

1937年から木型を使った生産が始まりましたが、1957年から金型での生産が始まってからは木型での生産は少なくなり、現在では非常に珍しい存在となっています。金型に比べて木型の作品が高額になる理由は木型の消耗が激しいからです。金型はずっと使い続けられますが、木型は1つ吹く度に熱で燃え広がりますので、そんなに沢山は吹くことができません。小さな物でも1つの型で100個ぐらいまで、特に大きなモデルは10個未満と聞いたことがあります。また、木型を使って生産されるベースは主に大きな作品が多く、その大きな型の深い部分にまでガラスを均一に吹いて行き渡らせないといけませんから、職人には高度な技術が求められます。大きな物になればなるほど吹くのが難しく失敗も多くなります。また木型は生産の度にガラスの熱で燃え広がり変化していくので、激しい個体差が生まれます。金型と異なりアウトラインもバラバラです。1つの型で沢山は作れず、個体差も激しく、大きな作品が多いので失敗も多い。だから、どうしても高額となってしまうので生産されること自体が稀という流れにある木型のアアルトベースです。それでも木型が欲しくなるのです。木型で作られるアアルトベースは燃える型を写したかのような揺らぎある独特な表面となり、ハンドクラフトの魅力を存分に備えています。プロダクトというよりアート作品のようなもの、アアルトベースの原点は木型ですから。それぞれの個性(個体差)が最大の魅力、ぜひとも個別画像をじっくり見て、好みの一つを探してみてください。2021年頃から木型でのアアルトベース生産も少しづつ増えてきましたが、どれも在庫限りのアイテムばかり。もし再生産されたとしても値上がり激しいと思いますから、興味のあるモデルは早めに買っておいた方が良いです。