

Arabia / Moomin アルファベットコレクションマグ 0.4L
ムーミン アラビア ムーミンアルファベットコレクション
ムーミンアルファベットコレクション、ついに英語の26文字が揃いました! ずらりと並べるとまさに圧巻。メインの26人(24人+2組)+裏面にはサブキャラクターもたくさんいて、どれも欲しくなってしまいます。主人公のムーミントロール、ムーミンママ、ムーミンパパ、スナフキンやリトルミイといった人気キャラクターは複数のマグに登場していますから、好きなキャラクターをピックアップしてみるのもいいですね。意外に出番の多かったスノークのおじょうさんは、表情や動きがとてもキュートなので、ぜひ注目してみてください。名前のイニシャルを選んだり、好きな英単語を作ったり、原作ストーリーごとに集めたり、色味で揃えたりと、さまざまな楽しみ方ができます。このシリーズと通常のアラビアムーミンマグとのいちばんの違いはサイズ。フォルムはカイ・フランクのティーマのままですが、300ml(実容量約280ml)よりひとまわり大きい400ml(実容量約380ml)で、コーヒーや紅茶だけでなく、スープやカフェオレをたっぷり飲みたいときにもぴったり。大きめのマグに文字とキャラクターがどーんと配置されているのでどれが誰の使っているマグか一目でわかり、myマグへの愛着が深まります。ベースや差し色はキャンディみたいな明るく優しいニュアンスカラーで、文字と絵の線も真っ黒ではなくトーベ・ヤンソンの筆致を生かしたようなにじみのある柔らかな紺や茶色。正面はすっきりした印象ですから食卓がごちゃごちゃしすぎず、それでいて反対側には複数のキャラクターや小物、場面が描かれていてシンプルすぎもせず、使うたびに新鮮な楽しさを覚えます。マグごとに同じ原作からの絵柄がチョイスされているものがほとんどなのですが、出典の異なる絵をセットにしてもまったく違和感がなく、むしろストーリーの広がりを感じさせるところがさすがとしか言いようがありません。30年近くの長きにわたりアラビアムーミンマグのデザインを手がけてきたスロッテが引退した後も、定番ティーマにムーミンの世界観を大切した絵を乗せるという伝統はしっかりと受け継がれています。 また、2022年のABCマグ同様、読むことと書くことの楽しさを広めるムーミン・キャラクターズ社の取り組み「ムーミンと読み書き(Reading,Writing and the Moomins)」×アラビアのコラボレーションである点も特別なポイントです。

さらに、ABCの特別なバックスタンプに、それぞれアルファベットとキャラクターの絵まで入っているのもコレクターにはたまりません。マグの取っ手にゴムで添えられている小さなタグには、通常マグの場合はキャラクターの紹介文が入っていますが、アルファベットマグは「To:」「From:」とギフトカードとして使うことができるようになっています。ぜひ下の画像をクリックして絵柄の詳しい紹介をお読みのうえ、組み合わせを楽しんでみてください。

E
ポジティブでご自愛上手なミムラ(小説ではミムラねえさん)ですが、恋をするとちょっと事情が変わります。コミックス『やっかいな冬』で、冬のムーミン谷にスポーツマンのブリスクがやってきます。このブリスクさん、2022年の冬マグ「ウィンターワンダーズ(Winter Wonders)」にも登場、アンダーウェア一丁で凍った海に寒中水泳のための穴を開け、「いっしょにどう?」とミムラに話しかける姿が描かれていました。アルファベットコレクションに使われているのはその次のコマで、ブリスクはいそいそと冷たい海へ飛び込もうとしています。不安げな表情だったミムラは泳ぐブリスクを見て「なんてたくましいの!」と頬を赤らめ、恋に落ちてしまった様子。ブリスクを眺めているムーミントロールは、原画ではそんなミムラを見ているコマのものです。スキーにスケート、カイトと、次々とスポーツを勧めてくるブリスクにムーミン一家はうんざりですが、ミムラはすっかり夢中。今日も彼に会える!と晴れやかな笑みを浮かべて窓から顔を出した場面がEの文字と組み合わせられています。このマグが傍らにあれば、明るい気分で一日を過ごせそうですね。

H
気が弱くてキラキラしたものに目がないスニフは、ムーミントロールの友だち。コミックスでは、案外ちゃっかり屋さんで商魂たくましいところも描かれています。マグに使われているのはLと同じコミックス『ムーミン谷への遠い道のり』からの絵で、腰を下ろしたスニフがベリーらしき実を紐に通してネックレスのようなものを作っている場面です。原画でも隣にはお腹の白いねずみがいますが、マグでは別のコマと組み合わせられ、お腹の白いねずみといとこのソフスがスニフを挟んで話をしているように見えます。反対側にはムーミントロールとムーミンママ、ムーミンパパ。嵐の海で見つけた木箱を「ウィスキーかお宝か?」とワクワクしながら開けると、中から飛び出したのは悪口雑言たち! どうやら悪態をつくのをやめた水夫たちが箱に詰めて捨てたものだったようです。ママはホウキで悪口雑言たちを集め、パパの思いつきでおばさんに送りつけることにしました(その後の展開はPのマグに続きます)。スナフキンは耳をふさいで、テントに逃げ帰ろうとしています。キャラクターの登場人数が多く、楽しい気分になれそうなマグですね。

L
おっとりおおらかなムーミンママ。Lの文字に腰かけて編み物をしています。これはHと同じコミックス『ムーミン谷への遠い道のり』から。コロコロと転がる毛糸はマンガのコマを仕切る線として描かれたものです。実はこのエピソード、なかなかの衝撃作。家族も友だちも家もお金もなくしたムーミントロールは、絶望のあまり海に沈もうとします。そこにたまたまボートで通りがかり、手を差し伸べたのがムーミンママとムーミンパパ。ムーミントロールを家に連れて帰り、ママが温かい飲み物の入ったマグを差し出すと、子ども時代の記憶が甦って、一家は感動の再会を果たします。ところが、家族揃っての暮しが始まったものの、退屈したパパはママをつれて家出(!)。またしてもひとりぼっちになってしまったムーミントロールは、黒いねずみのソフスたちの助けを得ながら、パパとママを探します。スナフキン、ムーミントロール、スノークのおじょうさん、ソフスの側は、パパとママの暮らす洞窟の明かりを発見した場面。義務や束縛を嫌うムーミンパパでしたが、最後はみんなで居心地のいい我が家へ……。終わりよければすべてよし、そんな楽観的な気持ちになれそうなお話です。

M
いつもいっしょの小さな仲良しふたり組、トフスランとビフスラン。トーベ・ヤンソンが自分と女性の恋人ヴィヴィカをモデルにして生み出したキャラクターです。ムーミンの最初のコミック作品『ムーミントロールと地球の終わり』と絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』、小説『たのしいムーミン一家』にしか登場しないため、絵の数が多くはないのですが、小説から選ばれたこの場面、実は原画ではMの部分に泣いているムーミントロールがいます。秋になってスナフキンが南へと旅立ってしまい、しょんぼりしていたムーミントロール。ムーミンやしきの階段で寄り添って日向ぼっこをしていたふたりは、そんなムーミントロールに優しく話しかけます。足元には裁判のときにふたりが種を飛ばしていたさくらんぼ、帽子をかぶったトフスランの左側には大事な宝物の入ったスーツケースもちゃんと添えられています。反対側は、トフスランとビフスランがムーミン谷にやってきたばかりのシーン。自分たちだけに通じる不思議な言葉で話すふたりの会話をいち早く理解したヘムレンさんがミルクのお皿を差し出します。今回発売の6種のなかでは唯一、小説の絵が使われた、ファンの心をくすぐる一品です。

O
好奇心旺盛で、ちょっぴりおセンチな一面もあるムーミントロール。Oの文字をくぐり抜けているような絵は、コミックス『彗星がふってくる日』から。風がやみ、じっとりと不気味な空気に包まれたムーミン谷。ニョロニョロの群れが逃げるように移動するのを見て、みんな不安にかられて安全な場所を探そうとします。真っ暗な空に現れた大きな星が日に日に近づき、ムーミンたちは異変の原因は彗星の接近にあると知りました。干上がってしまった海を探検していると、いつもは海の底にあって誰も入ったことがないような洞窟を発見。のぞき込もうとしている姿がOの文字と組み合わせられています。反対側にいるのは、魚収集家のヘムル。コレクションに加える幻の大ナマズ(英語版ではSCREAMING SHRIMP)を探しているのに、魚がいなくなってしまって困り顔。網に大物がかかった!と思ったら、それはムーミントロールでした。魚のことしか眼中にないヘムルに、リトルミイは「大ナマズ(絶叫するエビ)はあんたでしょ」とズバリ。明るめのイエローは、シャキッとしたい朝にもヒントが欲しい仕事中にものんびり気分転換したいときにもぴったりです。

V
Vの文字からひょっこりと顔を出しているのは、帽子の代わりに鍋をかぶったクロットユール。その容姿は小説『ムーミンパパの思い出』に出てくるムーミンパパの旧友でスニフのお父さん、ロッドユールとそっくりです。実はフィンランド語ではロッドユール(父)もクロットユール(子)もどちらもHosuliで、ロッドユールマグ(廃番)の後ろ姿もクロットユールのものでした。クロットユールはコミックス『イチジク茂みのへっぽこ博士』に登場。ボタンや貝殻のコレクターで、マグの絵の足元にも小さなボタンや貝があしらわれています。おっちょこちょいでシャイなクロットユールはミムラに恋心を抱きますが、うまくアプローチすることができません。自信をつけさせようと、ムーミントロールが呼び寄せたのが精神科医のシュリュンケル博士。ところが、ミムラは博士に興味を持ってしまい、彼の気を引こうと頭に花を挿して「わたしは花瓶!」と言い出します。博士はムーミン一家とミムラを悪性の伝染病だと診断、檻に閉じこめてしまいました。クロットユールは彼らを助けるためにダイナマイト入りの小槌を振り上げているという、なかなかユニークな場面が描かれた、個性をさりげなくアピールできそうなマグです。

F
さわやかなブルーに、小説『ムーミン谷の冬』の名場面が惜しみなく配置されたF。アルファベットとセットになっているメインキャラクターは冬のヘムレンさんです。ムーミンのお話には何人ものヘムル族のヘムレンさんが出てくるのですが、なかでもよく知られているのはレギュラーマグでおなじみの植物収集家のヘムレンさんと、2004-2016年に販売されていた昆虫収集家のヘムレンさん。冬のヘムレンさんは冬マグ( 2007年「スノーランタン」と 2009年「クリスマスサプライズ」)に登場していた人物で、ホルンを吹き鳴らしながら、雪に閉ざされたムーミン谷へとやってきます。陽気で前向き、強引でマイペース、そしてスキーと寒中水泳が大好き。うれしそうな表情でヘムレンさんの後ろにいるのは、危機一髪のところを助けられて、いっしょに旅に出ることになる犬のめそめそ。中央には、スキーを勧められておっかなびっくりのムーミントロール。トゥーティッキはすばらしいしっぽのりすに冬の危険を知らせているところです。左端には、あまりの寒さに食べものに困って走り回っているフィリフヨンカの姿も。冬の絵柄ではありますが、暑い時期に使えば涼を運んできてくれるかもしれません。

Y
スイートなピンク色のYには、コミックス『おかしなお客さん』のクリップダッス。キュートな姿で人気ですが、見た目に反してやっかいなキャラクターです。小説『ムーミンパパの思い出』のニブリング(英語名)とコミックスのクリップダッス(スウェーデン語名)は同じ種族。小説では何でも噛んだりかじったりする設定で「ジャーニー」にちらりとシルエットで登場しています。Yのクリップダッスは、2014年の夏マグ「クリップダッスとトゥーティッキの航海」 とはまた別人です。その冬、次々にお客さんが訪れて、冬眠をやめることにしたムーミン一家。郵便屋さんが雪をかきわけて届けてくれた小包を開けると、中にはなんとイタズラっ子のクリップダッスが! 2009年の冬マグ「クリスマスサプライズ」は小包を返そうとムーミントロールが雪に飛び下りたところですが、間に合わず、しぶしぶいっしょに暮らすことに。ネグリジェ姿のスノークのおじょうさんが困り顔なのは、隠しておいたラブレターを読み上げられてしまったから。ムーミントロールも部屋で衣装をつけて一人芝居をしていた秘密をバラされないかと、渋い顔をしています。散りばめられた小物にもちゃんと意味があって、原作を知ると味わい倍増のデザインです。

A
きれいな前髪がご自慢で、おしゃれ大好きなスノークのおじょうさん。ボーイフレンドのムーミントロールとは小説『ムーミン谷の彗星』で出会いました。ムーミン谷に彗星が近づき、その正体を確かめるため、ムーミントロールとスニフは天文台へ。途中、川岸にテントを張っていたスナフキンと知り合って3人で旅を続けます。崖っぷちでスノークのおじょうさんが落とした金の足輪を拾ったムーミントロールは、アンゴスツーラという恐ろしい食肉植物から彼女を救出、足輪を差し出します。おじょうさんは大喜び、さっそく左足にはめると、体をくねらせて自分の姿を見ようとしました。挿絵では髪に花は挿していませんが、マグでは別の場面でムーミントロールが贈った花が描き加えられています。Aの文字の横には、物語の冒頭、スニフが海岸で出会って、旅の間もずっと気にかけていた子ネコの姿が。反対側は、ムーミン谷をめざす一行が野外ダンス場でひとときの安らぎを得る場面で、スニフと小さなはい虫、羽虫のペアがダンスを楽しんでいます。赤いワンピースの人物は髪に水草を飾った沼のおくさん。目を閉じているのはムーミントロールではなく、おじょうさんの兄スノークです。マグには使われていませんが、もちろんムーミントロールとスノークのおじょうさんも仲良く踊っていますよ。

I
Iの文字から覗いているのは、Fと同じくヘムル族の一員で、コミックスのみに登場する署長さん。2009-2020年の署長さん(The Inspector)と同一人物で、ムーミン谷の治安を守り、バラを育てたり、警察署を楽しげに飾ったりするのが趣味の心優しい青年です。マグに使われているのは、Vのクロットユールと同じコミックス『イチジク茂みのへっぽこ博士』。クロットユールのためにムーミントロールが呼び寄せた精神科医シュリュンケル博士の診断を受けて、ムーミン谷のみんながおかしな行動をとりはじめました。博士から妙なことを吹き込まれた署長さんはスパイに狙われていると思い込み、花を摘むムーミントロールの様子を伺いながら、「バラなんて育てたこともない!」と言い出す始末。このとき署長さんの隠れていた木が、マグではIの文字にアレンジされています。その横には、本当は署長さんが大好きなバラの花。几帳面なフィリフヨンカは掃除も身繕いもせず、太陽が照っているのに傘を差して「ひどい雨ですね」なんて言っています。驚いたように両手を広げた黒いねずみのソフスとムーミンママは同作の別のコマからの組み合わせ。ⅤとIはまったく同じ色ではありませんが、どちらもグリーンなので、セット使いでストーリー展開を楽しむのもオススメです。

N
Nの間から黒くて細長い鼻を突き出しているモラン。冷気を放っていて、触れたものを凍りつかせてしまうため、ムーミン谷のみんなから恐れられる存在です。でも、本人はあたたかな光に引きつけられているだけで、ひどい悪さをするわけではありません。レギュラーマグのモランとは少しフォルムが異なりますが、これはコミックス第1話『ひとりぼっちのムーミン』に出てくるモランです。このエピソードでは、ムーミントロールはなぜかムーミンやしきで独り暮らしをしており、さみしさから友達や親戚を大勢招いて、世話に追われててんやわんや。お客さんたちに円満にお帰りいただこうと悪臭を放つスティンキーを呼ぶと、彼は屋根や家具をかじってボロボロにしてしまいました。家を建て直すための費用を稼ぐため、スニフは怪しげな調合で若返りの薬を作ります。ボトルをよく見ると、elixir of life(不老長寿の秘薬)と書いてありますね。その薬には若返り効果はなかったものの、生きものの姿を変えてしまう不思議な力がありました。試しに小さなミフサにかけてみると、なんとモランに変身! 驚いたスニフは腰を抜かして後ずさっています。コミックスではひとつのコマですが、マグではモランとムーミントロールの間に驚いたようにコップを落とすお腹の白いねずみ(ソフスのいとこ)の姿が追加されています。

D
満を持して、日本では特に人気の高いスナフキンの登場です。ムーミントロールとリトルミイもいるのがうれしい限り。現在のスナフキンマグは緑ですが、2002-2014年の初代スナフキンマグを思わせるブルーのベースカラーも魅力ですね。使われているのはコミックス『ムーミン谷のきままな暮らし』。春が来て、スナフキンの帰りが待ちきれないムーミントロールは、パイプの吸殻の匂いや花輪から落ちた花びらなどをたどって、スナフキンを捜します。花を手にしたムーミントロールと、そのしっぽをつかみながら歩くリトルミイは、そんな冒頭の場面。スナフキンも心得たもので、ムーミンたちが見つけてくれるのを木の上で待っていました。無事に再会したのも束の間、ムーミン谷に正しい市民の会メンバーを名乗る男が現れて、労働も義務もまっぴらごめんのスナフキンは慌てて逃げ出します。慣れない仕事に右往左往のムーミンたちを横目に、スナフキンは気の向くまま、小舟を彫ったり、釣りをしたり。貝殻集めが好きなムーミントロールはそれを仕事すれば一挙両得だと思いつきますが、スナフキンは「仕事にするということは、楽しみを失うということだ」なんて呟きながら貝殻を耳に押し当てています。足元にあしらわれた貝殻、空に浮かぶ雲、ムーミンの世界観をぎゅっと凝縮したようなデザインです。

R
コミックス『ふしぎなごっこ遊び』で、3人の子どもたちを連れてムーミンやしきのお隣に引っ越してきたフィリフヨンカ。レギュラーマグでもお掃除に精を出しています。きれい好きで家事のプロを自認する彼女は、ムーミンやしきの応接間に大木が生えていたり、洗っていない食器がベッドの下に隠してあったりするのを見てびっくり仰天。お手伝いさんを雇うよう、ムーミンママに勧めます。たくさんの応募のなかからたまたま選ばれたのが、怖がりやのミーサでした。反対側には、ミーサ歓迎パーティーを開こうと、大掃除を始めるムーミンママとムーミンパパ。本末転倒で一生懸命なふたりを、3人の子どもたちが驚いたように見上げています。実は、このアルファベットマグと初代フィリフヨンカマグは同じ絵が使われているのですが、Rの存在と色味の差でかなり雰囲気が異なりますね。また、アルファベットマグのなかでこれだけちょっと違うような?と思ったら、主線が他のものは紺色なのに対して、Rはブラウン系。ベースの黄色と、真っ赤ではなく薄めの赤で表現されたワンピースと相まって、やわらかな印象を受けます。線の色が違うといっても他の文字と組み合わせて違和感があるわけではなく、むしろいいアクセントになるのではないでしょうか。

S
ホウキを持った人物は小説『ムーミン谷の夏まつり』のエンマ。洪水でムーミンやしきが水没してしまい、ムーミン一家と友人たちは流れてきた大きな家に移り住みます。それは実は家ではなく劇場で、劇場主のエンマが独りで暮らしていました。お芝居のことも劇場のことも何も知らないムーミンたちにエンマは呆れ顔です。ある晩、劇場は森に流れ着き、ムーミントロールとスノークのおじょうさんは気分転換のために大きな木の上で眠ることにしました。ところが、夜中のうちにエンマがもやいづなを投げ捨ててしまったため、劇場が再び水に漂い出して、ムーミンたちは取り残されるはめに。さらに、リトルミイも床下の穴をのぞき込んで水に落っこちてしまいます。お芝居を上演して話題になれば家族が再会できるのではと、ムーミンパパは台本の執筆に着手。その場面を切り取ったのが2017年の夏マグ「サマーシアター」です。お芝居の題名は「悲劇 ライオンの花よめたち」。ヒロインのひとりに扮したミムラねえさんがライオンから走って逃げています。レギュラーのミムラマグも、そのお芝居の衣装姿。ピンク色つながりもあり、大小ミムラマグを同時に食卓に並べてみるのも一興かもしれません。

C
海のようなブルーを背に、Cの文字にもたれかかってナイフで木のボートを作っているのはムーミン一家の友人トゥーティッキ。原作者トーベのパートナー、トゥーリッキをモデルにしたキャラクターで、赤白しましまセーターとぽんぽんのついた青い帽子がトレードマークです。2007年の冬マグ「スノーランタン」などに使われている小説『ムーミン谷の冬』でおなじみですが、このマグに使われているのは2014年の夏マグ「クリップダッスとトゥーティッキの航海」と同じコミックス『ムーミン、海へ行く』です。ミニチュアの船を手にしていますが、みんなを乗せている大きな船も手先の器用なトゥーティッキが率先して造り上げました。かごみたいなロープに入り込んだクリップダッス(英語名はニブリング)は、別の子がYにも登場していた人気キャラクターで、なんでもかじってしまうイタズラっ子です。反対側には、帽子に金モールをつけて船長気分で操縦桿を握るムーミンパパ。よく見るとパパの体にロープがからまっています。これは高波を乗り切るため、自分の重みで船を操ろうと舵に縛りつけてもらった場面。冒険小説ではうまくいく手段らしいのですが、逆さまにひっくり返ってしまい、慌ててロープを解くことに。空を舞う海鳥、ムーミンのしっぽみたいなロープなど、冒険気分を盛り上げる細かな演出にもご注目ください。

J
赤いリボンとワンピース、顔の見えない女の子ニンニ。『ムーミン谷の仲間たち』収録の短編「目に見えない子」にしか登場しないにもかかわらず、定番マグに起用されるほどディープなファンの多いキャラクターです。おばさんに皮肉を言われ続け、一時はまったく姿が見えなくなってしまって、トゥーティッキがムーミンやしきに連れてきました。そんなニンニにムーミンママは赤いショールでワンピースを縫い、残った布で大きなリボンも作ってあげます。マグの反対側には、赤い布を手にしたムーミンママ。ニンニの服をこしらえているようにしか見えませんが、実はまったく無関係な別の小説『ムーミンパパ海へいく』の一場面です。一家で灯台の島に移り住んだものの、ムーミン谷が恋しくなったムーミンママは自分の描いた絵のなかに入り込んで眠ってしまいます。ママを見失って焦るムーミントロールとパパ。ところが、ふと見ると灯台の窓に光が灯り、ママが何食わぬ顔で座ってタオルを繕っていました。灯台守の帽子をかぶったパパの表情が心配そうなのは、ママがどこにいたのかと案じているから。食べ物の少ない灯台ではテーブルの上にはローソクぐらいしか載っていませんが、りんごを描き加えることによってニンニのお話とのリンクが強調されています。ムーミン一家の優しさに触れたニンニは少しずつ姿を取り戻し、後は顔を取り戻すだけ。灯台の島でママの姿が見えなくなった出来事とのつながりを思うと、組み合わせの妙を感じます。

K
大きなKの文字に対して、ちょこんと小さなリトルミイ(日本語の訳名はちびのミイ)。体は小さいけれど、ガッツがあり、自分の気持ちをはっきり知っていて、行動に移すことをためらいません。D、O、Sのマグにも姿を見せていましたが、Kで正面に起用されました。使われているのは、リトルミイがコミックスに初登場するエピソード『家をたてよう』。ミムラ(ミムラねえさん)が滞在中のムーミンやしきにやってきたママミムラ(ミムラ夫人)は騒がしい子どもたちを大勢連れていました。その数、なんと17人! なかでも張り切っているのがリトルミイで、ムーミントロールのベッドに潜り込み、足にかみつきます。ムーミントロールが怒っても、「かみたいからかむだけさ!」と悪びれない様子。かわいそうなムーミントロールはナイトキャップにパジャマ姿で、痛む足を確認しています。ミムラはそれより前の場面で、玄関口に立つ母とたくさんの妹弟たちを迎えて、「またこんなに増えたの?」と驚いている絵が組み合わせられました。夜のシーンではありますが、優しいオレンジ色は一日の始まりにも合いそう。ミムラはEやVにもSのマグにもいますので、ぜひ見比べてみてください。

P
Pの間から顔を出すオシャレなご婦人はジェーンおばさん。コミックス『ムーミン谷への遠い道のり』に出てくるムーミンパパのおばさんです。小説『ムーミンパパの思い出』では、パパはみなし子ホームに捨てられていたと自ら語っていて、ジェーンおばさんと見た目そっくりな別キャラのヘムレンさんが登場。パパとおばさんがどのようなつながりなのかわかりませんが、おばさんはパパを「甥っ子」と呼んでいます。お金持ちで偉ぶったおばさんのことがパパはあまり得意ではありませんでした。ムーミンママがホウキで集めた悪口雑言たち(H参照)を送りつけられたおばさんは、カンカンに怒ってムーミン谷にやってきます。おばさんがお金持ちだと知ったスニフは情報を提供して大金をゲット! マグの反対側には、鉄条網に閉じ込めたおばさんを助ける代わりにさらにお金をもらってホクホクのスニフと、おばさんが逃げたと聞いて心配そうなムーミントロールとスナフキン、黒いねずみのソフスがいます。やがて一同はパパとママが隠れている洞窟へ(L参照)。パパが「おばさんが好きだからジョークで悪口雑言を送ったんですよ」と告げると、おばさんはホロリ。みんなでうちに帰ってパーティーを続けるのでした。

T
帽子に花を飾り、片手を挙げて、いかにもご機嫌なムーミンパパ。ですが、コミックス『黄金のしっぽ』の本来の主役はムーミントロールです。大切なしっぽのふさの本数がなぜか少なくなってきて、剛毛ガフサや薄毛ヘムルに相談したり、お医者さんを呼んでレントゲンを撮ってもらったりしますが、いっこうに改善されず。ムーミンママがおばあさんの魔法のレシピで調合してくれたドリンクを飲むと、なんと金色に輝くふさが生えてきました! 一躍有名人になったムーミントロールに取材やファンレターが殺到、伯爵家からカクテルパーティー招待状まで届きます。華やかなことが大好きなムーミンパパはカクテルを何杯もおかわりして、旧友ウィムジーとテーブルに乗って踊った挙げ句、上機嫌で会場を後にします。スノークのおじょうさんは、次のイベントに向けて新しい衣装をチェック。元絵では鏡がある位置に、別の場面のムーミントロールを配置して、ふたりがすれ違っているかのようなストーリー仕立てに。ムーミントロールがおじょうさんそっちのけでお手入れしているしっぽの先が黄色に彩色されているところにもご注目! コミックスならではのユーモアが詰まった、楽しいデザインです。

W
Wの文字の間に腰掛けているのは、意外にもアルファベットマグ初登場のスティンキー。悪臭漂う黒いモジャモジャの体、悪いヤツだけど憎めない、コミックスの人気キャラクターです。マグのストーリーは、2020年の夏マグ「リラクシング」などにも使われているコミックス『ジャングルになったムーミン谷』。熱帯植物のタネが発芽して、ジャングルと化したムーミン谷で、ムーミントロールとスノークのおじょうさんはターザンごっこをして遊んでいました。そこにやってきたスティンキー、「野生動物を連れてきてやるよ」と動物園に忍び込んで、かわいいサルだけでなく、トラやサイまで解き放ってしまいます。危機一髪!と思いきや、ムーミン一家は獰猛な動物たちとも仲良くなって、2023年の夏マグ「ガーデンパーティー」のようにお茶を楽しんでいました。騒動を期待していたスティンキーは大きなスイレンが浮かぶ沼にムーミンたちを誘い込み、大蛇をけしかけますが……。大蛇は「ガーデンパーティー」には不在だったので、ムーミンマグに蛇が登場するのはおそらく初めて。2025年は巳年ですが、犬や猫、ねずみの描かれたマグもありますから、干支を意識してチョイスしてみるのもおもしろいかもしれません。

B
ニョロニョロがメインのBはちょっぴり渋めの色合い。ベースの色と絵の線がどちらも紫で、三日月と反対側のプリマドンナの服や髪にサーモンピンクの差し色が控えめに入っています。Bの文字を取り囲むように立っているニョロニョロたちに、両手を上げて駆け寄るムーミントロール。これはコミックス『恋するムーミン』から着想を得たもので、ストーリー的にはUの続きにあたります。気持ちがすれ違ったムーミントロールとスノークのおじょうさん、プリマドンナ、ミムラねえさんは男女別に分かれての生活を始めました。男の子側には2015年の夏マグ「浜辺のひととき(Moment on the shore)」のエメラルドがいるのですが、アルファベットマグには不在。お互いに意地を張ったり、行き違ったりして、なかなか仲直りすることができません。そこで機転を利かせたのがプリマドンナの馬(U参照)。女の子たちの住まいにこっそりニョロニョロをけしかけ、ムーミントロールを呼んでヒーローを演じさせます。最後はムーミントロールがスノークのおじょうさんに花を差し出しながらドラマティックに謝罪して、めでたしめでたし。ムーミントロールは不機嫌そうですが、実は笑顔よりも困り顔や怒り顔の絵が多いムーミンたち。ムスっとした表情もかわいい!と、アングリームーミンというグッズが人気を集めているほどです。

G
ダンディな佇まいが人気のホブゴブリン(飛行おに)。背景に星が散って、他のマグとは一味違うスペイシーな雰囲気です。小説『たのしいムーミン一家』のスウェーデン語の原題は『Trollkarlens hatt』(=魔法使い/奇術師の帽子)で、重要なキャラクターにもかかわらず、はっきりと描かれた挿絵は2点しかありません。そのうちの1点は通常マグに使われている黒ヒョウにまたがって空を飛ぶ絵。もう1点が月のクレーターに腰掛けてひと休みしている絵で、ここではGの文字に座っているようにアレンジされています。ちなみに通常マグの後ろ姿は同じ絵を後ろ側から描き起こしたものです。ホブゴブリンは長い間ずっとルビーの王さまと呼ばれる大きな宝石を探し続けていました。疲れきってしょんぼりと座っていたとき、遠くで赤い目のように輝く光が! トフスランとビフスランがムーミン谷で大切な宝物をみんなに披露していたのです。彼らがムーミン谷にやってきた場面はMのマグに使われています。ホブゴブリンは魔法の力を持っていますが、自分のためには使えません。トフスランとビフスランがそっくりなルビーをもうひとつ出してほしいと願ったので、ホブゴブリンはルビーの女王さまを手に入れることができました。このマグでは別の場面の絵を組み合わせて、ルビーをめぐる物語を表現。ルビーは赤ではなくシックな色合いなので、色鮮やかな通常マグとぜひ見比べてみてください。

Q
コミックス『ジャングルになったムーミン谷』に出てくる植物学者のヘムルがQの文字から覗いているデザイン。絵柄にぴったりの爽やかなグリーンのベースに描かれているのは、ユーモラスなストーリーです(U参照)。ムーミン谷が熱波に包まれ、熱帯の種が発芽して、ムーミンやしきがジャングルに。エキゾチックな花やバナナなどのフルーツだけでなく、ムーミンパパのしっぽに巻きつく人食い植物まで大量に発生してしまいました。話を聞きつけたヘムルは勝手に入り込んで、標本採集を開始。危険な人食い植物を閉じ込めていた納戸を開け放ってしまい、お腹が白いねずみ(ソフスのいとこ)はびっくりしたようにひっくり返っています。音楽を聞かせるとおとなしくなるとヘムルに言われ、琵琶のような楽器を弾いているのはムーミントロールではなくムーミンパパ。若い頃、仮装に使ったサファリハットを引っぱりだして、冒険家気分を演出しています。ムーミンママが困り顔なのは、人食い植物のことが心配なだけではなく、ムーミンパパの演奏が上手じゃないから。その後、同僚の動物学者も現れ、人食い植物が本当に植物なのか動物なのか、議論に発展します。よく見ると、ヒョロヒョロした植物たちがとてもかわいい! また、ヘムル族といえば、Oには魚収集家、Fには冬のヘムルも登場しているので見比べてみてください。

U
原作ファンにとても人気の高い、花模様を身にまとったムーミン谷の馬。2012年の夏マグ「プリマドンナの馬(Primadonna's horse)」やムーミンバレーパーク限定マグにもいましたが、アルファベットマグでついにメインに抜擢されました! 小説では美しく神秘的な姿でムーミントロールを魅了する「うみうま」、キャラクター名としてはフィンランド語のkukkahevosetにもとづき「はなうま」と呼ばれています。コミックス『恋するムーミン』にはサーカスのプリマドンナの聡明な相棒として登場、「プリマドンナの馬」と名乗りました。大雨が続き、水浸しになってしまったムーミン谷。サーカスのテントも流され、馬とプリマドンナはムーミンやしきに滞在することに。ロマンチックな小説ばかり読んでいたムーミントロールはプリマドンナに夢中になって、ガールフレンドのスノークのおじょうさんをヤキモキさせますが、プリマドンナのほうはおもしろがっているだけ。ふんわりした色の多いアルファベットマグのなかでは濃いめのサーモンピンクをベースに展開される複雑な恋模様を、馬は涼しい顔で見ています。この馬には花しか食べないという設定があって、足元のチューリップ、ムーミントロールが抱える花束など、さりげなくあしらわれた花々も華やか。物語の続きはBをどうぞ。

X
りんごを手にXの文字にもたれかかっている小さなミーサ。コミックス『ふしぎなごっこ遊び』で、お隣に引っ越してきたきれい好きなフィリフヨンカ(R参照)に勧められ、ムーミン一家はお手伝いさんを募集する運びに。やってきたのは大きなスーツケースを下げ、マスクを被ったペットの犬インクを連れたミーサでした。ミーサは気が弱くて疑り深く、何をやっても失敗ばかり。りんごを収穫するために木に上っても、昔のことを思い出してぼんやりしています。困ったようにりんごを見ているムーミントロールは同じエピソードの別の場面から。ミーサをなんとか元気づけようと、スノークのおじょうさんはパウダーをはたいてあげたり、インクにピンクのリボンを結んだり。ムーミンママとミーサの組み合わせは通常マグのミーサ、ムーミンママでも使われている名コンビです。オレンジと黄色で、どちらもアルファベットマグと馴染みやすい色合いなので、朝食のコーヒーとスープなど、組み合わせて使うとよさそう。ちょっとかわいそうなイメージもあるミーサとインクですが、お気楽なムーミン一家のおかげでお話の最後にはすっかり陽気に。恥ずかしがって顔を隠していたインクもマスクを取って遊び始めます。ミーサは登場していませんが、2024年の夏マグ「ベリーシーズン」も同じ原作なので、りんごやベリーの籠などを見比べてみてください。

Z
通常マグのムーミントロールでもおなじみの火星人の子どもがなんとメインに! コミックス『まいごの火星人』にしか登場しませんが、その愛らしさから人気の高いキャラクターです。スニフがくれた壊れたラジオをムーミンパパが修理していると、「UFOに乗った火星人がやってくる!」との緊急警告が流れてきました。お尻に植木鉢を置いたムーミントロールと妙なポーズで踊るスノークのおじょうさんは、見たことのない火星人がどんなふうか想像してふざけています。ところが次の朝、ムーミンママの畑に本物のUFOが落下。落ちていた謎の機械を拾ったら、宙に浮いたり、体が見えなくなったり、小さくなったりと、次々と不思議な出来事が巻き起こります。ムーミンママが薪を取りにいくと、薪の山に火星人らしき生きものが隠れていました。言葉の通じない火星人を助けようと、世話をやくムーミン一家。トラブルのもとになる機械は木のうろに隠しますが、スニフが見つけて署長さんに売りつけようと抱えて走り出します。その背後には子どもを探しにきた火星人の両親の姿も。アルファベット26文字の最後であるZにふさわしい、ムーミンコミックスのおもしろさがぎゅっと詰まったデザインです。
商品スペック
- 材質
- 磁器
- 寸法
- 約φ93×W120×H90mm / 335g
400ml(容量はメーカー表記です。実容量は、約380mlになります。) - 生産
- Made in Thailand
- 備考
- パッケージはありません
オーブン(直火不可):○ / フリーザー:○ / 電子レンジ:○ / 食器洗浄機:○
購入前に確認ください
- 小さな黒点やピンホールは良品としています。
説明書ダウンロード:陶磁器
Moomin アルファベットコレクション
マグ 0.4L
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