Arabia
Moomin
Original Work By Tove Jansson
1945年に誕生したムーミンの物語は、緑あふれるムーミン谷で自由に暮らす個性豊かな仲間たちを描き、今も世界中で愛されています。フィンランドを代表する陶磁器メーカーのアラビアが、カイ・フランクデザインのティーマにムーミンの絵を乗せたマグを発売したのは1990年。以来30年以上にわたり、マグを中心に100種を超えるムーミンアイテムが生まれ、現在はプレートやフィギュア、チルドレンセット、パーティーコレクションなどラインナップも広がっています。マグは大きく、時期を問わず買える定番マグと、数量・期間限定のマグに分かれます。定番も絵柄やキャラクターが変わることがあり、常に一定ではありません。ベースとなるティーマは変わらないので、新旧・定番と限定を混ぜて使っても違和感なく、他のティーマシリーズに加えれば食卓のアクセントにもなります。マグはコレクターズアイテムとしても人気で、廃番後に市場価格が高騰するビンテージ品も存在します。気になるアイテムがあれば、早めの入手がおすすめです。
ラインナップ
歴代アラビアムーミン季節限定マグ
マグの歴史とマグに使われている絵のストーリーについてざっとおさらいしてみましょう。
サマーマグ

2006
DIVE
2006年から始まった夏期限定サマーマグの記念すべき第1弾「ダイブ(Dive)」。爽やかなブルー系のストライプで表現された海に、しましまの水着姿のムーミンが飛び込むという、いかにも夏らしいスッキリした雰囲気。使われている絵は、コミックス『やっかいな冬』で、ムーミンが凍った海にダイブして頭をぶつけてしまう直前の場面。マグの反対側には、反転した同じ絵がプリントされています。2006年から2011年までは、ボーダーを背景にしたシリーズが続きます。2007年の「ドルフィンダイブ(Dolphin dive)」以外は、裏表が同じ絵の反転で、右手で持っても左手で持っても楽しめる使いやすいデザインです。

2007
Dolphin dive
2007年の「ドルフィンダイブ(Dolphin dive)」は、前年に引き続き青を基調としたボーダーに、ムーミンパパとムーミンママがイルカと戯れている絵柄。これはコミックス『おさびし島のご先祖さま』で、遊びに出かけた島から、懐かしいムーミン谷へ、イルカに連れ帰ってもらおうとしている場面です。サマーマグのなかではめずらしく、表裏反転ではない一枚絵のデザイン。コミックスでは、パパとママ、ミムラがイルカにつかまって同じ方向に向かっていますが、マグではパパの部分を反転、真ん中でイルカたちが顔を突き合わせて遊んでいるかのような配置になっています。

2008
On the beach
2008年のサマーマグ第3弾「オン ザ ビーチ(On the beach)」に抜擢されたのはスノークメイデン(スノークのおじょうさん。ノンノン、フローレンと同一キャラクター)。映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の原作にもなったコミックス『南の島へくりだそう』で、最新モードのビキニに身を包み、プールへ繰り出す場面が使われています。黄色とオレンジのボーダーが鮮やかで、持ち手部分にかかる白抜きの太陽がさらに夏気分をアップ。2006年、2007年のサマーマグとはがらっと雰囲気が変わったような印象を受けるものの、ボーダーの一部にブルーが残っているたため、コーディネートもバッチリ。裏表反転パターンですが、スノークメイデンご自慢の金のアンクレットは裏も表もちゃんと左足に描かれています。

2009
Siesta
2009年からの3年は、ボーダーシリーズですが、夏だけというよりも春先から長く使える雰囲気に変わりました。「シェスタ(Siesta)」の主役はムーミンパパ。のんびりと白樺にもたれかかり、休息を楽しんでいます。この元絵は、実はパパではなく、コミックス『ムーミン谷のきままな暮らし』に登場する息子のムーミン。パパのトレードマークであるシルクハットを描き加え、背後の木を白樺にアレンジしています。

2010
Rose garden
2010年の「ローズガーデン(Rose garden)」は、背景の赤×ピンクのボーダーとムーミンママのエプロンの赤×白のストライプが、華やかで優しい印象。庭いじりが大好きなムーミンママが花壇のバラにじょうろで水をかけている場面は、コミックス『黄金のしっぽ』からの引用です。片方の手にはママのトレードマークである黒いハンドバッグをしっかりと持っています。

2011
Soap bubbles
ボーダーシリーズの最後を飾る、2011年の「ソープバブル(Soap bubbles)」に登場しているのはリトルミイ(ちびのミイ)。ボーダーの配色が今までとは少し異なり、ミイのおだんご頭とよく似た赤味がかったオレンジ色がアクセントになっています。コミックス『ジャングルになったムーミン谷』で、カバと間違えられたムーミンたちが動物園の人たちとモメているのに、シャボン玉で遊ぶマイペースなミイ。でも、その後、動物学者の力を借りてムーミン族がカバではないことを証明し、ムーミンたちを動物園の檻から解放するという活躍をみせるのです。

2012
Primadonna's horse
2012年から2015年までの4年間は、ぱっと明るく、夏らしい黄色シリーズ。一見、4つとも印象が似ている感は否めませんが、どの組み合わせでもぴったりフィットするという使い勝手の良さはありました。また、ややマイナーなキャラクターが大きくフィーチャーされているのも特徴で、コアなムーミンファンなら押さえておきたいシリーズともいえるでしょう。2012年の「プリマドンナの馬(Primadonna's horse)」に登場する、花模様のムーミン谷の馬は、ムーミンファンの間では特に人気の高いキャラクター。小説『ムーミンパパ海へいく』には、神秘的で美しいうみうまにムーミントロールが魅了されるエピソードがあります。マグに使われているのは、コミックス『恋するムーミン』に登場するサーカスのヒロインの馬で、厳密には小説のうみうまとは別人。洪水から逃れてきたプリマドンナの馬と出会い、飼い主であるプリマドンナを助けに向かったムーミンは、プリマドンナの大人っぽい魅力の虜になってしまいます。

2013
Snorkmaiden and Poet
続く、2013年の「フローレンと詩人(Snorkmaiden and Poet)」では、今度はスノークメイデン(フローレン)がキザな詩人に夢中に! コミックス『ムーミン、海へいく』で、トゥーティッキ(おしゃまさん)と作った帆船で海へと漕ぎだしたムーミンたち。その船に隠れて乗り込んでいたのが、大げさな口調でムーミンたちを困惑させる詩人でした。彼はパパのウィスキーを飲み尽くしたり、ママが焼いたケーキを食べてしまったり、大迷惑な存在。しかし、スノークメイデンだけは、ロマンチックな詩を詠む詩人にうっとりです。マグではカットされていますが、このシーンの背後には怒った顔のムーミンが突っ立っています。

2014
Sailing with the Nibling & Tooticky
2014年の「クリップダッスとトゥーティッキの航海(Sailing with the Nibling & Tooticky)」の絵も、前年と同じ『ムーミン、海へ行く』から。自分勝手な詩人、なんでもかじってしまうクリップダッス(英語ではニブリング)、海賊たちに振りまわされ、てんやわんやのムーミンたち。海賊たちに占拠された船から脱出に成功し、ボートに乗ってほっと一息。クリップダッスやトゥーティッキと共に、ママが淹れたコーヒーを楽しんでいる場面です。

2015
Moment on the shore
黄色シリーズの締めくくりは、2015年の「浜辺のひととき(Moment on the shore)」。これは2012年と同じ、コミックス『恋するムーミン』のひとコマ。登場しているのは、プリマドンナのパートナーであるサーカスの曲芸師エメラルドです。いっときはプリマドンナを巡る恋のライバルとして張り合っていたムーミンとエメラルドですが、プリマドンナのわがままにうんざり。意気投合して、男チームで隠れて暮らし始めました。エメラルドはのんびりと太陽を見上げて草地に横になり、ムーミンは釣りを楽しんでいます。同じエピソード由来の2012年と2015年の相性がいいのは当然ですが、肝心のプリマドンナがマグに顔を見せていないのがおもしろいですね。
さて、ここまでのサマーマグには基本的に、ムーミン・コミックスからの絵が使われています。夏らしい爽やかな色合いと、ストーリー性の高い絵柄、キャラ単独のマグには起用されないようなちょっとマイナーなキャラクターたちの存在が、サマーマグの魅力といえるでしょう。ひと夏限りの単発デザインですが、ボーダーや黄色といったテーマごとに組み合わせてテーブルコーディネートが楽しめるのも、おすすめのポイントです。

2016
Midsummer
しかし、2016年、サマーマグの方向性が一変します。「ミッドサマー(Midsummer)」には、新しい点がいくつか。まず、通常のムーミンマグはベースに色が敷きつめられているのに対し、このマグの下側のベースはライトグリーンの草花で、上部に真っ白な余白があります。そして、キャラクターの線は黒ですが、花や草のアウトラインには赤が使われていて、繊細かつ軽やかな雰囲気をかもしだしています。また、サマーマグは2007年の「ドルフィンダイブ(Dolphin dive)」を除き、同じ絵を反転させたものが裏表に入っているのですが、このマグ以降はぐるりと一枚絵になりました(今後また変わる可能性はありますけれども、現時点では)。使われている絵も、コミックスではなく、小説『ムーミン谷の夏まつり』のもの。ウィンターマグには小説『ムーミン谷の冬』からの絵が多く登場していますが、サマーマグに小説の絵が使われるのは初めてのことです。夏まつりの伝統として伝わる夢占いをするため、9種類の花を摘むスノークメイデンとフィリフヨンカに、ミムラねえさんも加わって、まるで女子会のよう! 人気が高かったのも納得のかわいらしさです。

2017
Summer Theater
続く2017年の「サマーシアター(Summer Theater)」にもまた、驚かされました。ここから4年間、トーベ・ヤンソンの原画を生かした繊細なムードでいくのかな?と思いきや、大きくチェンジ。使われている絵は2016年と同じ、小説『ムーミン谷の夏まつり』のもので、ムーミンハウスが水没し、流れてきた劇場に移り住んだムーミンたちの様子が描かれています。衣装部屋のドレスに頬ずりするスノークメイデン、お芝居の脚本に取り組むムーミンパパとそっと差し入れをするムーミンママ、舞台に登場するライオン。そして、これだけはコミックスの絵ですが、紙を破って顔をのぞかせるリトルミイまでいるという、賑やかなデザインです。2016年の「ミッドサマー(Midsummer)」がたったひとつの場面なのに対して、「サマーシアター(Summer Theater)」には4つの場面が詰め込まれています。ベースは、劇場の舞台と背景の様子を緑、黄緑色、グレー、白で表現したもの。緞帳の赤と、マグのフチをぐるっと囲むライトのアクセントも効いています。盛夏だけでなく、年間を通して、食卓を明るくしてくれる楽しいマグです。

2018
Going on vacation
2018年の「バカンスへ行こう(Going on vacation)」は、コミックスの絵に逆戻り。絵柄は反転パターンではなく、一枚絵で、ピクニックに出かけようと準備をするムーミン一家とスノークメイデンが描かれています。これは、コミックス『おさびし島のご先祖さま』の冒頭からの引用で、ムーミンがコインを投げてオモテが出たので、ピクニックに出かけようとしている場面。ムーミンママはバスケットに食器や飲み物を詰め、ムーミンはパンケーキのフライパンを手に持ち、ムーミンパパは釣り竿と網を用意し、スノークメイデンは水着を選んでいます。ムーミンハウスの玄関とママの花壇、南国ふうにも見える木々を配し、噂話をするムーミン谷の住人たち、小さなボートを持ったお腹の白いねずみの姿も。トーベ・ヤンソンらしい花々などが細かく隅々にまで描き込まれ、密度の高いデザインですが、上部の木々の間には白い下地が残されていて、2016年にも通じる爽やかなヌケ感もあります。ムーミンハウスの玄関の階段は白×青のボーダーにも見え、ママのバラの花壇、赤×白のしましまの水着、謎キャラの服の黄色ボーダーなど、過去のサマーマグとリンクするような要素も盛り込まれています。

2019
Evening swim
2019年の「イブニングスイム(Evening swim)」のストーリーは、前年からの続きです。嵐の予報が出ているにもかかわらず、お出かけを強行したムーミン一家。一家を乗せて飛び立ったヘリコプターは、竜巻が接近中と知って、一行をおさびし島の樹上に置き去りにして飛び去ってしまいます。島に残されたムーミンたちは、沈みかかった海賊船からミムラやネコを救出。マグに使われているのは、海中の大きな石で作ったジャンプ台から、夕暮れの海へと飛び込んでいるところ。エプロンのままのムーミンママ、ムーミンパパとムーミン(どっちがどっちか判別するのは難しいですが)、洋服を脱ごうとしている後ろ姿はスノークメイデン、海から顔を出しているのはリトルミイではなくてミムラです。その後、島での生活に飽きてきた一行がムーミン谷に帰ろうとする、2007年の「ドルフィンダイブ(Dolphin dive)」へとつながっていきます。コミックスでは、この場面に太陽は描かれておらず、ママの向こう側に見える沈みかかった大きな黄色い太陽はデザイナーのトーベ・スロッテによるアレンジでしょう。

2020
Relaxing
2020年の「リラクシング(Relaxing)」は涼しげなグリーンの色調で、その名のとおり、のんびりリラックスしたいティータイムや一日の始まりにぴったりの爽やかなデザインです。絵柄は一枚絵で、ハンモックでくつろぐムーミンパパ、仲良くブランケットにくるまるムーミントロールとスノークメイデン、ふたりにりんごを差し出すムーミンママの姿が(スコープでは取り扱いがありませんが、サマープレートにはピッチャーにすっぽり入ったリトルミイも登場)。これはコミックス『ジャングルになったムーミン谷』(『ムーミン、海へいく』収録)から。ムーミン谷にとてもとても暑い夏が訪れ、流れ着いた熱帯のタネを植えるとムーミン谷がジャングルになってしまう!というお話です。明るい色味なのでお昼寝のように見えますが、原作では白夜で、ムーミントロールたちは暑さのあまり庭で寝ようとしています。ムーミンパパは優雅そうに見えて、実は「暑くてなにも考えられん」とぐったりしている場面なんですよ。

2021
Together
2021年の「トゥギャザー(Together)」は、『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』としてアニメ映画にもなったコミックス『南の島にくりだそう』がベースになっています。南の高級リゾート地へとバカンスに出かけたムーミンたち一行。ムーミンパパはボヘミアンに憧れる裕福なモンガガ侯爵と意気投合し、昼間からお酒を飲んだり、カードゲームに興じたり(マグには使われていませんが、パパのカードのお相手はモンガガ侯爵)。一方、豪華なホテル暮らしになじめないママとムーミントロールは浜辺のボートの下で自分たちらしい生活を始めました。実は『南の島にくりだそう』から採られた絵はムーミンパパと伏せられたボートぐらいのようで、小さなパンケーキがいっぺんに焼けるブリニフライパンを持ったムーミンママの絵も、焚き火の前に座ったムーミントロールも、頬杖をついて読書を楽しむスノークメイデンもその場面には見当たりません。デザイナーのトーベ・スロッテの手によって、一家がピクニックを楽しんでいるような場面へと一新。ビーチパラソル、ボートに掛けられた海水パンツなど、夏らしいアレンジも効いています。シマシマ水着とブリニフライパンは2018年「バカンスへ行こう(Going on vacation)」にも登場、さりげなくリンクしています。

2022
Fishing
海辺で魚をキャッチしようとしているムーミンたちが勢ぞろい! コミックスの3つのエピソードから抜き出した絵を巧みに組み合わせたデザインです。岩に腰掛けて釣り糸を垂らすスナフキンは『黄金のしっぽ』から。しっぽの先が金色になったムーミントロールが「雑誌のインタビューを受けるんだ!」と浮かれている横で、マイペースに釣りに興じています。小さな魚を釣り上げたムーミントロールは『ムーミン、海へいく』で、元絵は海辺ではなく、船上の場面。ガールフレンドのスノークメイデン(スノークのおじょうさん)が勝手に船に乗り込んだキザで迷惑な詩人に夢中になっているとも知らず、呑気に釣りをしています。残る2つのカットは『ムーミンパパの灯台守』から。スノークメイデンとトゥーティッキは、暴風雨の翌日、岩のくぼみに取り残された魚を獲っているところ。おもしろいのはボートの上のムーミンパパとムーミンママで、コミックスではパパのボートが壊れてしまい、灯台の島の漁師の船に乗せてもらっているのですが、マグでは漁師の姿が消され、代わりにママが描き込まれています。

2023
Garden party
コミックス『ジャングルになったムーミン谷』で、猛暑に見舞われたムーミン谷。リトルミイは海で熱帯植物のタネの詰まった箱を見つけます。ムーミンママがタネをまくと、あっと言う間に芽吹いて、ムーミン谷がジャングル状態に! イタズラ好きのスティンキーは「どうせなら野生動物だらけにしてやろう」と動物園のトラやサル、大蛇などを次々と放ってしまいます。自由になったトラは「おいしそうな匂い!」とムーミンたちを狙いますが、水あび小屋の桟橋に仕掛けられた罠にまんまとハマって海に落ち、獲物だったはずのムーミンたちから助けられるハメに。暴れん坊のサイもムーミンやしきのベランダに角が刺さってにっちもさっちもいかなくなったところをムーミンパパに救出してもらってすっかりおとなしくなり、みんなで仲良くお茶の時間を楽しんでいます。

2024
Berry Season
労働だって遊びに変えて何でも楽しんでしまう、そんなムーミン一家の精神が伝わってくる陽気な絵柄。ムーミンママはコミックス『ムーミン谷のきままな暮らし』で、働かなくてはとの義務感にかられ、すでにたくさんのジャムが積み上がっているのにさらにジャムを作っているところ。リトルミイはベリーの木を揺らして、熟した実を収穫中。その他の絵は『ふしぎなごっこ遊び』から。ムーミンやしきにやってきたお手伝いさんのミーサを笑顔にしようと、刻んだリンゴとイーストを入れた樽に蓋を打ちつけるムーミンパパ。ムーミントロールとスノークメイデンはバスタブに入れたスグリの実を足で踏んでつぶしています。

2025
Beach Day
オシャレなバスケットを手に浜辺へと向かうスノークメイデン、かがみ込んで貝殻を拾おうとしているムーミントロール、コーヒーポットを持ったムーミンママ、ひと泳ぎしてタオルにくるまったムーミンパパ。ピクニックシートにおやつを並べ、海辺のひとときを思い思いに楽しむ様子が描かれています。ゲストはコミックス『イチジク茂みのへっぽこ博士』に出てくるボタンコレクターのクロットユールです。
ウィンターマグ


1997-2002
Christmas greeting
2006年から毎年リリースされるようになったウィンターマグですが、最初に出たのは「クリスマスグリーティング(Christmas greeting)」。1997年から2002年にわたって販売されました。スノークメイデン(スノークのおじょうさん。ノンノン、フローレンと同一キャラクター)とソリに乗るミムラねえさんの部分はコミックス『やっかいな冬』の一場面です。


1999-2000
Millennium
2000年問題などで盛り上がった世紀の変わり目、1999年から2000年にだけ販売された「ミレニアム(Millennium)」は冬とは無関係のコミックス『ムーミン、海へいく』や絵本『さびしがりやのクニット』の絵に2000年の旗や冬景色が描き加えられています。


2004-2005
Christmas mug
2004年と2005年の2年は薄めのブルーとどーんと描かれたツリーが人気だった「クリスマスツリー(Christmas mug)」。降りしきる雪にむかって両手を広げるムーミントロールの絵は小説『ムーミン谷の冬』から。ツリーはユニセフのチャリティーポストカード、プレゼントを持ったフィリフヨンカ、ムーミンパパとムーミンママはソングブックの絵をアレンジしたものですが、正体不明のクリスマスさんに振りまわされる短編小説「もみの木」のストーリーに沿って絵柄が組み合わせられています。


2018
Light snowfall
「ライトスノーフォール(Light snowfall)」はウィンターマグではお初の表と裏が同じ絵の反転パターン。『ムーミン谷の冬』の後半、生まれて初めて空から降る雪を見たムーミントロールが、両手を広げて空を見上げている場面が使われています。白黒スクラッチ画法の挿絵をブルーグレーにアレンジ、水あび小屋のステンドグラスの赤がアクセントになっています。


2019
Crown snow-load
「クラウンスノーロード(Crown snow-load)」は、小説『ムーミン谷の冬』の挿絵がいくつか組み合わせられています。冬眠から目覚めてしまったムーミントロールが思いきって外の世界に一歩踏み出し、真っ白な樹氷を見上げる場面。木に積もった雪がクラウンスノーロード=樹冠積雪という現象です。反対側には、ミムラねえさんとぬくぬくと眠っていたところを、おっちょこちょいな子りすに起こされてしまったリトルミイ。子りすが洞穴を覗く挿絵には実はミイの姿はなく、ちょこんと座るミイは同作のもっと後の場面から描き加えられました。ムーミントロールの後ろには小さなクニット(はい虫)。ピンク色で表現された地面のような箇所には、岩の上に設置された航路標識があり、そこが大地ではなく凍りついた海であることがわかります。空には雪景色を明るく照らす満月、雪の上に残された足跡が点々とマグ全体を横切っています。


2020
Snow blizzard
「スノーブリザード(Snow blizzard)」には、きゅーっと顔をしかめながらも激しく吹きつける雪嵐に立ち向かうムーミントロールの姿が描かれています。これは小説『ムーミン谷の冬』後半の一場面。冬の厳しさを表現しているかのように見えて、雪解けまであと少し、肩の力を抜いて風に身を委ねてみたら、まるで空を飛んでいるような軽やかな気持ちになった、そんな明るい場面です。マグの両面にはスクラッチ技法による挿絵がそのまま裏表反転で使われています。単色に思えるのですが、よく見ると濃いめのブルーネイビーと薄めのブルーグレーの2色づかい。地面近くはグレー、ムーミントロールのまわりを囲んでいるのはネイビー、そして持ち手の反対側の雪は2色を交互に組み合わせることによってリズムと深みを生み出しています。
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2021
Snow moonlight
ブルーグレーのベースに線画が乗るというパターンに戻った「スノームーンライト(Snow moonlight)」。沈みかかる月、背景を埋める黒い線が、強い寒さを表しているかのようです。アクセントになっているのは、月とムーミントロールのガウン、トゥーティッキの髪の黄色。後ろ姿ですが、リトルミイもいます。マグの反対側には、冬空を照らす丸い月と、雪の重みでたわんだ木。これは物語の冒頭の挿絵で、ふたつのシーンが巧みに組み合わせられています。寒さに身を縮めた三人は、氷姫を見て凍ってしまった子りすを背に乗せた雪のうまが走り去っていくのを見守っています。木の下から凍った海へと続く地面をよく見ると、小さな足跡が。ムーミントロールのガウンは原作では青で、お葬式の寒さをしのぐために着たもの。元絵のムーミントロールの顔に入っている影のような線はマグでは省かれ、心なしか明るい表情にアレンジされています。お葬式の場面と思うとちょっと驚いてしまいますが、物語の最後には、もしかしたら子りすは生きていたのかも!?と思わせる、ほっとするようなエピローグが用意されています。
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コミックス『やっかいな冬』の絵を使ったコミカルな4部作。2022と2023はピンク、2024と2025はブルーが基調です。「ウィンターワンダーズ(Winter Wonders)」はムーミン一家がスケートに挑戦している場面とアンダーウェア姿で寒中水泳しようとするブリスク&見守るミムラ、「スライディング(Sliding)」はムーミンやしきの窓から積もった雪にダイブするムーミンパパ、スキーで滑り降りるムーミントロール、ブリスクとセイウチのエドヴァルドの一騎討ちの場面が組み合わせられています。「スキージャンピング(Ski Jumping)」はゼッケンをつけて急なスロープから大空にジャンプするムーミントロールと、それを見守っているかのようなスノークのおじょうさんとミムラ、反対側には優勝者を讃えて走り出すムーミン谷の住人たちの姿が。
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