派なガラス器だった。そのガラス器は、何に使うイメージで作ったのか?作家さんの用途を聞きたかったので直接質問してみると、花器として使う感じでしょうか?というボンヤリした返答だった。逆に、何に使われるんですか?と聞かれたので、僕は『刺身を盛りつけてみようと思います。』と即答したら『さっ、刺身を盛りつけちゃうんですか?』と大きく驚き小さく笑われたのだけれど、もし食器に使えないなら、それを僕が買うことはなかったと思う。そのガラス器を手に家に帰り、スーパーで刺身を色々買い込んで勇んで盛りつけてみると、それは今まで見た事ないぐらいに美味しそうに見え、普段より美味しく、素晴らしい晩御飯になった。


大好物は手巻寿司 好きなのはいくら
何が好きって手巻寿司が好きです。楽しいし、好きなのを好きなだけ食べられて幸せ至極。特に海苔が僕の好物だから最高なメニューなのです。具材の中ではイクラが好きです。だからイクラをガラスボウルに満たされているのは、見ているだけでもハッピー。ティーマとカルティオガラスボウルで構成する手巻き寿司も良かった。でも刺身盛りが段違いに立派に見えるウルティマツーレは最高位にある。手巻き寿司用食器としての最高位にある。銘々皿にはウルティマツーレ19cmを選んだ。少し大きいかな?と思ったのだけれど、ある程度の寿司飯を自分の皿にとっておくと便利という持論を披露するスタッフがいて、なるほどと思った。寿司飯の位置から遠いと、毎度面倒だからね。とするとプレートは19cmぐらいあるといい。全てにおいて素晴らしい手巻き寿司セットアップになった。こんな寿司パーティーであったらいつでも歓迎、最高ハッピーだ!この夏、きっと盛り上がるでしょうから、お試しあれ。

まぁ長々と色々良く書いたわけだけれど ウルティマツーレは日本の夏が似合う そんな話でした。 ※ウルティマツーレは現在アイテムを絞り、以下のアイテム以外は取扱終了しています。なかなか売れてくれなくてね、すみません。

2019年7月1日
7月の食材「アジ」

夏が旬のうまいアジ!
初夏の贅沢炊き込みごはん
テレビでもSNSでも、【ダンナが料理をしなくて…電子レンジの使い方すら危うい】なんていう、料理好きな僕からすればちょっと残念な話題をたびたび目にします。
とはいえ、僕の実家もそんなようなもので、料理をするのは母だけ、父が台所に立つ姿なんてほとんど見たことがありませんでした。
でも、そんな父の唯一の得意料理が、この「なめろう」だったことはよく覚えています。豪快な手つきでアジをたたき、薬味や味噌をぶっこんでさらにたたいて、そのままドーン!と食卓へ。父の作る酒のすすむ肴は子供にも嬉しく、それはそれは美味しいものに感じました。

そう、アジなどの青魚の刺身に、薬味ねぎ、生姜、味噌をたたき合わせるだけのこの料理、普段料理をしない人でも美味しく作れることは検証済み(僕の実家にて)。勢いまかせのようで、その「勢い」が美味しさの軸になっていて、逆に母には真似のできない味だったかもしれません。


なめろうについて、「なぜか美味しくできない…」という質問をもらったことがあります。詳しく聞くと魚の鮮度も薬味の組み合わせも悪からず。じゃあ何なのかと考えてたどり着いたのが、調理中に温度が上がって、魚の生臭さが強く出たんじゃないかと。


刺身は冷蔵庫から出したてを食べるのが普通ですが、まな板の上でたたいて作るなめろうは、気を抜くと食べる時にはぬるくなってしまいます。最高に鮮度のいい魚だってぬるくては美味しさ半減なので、ここは気をつけたいところ。
たたく前のアジをしっかり冷やしておく、手早くたたくということはもちろんですが、【盛り付けるお皿も冷やしておく】という下準備も大切です。
さらにこだわるなら、アジを“さく”の状態で買ってきて、たたく前に「水100ml+塩小さじ1+氷ひとつかみ」でキンキンに冷たい塩水を作り、2分くらい“さく”ごと浸して冷やしてみてください。それをなめろうにすれば、なめらかさと薬味のシャキシャキ感の中に、キンとした冷たさが残り、キレのある美味しさに仕上がります。アジはいまが旬なので、夏の冷酒、あたたかい白ごはん、どちらにもぴったりの一皿をぜひおためしくださいね。
旬のアジは脂がのっていてうま味マックスな美味しさ!なめろうの材料は、刺身100gに薬味ねぎ1~2本、生姜10g、味噌小さじ2ほどを目安に、好みでみょうがや青じそをプラスしてたたいても。また、こだわりの“さく”で作る場合は、血合い骨を抜く必要があるので、買うときに抜いてもらうか、がんばって自分で抜きましょう!
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2019年6月10日
第54回 にんじん









2019年6月1日
6月の食材「鮎」

香ばし鮎に薬味たっぷり!
初夏の贅沢炊き込みごはん
この旬シュ瞬!の連載、実は先月からしばし魚介類をテーマにしてみようぜとなったのですが、僕にとっては『新章突入!』というくらいの出来事で、気持ちも新たに気合が入っています。
というのは、魚=外で食べるもの、という話をよく耳にする今日この頃ですが、家庭でも肩の力を抜いて魚料理を楽しんでもらいたいと、魚好きの僕は思っているからです。何故ならシンプルに美味しいから!
今月のテーマである鮎も、和食屋さんの初夏のコース料理では鮎の塩焼きは定番ですし、野外イベントで豪快に串焼きが提供されているのも見たことがあるので、外では食べる機会もあると思います。でも家庭料理としてはあまり馴染みがないのではないかと。日本のいたるところで天然ものが獲れて養殖もされていて、6月くらいからスーパーで普通に買えるところも多いと思うので、一度手に取ってみてくださいね。
僕が家で作る鮎料理でおすすめしたいのが、米2合に鮎2尾を用意して作る炊き込みご飯。人数分の鮎を買って塩焼きにするよりも試しやすいですし、炊き込みご飯なら、天然or養殖というちょっとした素材の違いも、薬味などをうまく合わせることでクリアできちゃいます。


まず買ってきた鮎は、ため水の中で洗って、表面のぬめりを取りましょう。次に、鮎に塩をして魚焼きグリルへ移し、ただただ強火で表面に焼き色がつくまで焼きます。鮎の皮に香ばしさがプラスされるだけで美味しさ5割増しくらいになるので、ひと手間をかける価値あり!


あとは米を研いで水加減して、30分くらい浸水し、醤油、酒、みりんで味つけ。そこへ焼いた鮎をはじめからのっけて炊飯します。


炊きあがったら鮎を一度取り出して頭や骨を箸で除いて身をほぐし、身をもどし入れていただきます。天然の鮎ならワタも全部混ぜ込んでも美味しいですし、養殖の鮎なら大葉や細ネギなどの薬味をたっぷり合わせたり、ちょっとだけコショウをきかせても美味しいのでお好みでどうぞ!

魚を普段からさわらない人には、鮎を“洗う”作業ですらハードルが高いかもしれませんし、“身をほぐす”作業もちょっとひと手間です。でも、たまには素材まるごと触って調理することがあっていいと思いますし、作る時も食べる時も満足感や有難みのようなものがしっかり身にしみて感じられる、どちらも魚料理ならではの良い工程なので、前向きに取り組んでみましょう!
米2合に対する調味料は【醤油大さじ2.5、みりん&酒各小さじ4】。土鍋なら米を研いで水気を一度切って水450mlを加えて30分浸水し、そこに調味料を入れて炊きます。炊飯器なら研いだ米を内釜に入れて水を少なめに30分浸水後、調味料を入れ、最後に目盛りまで水を追加して炊くとよいです。好みで昆布を一切れ入れたり、水の代わりにだし汁を使ったりしても!
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2019年5月10日
第53回 見つけた日









2019年5月1日
5月の食材「しらす」

鮮度の良い釜揚げしらすの美味しさ!
手軽に丼ぶりにするのがおすすめ
「本当に美味しいものは、何日か続けて食べて飽きないもののことだよ」と、社会人になりたてのころ通っていた八百屋の店主さんに力説されたことがあります。

いま、美味しいものについて考える仕事をさせてもらっていて、たまにその言葉を思い出すことがあります。なるほどそれは確かにそうかもしれない。 “美味しい”の基準はいろいろですが、何日か連続で食べれちゃう料理は、その人にとって確実に美味しいものと言えるでしょう。僕の実感としても、一回食べてめちゃくちゃ美味しいものよりも、「昨日も食べたんだよなぁ~」と思いながらも箸がすすむ料理の方が、また作ろってなるし、家族からの評判も良い気がします。今回紹介する“釜揚げしらす丼”は、うちにとって、いまの時期、まさにそんな一品です。

春を迎えてあたたかくなってきた頃からが全国的にしらす漁の時期。獲れたてを漁港近くで茹であげた「釜揚げしらす」は、冷凍でないものが出回るようになり、そのプリン!とした身の口当たりと、臭みのないやわらかな風味は、何とも言えない美味しさ! 冨田家ではスーパーで買うのはもちろん、より新鮮なものをお取り寄せすることもあるのですが、鮮度が良いものは本当に食べ飽きないんですよね。

さて、しらす丼の作り方ですが、ご飯の上に順に乗っけていくだけなので失敗のしようがありません。ひとつ、僕のこだわりがあるとすれば、ご飯の上に少しのカツオ節を散らすこと。丼ぶりいっぱいのご飯を食べるなら、多少味わいに複雑味や変化があった方がいいですし、丼ぶりにはやっぱり「かっこみたい!」くらいのやみつき感があってほしいと思うので。


話がそれましたが、次は、カツオ節の上に釜揚げしらすをドーナツ状に盛り、中央にそっと卵黄をのっけます。刻みねぎや青じそといった薬味が一つでもあれば、見た目も味も、そして作りやすさもふまえて、これ以上ないカンペキな丼ぶりかと。

ちなみに、おかずや丼ぶりなどに卵黄だけを使った時は、献立の汁ものを卵白のみそ汁にすると良いです。卵白に合わせる具材はあるものでいいのですが、油揚げや天かすなど、卵黄の代わりとなるコクの出るものをちょっと加えると、みそ汁の味がまとまってより美味しくなると思いますよ。
茹でたて釜揚げしらすをわざわざ家でちょっとだけ冷凍して、【茹でたて冷蔵品vsその冷凍バージョン】で食べ比べしたことがあります。茹でたてを口にしたときに広がるクセのない良い風味って冷凍すると弱まって、魚のクセや苦味が若干強くなる気がしました。「冷凍しないほうが美味しい!」というのが、僕の舌メーターの判定結果です(比べるとですけどね…)
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2019年4月10日
第52回 もりもり丼









2019年4月1日
4月の食材「グリーンピース」

フライパン一つで、おかず&混ぜご飯!
生のグリーンピースのおいしい食べ方
豆ご飯だけど、混ぜご飯。もっと言えば、炒めた豆と白ご飯をフライパンの中で混ぜ混ぜってなご飯。今回は4月ということで、料理をこれからはじめる人でも作りやすい、ワンプレートご飯を紹介したいと思います。

4月からは豆の季節でして、絹さやにスナップエンドウ、いんげん豆など、形さまざま緑色あざやかな豆類がスーパーに並びます。
そんな豆類の中で、ぜひ手にとってみてほしいのが、『生のグリーンピース』(和名は実えんどう)。普段は缶詰や冷凍品が使われますが、旬の時期は特別!フレッシュなおいしさが味わえるんです。
スーパーではさやに入っていたり、実だけで売られていたりとさまざまですが、特に実だけのパック売りを買うときは、実から根が出始めたり、乾いてひび割れたりしているものでなく、見た目に新鮮なものを買いましょう。

混ぜご飯には、生のグリーンピースにバター、醤油、塩を使います。冷凍品だとグリーンピースだけの混ぜご飯って味気なくなってしまうけれど、生のものを使うと、グリーンピースだけで十分満足!いや、そのおいしさを味わうには、豆の炊き込みご飯と同様、シンプルにグリーンピースだけ、というのがオススメ。

豆オンリーでOKだから、ピラフやチャーハンなら一緒に炒めてしまうであろう具材は別で炒めておかずにしちゃいます。今回は新じゃがとウィンナーを炒めてワンプレートのおかずに。
新じゃがはくし切りにして、油少々をひいたフライパンでウィンナーと炒めます。弱火でじっくり炒めて、じゃが芋に火が通ればお皿に取り出します。

つぎに、フライパンはそのままで、グリーンピースを入れて2分くらい弱火で炒めましょう。火が通ってきたらバターを加え、塩を軽くふってバターの香りを移します。


ここからがポイントで、最後は火を止めてフライパンの中で仕上げます。あたたかいご飯を入れ、醤油をまわしかけ、しゃもじでざっざっと、粗く混ぜます。【ご飯は炒めず、決して均一に混ぜず!】が僕のお気に入り。このまだらな感じがいいと食べたらきっとわかってもらえるはず!

見た目も明るくてかわいいし、料理ビギナーでも作りやすいので、スタートの多いこの時期、このワンプレートを作って元気になってもらえたらうれしいなぁと思います。
生のグリーンピースと新じゃがは旬の時期が同じなので、ワンプレートに合わせるにはもってこいだと思います。新じゃがには食べる前に塩をふったり、ケチャップそえたりしてどうぞ!混ぜご飯は、茶碗2杯分のご飯に、グリーンピースの実50gくらい、バターは塩入りでいいので10gほど、醤油は小さじ1~1.5くらいでちょうどよい加減になると思いますよ。
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2019年3月10日
第51回 遠くに参鶏湯









2019年3月1日
3月の食材「たけのこ」

材料は水煮たけのことあさりだけ!
春を味わう具だくさんのおかず汁
レシピサイト運営という仕事がら、アクセスの変化で季節の移り変わりを感じたりする僕なので、たけのこ関連ページの人気急上昇は春の知らせでもあり、やっぱりみんなこの季節はたけのこを食べたいんだなぁと想像してほっこりさせてもらっています。

そんな人気者のたけのこ、3月くらいから生のものが店頭に並び始め、実は手軽な水煮たけのこも、国産のものは3~4月にピークを迎えるそうです。たしかにこの時期、“新物”というシール付きなどで売り場にたくさん並べられているのを見かけますよね。 新鮮な生のたけのこを茹でて料理できるならそれに越したことはないけれど、今回はより手軽にたけのこ料理を楽しむため、たけのこの水煮を美味しく調理する下処理もあわせて、簡単な春らしいレシピを紹介したいと思います。 「春香る、たけのことあさりの具だくさんスープ」、それではざっと紹介しましょう~。

まず、スープやさっと煮る料理に水煮たけのこを使うときは、中まで味がしみこまず、ちょっとだけ味が薄く(水っぽく)感じちゃうことがあるので、火にかける前のほんのひと手間をかけましょう。

食べやすく切った水煮たけのこをバットなどに並べ、醤油と水をスプーン1杯ずつかけて5分ほど味をなじませます。たったこれだけですが、出来上がりのたけのこの味わいにグッと差がでます。これくらいならやってもよくないですか??


下処理ができたら、鍋にあさりを入れ、かぶるくらいの水と酒少々を入れて火にかけます。火が通って口が開いたら、あさりを取り出しましょう。汁だけになったところへ、汁気を切ったたけのこを加えて醤油で汁に味付けし、最後にあさりを戻し入れてあたためれば出来上がり。

スープの味わいを濃くするために汁量は控えめで、具だくさんのおかず汁といった感覚で作ってみてください。

たけのこって何に合わせても特有の食感と香りで「オレここにいるぜ」とその存在感を伝えてくれるし、かといって、春の山菜のように個性が強すぎるわけじゃないから他の食材とも合わせやすい。つまり、「存在感あるから主役もはれるけど、個性が強すぎない」という、抜群のバランス感覚をもった、もう名俳優のような食材だ!と思うのです。
参考までに2人分をレシピ化しますと、、水煮たけのこ100gとあさり200gが具材の目安で、そこに合わせるのは水200ml、酒50ml、最後の味付けの醬油は小さじ1ほどになります。あさりの旨みを引き出すため、必ず水からあさりを入れて火にかけましょう!あさりを取り出した後は、アクが出ていればお玉で軽くすくい取ってから、たけのこを入れるとよいですよ。
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク

2019年2月14日
知らぬ間に色々なことができるようになってる
イッタラ工場で バードやロリポップを試作したり 僕がいってた企画が某ブランドの 冬企画になってて、そんな話を エライ人達としたり ヴィッレ・ココネンからメールを貰い ハッリのスタジオで新作の試作を 見せてもらったり 石本先生の家で和食器のことを 打ち合わせしつつ、豆まきしよう! と提案して断られたり。 知らぬ間に色々なことが 好き勝手できるようになってる。 なってんだけど、それは 僕に特殊能力があるわけでもなく ただ実現できると思い込んで スタートしてるってだけだって 振り返りまして、そんな話です。 まず出来るってポジティブに 強引にでも思いこむと結構 実現できちゃったりする。タハ その連続、その繰り返し、 その積み重ねなんでしょうな。タハ これからも、 ハゲみまくりまクリスティ! シャチョウより。






2019年2月10日
第50回 赤く甘いスープ









2019年2月1日
2月の食材「菜の花」

菜の花の春らしさも嬉しい
だし汁いらずのかんたん雑炊
本やWebで「〇〇2・0」みたいなワードを見かけたこと、ありますよね。お金2・0とか、マーケティング4・0とか。数が増えるにつれてその考え方などをアップデートしてるっていう意味なんですよね。
僕の料理も日々まさに更新中で、以前のレシピをふり返ると「この頃はまだこのやり方だったか…」と思うことがざらにあります。今月の菜の花を使った料理も、たぶん菜の花レシピ3・0くらいかな(笑)

さて、僕の菜の花料理で何が変わったかというと、「ゆで汁の美味しさに気づいた」ということがいちばん大きいと思います。料理屋で教えてもらった菜の花のお浸しは一番だしを使って作るけれど、いまの僕は菜の花のゆで汁を冷まして、それをだし汁替わりに使っています。昆布だしのようなやさしい旨みがある菜の花のゆで汁を「料理に使わない手はない!」と気づいちゃったんです。

今回紹介する雑炊でも、菜の花を直入れするからこその美味しさがあります。まずは、菜の花を1~2cm幅に切って(穂先はバラバラになってしまうので切らないように)、細く切った油あげ、ジャコ、卵も用意しましょう。

菜の花は、茎の太さのわりにすぐに火が通るので最後のほうに入れます。水が沸いてからはじめに入れるのは、油あげ、ジャコ、ごはん。ごはんがほぐれたら醤油、みりん、塩で味を調えます。

再沸騰したら菜の花を入れてお玉でさっと混ぜ、30秒ほどくつくつと加熱します。続けて、溶き卵をまわし入れ、少し間をおいてから全体を混ぜれば完成。雑炊は時間をおくと米が水気を吸うので、出来たてを早めにいただきましょう!

ちなみに、雑炊に加える温かいごはんは、入れる前にさっと流水で洗って表面のぬめりを落とすと、仕上がりが比較的さらっとなるので好みでやってみてください。

土鍋で作った熱々の雑炊に、シャキシャキの冷えた大根やカブの漬物。温度と食感のコントラストがばっちり決まったこの組み合わせが個人的に大好きで、寒い時期の献立としてはかなり秀逸だと思ってます。実は冨田家では「今日の晩ごはんは雑炊だよ~」はかなりメジャーなことなのです。
おおよその目安はたっぷり1人分で、ごはん軽く茶碗1杯分に水300ml、菜の花50g、ジャコ10g、油あげ1/4枚、卵1個、調味料は醤油とみりん各小さじ1、塩が小さじ1/6くらい(好みでこしょう少々)。適宜増やして作ってみてくださいね。土鍋で雑炊やおかゆを作るってことは、土鍋の貫入に糊となる米が入って割れにくくなるって勝手に信じてます。
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2019年1月10日
第49回 おだんごパーティー









2019年1月1日
1月の食材「ゆず」

言葉どおり、丸ごと使い切る!
年明けゆずの美味しい食べ方
スコープさんにこの連載の話をいただき、シャチョウさんに「旬、シュ瞬!」という、かっこいい連載タイトルをつけてもらってから、なんとか、旬の食材が家庭料理にいかされるところを切り取ったようなものが書きたいなぁと思うのですが、本当にむずかしく、毎回悩みます。
そんな僕が季節の料理を考えるとき、いつも頭をよぎり、憧れてしまうのが、辰巳浜子さんの『料理歳時記』というエッセイに書かれているような、食材との距離感や向きあい方です。こんな風に食材をくまなく観察し、大事にし、楽しみきれたら、料理は自然と上達していくのだろうと思います。この本は、大学生の頃に手にとってから、ボロボロになるまでなんども読み返していて、日本の家庭料理ってどんだけかっこいいんだ!と僕に気づかせてくれた本です。

今回のテーマの“ゆず”について、料理歳時記には、「年を越すと中身の汁が日に日に減って、薄皮や綿がポッタリしてきます。…こんな状態になったゆずが最高に美味しい」とあります。これを読んだ20代の僕は、それを実際に確かめて、「なるほどなぁ~」と一人頷き、自分の経験として取り込めたことを喜んだりしてたんですよね。

年末から手に入る黄ゆずは、本にも書かれている通り、寒さが本格化した年明けくらいからしっかりと熟して皮までも柔らかくなってきます。ちょうど鍋を囲む回数も増える季節ですから、オススメしたいのは、果汁→自家製ポン酢醤油、しぼった後の実→速攻で砂糖和え、という使い方です。

手順としては、はじめに果汁をしぼってポン酢醤油を作ります。自家製○○というと難しい感じがするかもしれませんが、すごく簡単。ゆず2個分の果汁をしぼり、少し酸味を足すために酢大さじ1を加えたら、あとは醤油を大さじ5、鰹節の小袋を1~2袋分沈めるだけ。

しぼった後のゆずは、種だけは丁寧に除いてあとは細切りにします。ゆず2個に対して砂糖大さじ3を混ぜ合わせ、ねっとりとしてくれば完成です。個人的にはあっさりした甘味のグラニュー糖を合わせるのが好きですね。

出来上がったポン酢醤油は冷蔵庫で1時間くらい寝かせてから上澄みを使うようにして、砂糖和えは箸休めや飲み物などいろいろと使ってみてください。食材を丸ごと使い切った満足感も味わえますよ。

年を越したゆずの果汁は減ってくるといっても、ポン酢に使えないほど果汁がないわけじゃないのでご安心を。それから、ポン酢に入れた鰹節は、数日経ってからしっかりしぼっておくと後々使いやすいです。冷蔵庫保存すれば今期の鍋シーズンの間はずっと使えますので、ぜひまとめて作っちゃいましょう!
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2018年12月10日
第48回 出番です!









2018年12月1日
12月の食材「水菜」

湯気も美味しさのひとつ
蒸したてをすぐ食卓へ!
料理屋で働いていたのは、もう10年以上も前ですが、いまでもたまにリアルな夢を見ます。下っ端として、とにかく仕事に追い回される、ちょっと冷や汗をかくような…。おぉ、夢だったって起きるんです(笑)
この頃の経験がなければ、いまの仕事はできていないと言い切れるほど、たくさんのことを勉強させていただいた時期なのですが、濃密すぎたからこそ、いまだに夢にみるんでしょうね。素材の下ごしらえ一つ一つも、あのときはどうしてたかな、と思い返すことが多いです。

例えば、冬が旬の水菜。下処理で注意したいのは、他の青菜よりも葉や根元に土が残りやすいところ。ため水の中でふり洗いするのが、料理屋のころから変わらぬ僕のやり方になっています。

冬の青菜には、ほうれん草や小松菜もありますが、アクの少ない水菜はどんな料理にも合わせやすく、その当時も登場回数が多かったように思います。料理に合わせて水菜を蒸すのも僕の係で、色味を残す絶妙な蒸し加減で出すために、進行具合から逆算して、ここぞってときに蒸し器に放り込んでたなぁ。

今回はそんな水菜と豚しゃぶ肉を合わせます。火の通りやすさが同じくらいの2つの素材をシンプルに蒸して楽しむ簡単おかずです。“蒸す”という言葉を聞いて、「あーじゃあムリだ」と思ったあなた!蒸し器を使うのは一つの方法であって、フライパンを使っても作れるので、あきらめないでくださいね。

さて、はじめに蒸し器や蒸籠での作り方から。切った水菜をお皿に広げ、豚しゃぶ肉を上に広げます。肉に軽く塩・こしょうをして水菜を少し足し入れたら、酒、ごま油、すりごまを少量ずつ回しかけて蒸します。蒸し時間は4~5分が目安。豚肉の色が変わるころには水菜も食べごろになっています。熱々にポン酢をかけていただきましょう!

より手軽に作りたいときは、お皿の時と同じように、直にフライパンに素材を広げ入れ、ごま油とすりごまをかけます。違うのは酒の分量だけ。蒸し器じゃないので、フライパンの中に蒸気となる水分を入れておく必要があるわけです。大さじ2~3ほどの酒を入れて蓋をして中火にかけ、沸いたら火を弱め、火が通るまで酒蒸しすれば完成です。道具が違えば少しは味が変わってきますが、それもまたおうちの味になってくれるんですよね。
今回の蒸籠蒸し1皿には、水菜100gに豚しゃぶ肉50g、酒とごま油、すりごまを小さじ1ずつ入れて作っています。フライパンで作ると水分が多い分くたっと、蒸し器だと比較的シャキッと仕上がります。すだちや柚子、橙といった柑橘類があれば、ギュッとしぼりかけたあとに醤油少々でも美味しいですよ。
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2018年11月10日
第47回 のむ、たたむ、のむ









2018年11月1日
11月の食材「自然薯」

すった分だけなめらかさアップ!
極上とろろかけご飯の美味しさ
ある料理雑誌の編集の方とお話したとき、「うちの調査結果だと、すり鉢って持っていない人も多いみたいで…」という話題になったことがあります。
「マジっすか?」と聞き直したあと、しばし絶句してしまったほど衝撃を受けた僕ですが、ここで声を大にして言いたい。和食作りにすり鉢は超便利なのだ!と。
すり鉢には、食材をする(下ごしらえ)、すったものと何かを混ぜる(調理)、そのまま食卓にドーンと出す(盛り付け)、という台所から食卓までの流れを一手に引き受けてくれる万能さがあるのです。
あと、個人的には、すり鉢とすりこ木でごろごろすっていると、ちょっとだけ心が休まるような気がして好きです。同じ作業の繰り返しなのですが、すりこ木から手に伝わる感触も「作っている!」という実感をもたせてくれるんですよね。

さて、今月の食材の「自然薯」、長芋とはひとあじ違う粘りと濃い味わいが楽しめるので、とろろかけご飯が最高に美味しいわけですが、テレビを見ながら、もしくはちょっとボヤっと考え事しながらでも手を動かし、それで美味しくなるんだからいいよなぁ、とすり鉢料理の優秀さをつくづく感じます。

11月くらいから全国で流通し始める自然薯は、最近では天然もの以外に栽培もさかんに行われているので、手に入りやすくなったと感じている人も多いのではないでしょうか。

自然薯の下処理としては、まず土を洗い落として、水気をふき取ってから直火でさっとあぶってひげ根を燃やしましょう。ひげ根だけはすり鉢でもつぶせないので、ここはポイントです。

ひげ根さえなくなれば、皮ごとでよいのですりおろします(気長にすり鉢に自然薯を当ててすりおろしてもいいですが、ものによって皮が残りやすくなるので、おろし金で一度すりおろし、後からすり鉢でするのがおすすめです)。

粘りが強いので分離しないよう少しずつ、だし汁と醤油、好みで溶き卵なんかも加え、ごろごろごろとすって仕上げます。

さあ、熱々のご飯の用意ができたら、すり鉢ごと食卓に。しぶめの食卓で絵になるのは間違いなし、言わずもがな、しみじみと美味しい!
うちでは、ごろごろすり係として娘を任命したりするのですが、食べるとき、「だしがきいてうまいねぇ」などと、作ったからこそ分かる味わい方をしていて面白かったりもします。
今回はとろろ大好きなうちの娘が自然薯をすっているところのワンカット。なかなか手つきも様になってきています。すった自然薯に加えるのは、自然薯250gに対して、だし汁100ml、醤油大さじ1、溶き卵1/2個分くらいが目安かと。醤油は普通の醬油でもいいですが、あれば淡い色合いの薄口醤油がおすすめです。好みで青のりやわさびを添えてどうぞ!
(c)冨田ただすけ
文・写真/冨田ただすけ
イラスト:(c) こやまこいこ / コルク
2018年10月10日
第46回 となりの伊藤さん







