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iittala/ Birds by Toikka Kiikkuri Red

スコープ20周年
キーックリ2020はレッド

僕がバードを試作する時、いつも二種類並行して進めちゃうのなんでだろ。特に決めてるわけでもないんだけど、バードはいつも2種類の試作を平行して進めます。例えばセカホシの撮影をしていた頃はキーックリ(ブルー)とメノーを試作していました。そして2020年のスコープ20周年バードに関しても Festive Kiwiと一緒に作っていたバードがあって、それは当然スコープ20周年バードとなり、そのような刻印《Oiva Toikka IITTALA SCOPE 20v 2020 ***/500》がされています。Festive Kiwiのような新作ではなく、色替えのバード、パウダーレッドを使ったクリア多用のキーックリ。Pampula Vase 290mm scope A型の延長線上にできましたキーックリでして、僕が好きになってしまったパウダーレッドとスカイブルー、クリアの配色を取り入れています。このキーックリにてオイバ・トイッカ本人によるチェック、修正をしてもらい、最終的にオイバからOKを貰ったバードというのは終了となります。そして今回のキーックリ、出来上がってみればガッシリ大きく立派なフォルムに仕上がっている。特に僕が希望したわけではないんだけど、なんだかこうなりました。シエッポから始まり、前回のキーックリまで、あれほど好みのフォルムに整えるためにパワーを注ぎ込んできたんだけれど、何故だかこのキーックリに関しては、特にそうすることをしなかったです。ただ職人の皆さんに任せてできてきて、不思議とそれでいいと思えたのです。今までは試作していても、違う違うの連続だったのに何故だろう。ある程度、職人の皆さんが僕の好みの感覚がつかんでくれたのか、それはお互いになのか。オイバ・トイッカがあれこれ細かくディテールを指示出しすることなく完成させていく、そんな流れが最後の最後、このキーックリで出来たような気がしました。これでキーックリは3配色目ですが、各々3種に違った個性が備わっていて単なる色替えでないのは面白い。初めて作ったキーックリはキーックリを作れるということだけで満足していたから1990年代に作られたキーックリの延長線上となった。次のキーックリは初期キーックリの匂いを存分に取り込みつつ、僕の好きなオイバ・トイッカらしい特徴的なフォルムに仕上げた。そして今回のキーックリは僕なりに過去キーックリ制作の道を再踏して出来上がった新種ということになるのだと思う。つまり、ナウなキーックリなのだ。

キーックリの色

このキーックリのボディは、そもそも赤い色のガラスを吹いて形作っているのではなく、クリアガラスの表面に赤いパウダーガラスを巻き付け、そのパウダーガラスが溶けてボディーを赤くしています。それもあってパウダーガラスを付ける量、膨らまし具合によって赤の濃淡は異なってきますし、全体に均一な赤ではなく、斑な赤になります。そこが良いと思っています。また頭のガラスはクリアですが、内側にボディの赤いパウダーガラスが1層ありますから、純粋にクリアではなく薄っすらとボディーの赤が含まれています。生産の順番で言いますと脚が出来てボディができる。そこに頭となるクリアガラスをボディへ付けます。そしてボディー側から空気をいれて頭を膨らませるわけです。ですから頭となるクリアガラスとそれを付けたボディのガラス、それが一緒に膨らんで頭となるので、頭の内側にも赤が薄っすらと広がるわけです。ですから頭部はクリアなんだけれど、尾や脚部のように純粋なクリアではなく、薄っすら色が入っています。その具合というのもボディの赤の具合と、頭の大きさ膨らみ具合によりますから千差万別です。このキーックリを作ってみて、思ってたより脚が太くて大きい物が多いのですが、それがなんかよかった。クリアのドッシリとした脚はなんかよかった。今回のキーックリもとてもよかった。ちなみに上の写真はフィンランドの商業新聞Kauppalehtiにイッタラ工場が大きく掲載された時の1ページなのですが、そこで生産されているのが此のキーックリだったのです。ただそれだけです。

箱のはなし

スコープ別注バード、特に最近のバードは段ボール箱に入って届きますから、綺麗なイッタラバードの化粧箱には入っていません。もっと綺麗な箱に入れて欲しい、木箱を作って欲しいという要望も聞こえてきまして、その気持ちもわかるのですが、それが難しいのです。まず定番バードが入っているような化粧箱に入れるのが難しい理由。それは僕が特に大きい作品を作りたがるからです。バードを作るにはサイズ制限が結構あります。それは結局、生産上の理由(炉のサイズが大きく影響する)も影響するのですが、箱のサイズというのも大きな理由なのです。ですから一番最初のキーックリは小振りでしたが化粧箱には入っていましたよね。試作を進めていくとサイズ的制約が結構な障害になるものですから、そこで箱は段ボール箱で良いということを伝えまして、サイズ的制限解除を行ったわけです。つまり箱を捨てて、中身の充実を自由度を高めたわけです。ですから段ボール箱に入っているバードというのは、今までにないようなサイズ感で出来上がっています。もう1つ、木箱を作って欲しいという案件ですが、木箱は高いんです。特にキーックリみたいな大きなバードが入る木箱を作れば、売価が大幅に上がってしまうのです。バードに関しては価格帯もある程度イメージがあって、そこに納めたい気持ちが強いのですが、別注は高めで余裕がない。なんとか価格を思うラインに納めたいと思うと、木箱を作る余裕なんて無いわけです。お届けした段ボールにスコープの緩衝紙とか張り込んで綺麗にしつつ補強するとかどうでしょ?

ブランド
iittala
デザイン
Oiva Toikka (オイバ・トイッカ)

商品スペック

材質
無鉛ガラス
寸法
約W350×D130×H300mm / 2000g
*個体差があります
生産
Made in Finland
備考
500個限定。シリアルナンバー入り。
刻印 : Oiva Toikka IITTALA SCOPE 20V 2020 ***/500