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2020年8月28日
東屋のちゃぶ台に輪じみが付いたらどうしましょう?

以前のBBSにて質問があり、おしぼり案件としてお預かりしていた「ちゃぶ台に付いた輪じみの直し方」についてスコープの家具の試作でお世話になっているコンセントファニチャーさんに直し方を教わりまして、コロナ自粛でヒマを持て余した夏休み期間中に試してみましたのでその結果をご報告いたします。

先に結果を発表しますと結露による水の輪じみは直せましたが、コーヒーの輪じみは跡が残りました。どちらも液体が乾く前に拭き取れば目立つ跡は残りませんのでさほど神経質になる必要はありませんが、問題は液体が乾いて表面の油分が円形に抜けてしまった時。写真と共に直し方をご案内していきますのでぜひ参考くださいませ。


もくじ

・実験1 冷たい飲み物による結露の輪じみ・実験2 コーヒーによる輪じみ・まとめ・水より金属に注意

【 p.s.おしぼり 】4040は別の方法で

実験1 冷たい飲み物による結露の輪じみ

今回、実物を使うわけにはいかなかったので東屋のちゃぶ台と同条件になるようコンセントファニチャーさんに製作いただいたかんな仕上げのナラの板をちゃぶ台の天板に見立てて実験開始。胡桃油を塗って乾燥させた後冷たいグラスを置いて放置して輪じみを再現します。

カルティオを載せてみた

夏場によくある現象

数十分後には結露による濡れた輪じみが。この段階で拭けば被害はほぼなし。問題はこのあと。うっかり放置すると、

あちゃー

こうなります。角度を変えてみると油分が抜けて白っぽくなっているのがわかります。油分が抜けたのならまたオイルを塗れば直る?と思ってしまいますが、いきなりオイルを塗るのは「それダメ」行為。理由は後でご説明します。まずは水で濡らすように全体を拭きます。

比較用に中央の輪じみは濡らさず、マスキングしています

布は濡らして軽く絞った程度。びちゃびちゃでも大丈夫です。実際のテーブルの場合、輪じみ一つでもテーブル全体を水拭きしましょう。 特に輪じみ周辺はゴシゴシ拭きます。こうすることで輪じみ部分とオイルの残った部分の境目がぼやけ目立ちにくくなります。でも濡らしたら乾いたときに木が毛羽立つんじゃ?と思ってしまいますが東屋のちゃぶ台はかんなで仕上げているためこの心配はありません。安心して乾燥を待ちましょう。

乾いた状態(手前) 合間を見て奥では次の実験用にコーヒーの輪じみを再現中

乾かすと中央の輪じみと比較して手前の輪じみが周りに馴染んでほぼ消えているのが分かります。よく乾燥させてから、アマゾンで買った胡桃油をウエスで薄くて塗り伸ばし余分な油をふき取り乾燥させます。

胡桃油はメンテ用に一本持ってるといいですよ

天然の油は乾燥が遅いので数日の乾燥が理想です

手前の輪じみは見事に消えました。比較用に濡らさなかった中央の輪じみはあえてそのまま胡桃油を塗りました。これをやってしまうと写真のように輪じみは消えず残ってしまいます。輪じみにいきなりオイルを塗ってはいけない「それダメ」の理由がこれ。まずは水を塗って輪じみの境目をぼかしてなじませるのがキモです。

中央の輪じみのように水拭き前にオイルを塗ってしまった場合でも最終的に同じ方法で直せますので、一旦置いて次のコーヒーの実験に移ります。

実験2 コーヒーによる輪じみ

先ほどの板の空いたスペースにコーヒーが垂れた輪じみを再現。水よりも色が付いた感じがわかります。

中央と比較すると濃いです

まずは結露の輪じみと同じくたっぷりの水で拭いて乾くのを待ちます。

馴染んで目立たなくはなりましたが残念ながらうっすらと円形に跡が残っています。色が付いた液体が木の内部に染み込んでしまうためでしょうか。コーヒーでこの結果ならば醤油はおそらくこれ以上に目立つでしょう。水拭きの手法ではこれが限界です。

これ以上直そうを思うと削るしか方法がありません。東屋のちゃぶ台はかんなで仕上げているのでかんなをかけて削るのが理想ですがこれは職人さんにお願いしないとまず無理です。サンドペーパーで削ることもできますが個人的には折角のかんな仕上げに余計な手を加えたくないので僕ならここでオイルを塗って良しとします。が、 サンドペーパーを当ててでも直したいというケースもあるでしょうし、どうなるのか見てみたいという興味もあるのでさらに実験を進めてみます。

サンドペーパーとウレタンパッドを用意

ペーパーを軽くすり合わせてざらつきを取ります

用意したのは#320のサンドペーパー。この手の修正には一般的に#240〜#400あたりの番手がベストなので中間をとってみました。サンドペーパーは使い始めが一番ザラザラしていますでサンドペーパー同士をこすり合わせてざらつきを取ってから使うと木にペーパーの擦り跡が付くのを抑えられます。

ペーパーはウレタンパッドを当て木の代わりに使うと当たりがソフトです。ランダムに磨かず、木目の方向にペーパーを当て磨くとより擦り跡が目立ちにくくなります。ペーパーで削った部分は白っぽくなりますが折角かんなで仕上げた材の全体にペーパーをかける訳にも行かないので輪じみ部分だけに留めます。

マステを外した手前が全体的に白っぽいのは水拭きによるもの輪じみ周辺の白っぽいのがペーパーをかけた部分

比較用に残した中央の輪じみも含め全体的にもう一度水拭きしてよく乾燥させてから胡桃油を塗ります。

中央の輪じみも直したいので全体を水拭きします胡桃油を塗る前にしっかり乾燥させましょう

胡桃油を塗って完成

胡桃油を塗り終えて最終こんな感じです。コーヒーの輪じみがあったのは左手。うーん、そのままよりは薄くなった気がしますがよく見るとまだ若干跡が残っています。右手と中央にあった結露の輪じみはよく見てもわからないレベルで元通り。ここで実験終了です。

まとめ

東屋のちゃぶ台に付いた結露の輪じみは水たっぷりで水拭きし、輪じみの境目をぼかしてなじませ乾燥させた後、胡桃油を塗れば直ります。コーヒーの輪じみの場合も同じ手法で直しますが、胡桃油自体の保護力が強くないので材に色が付き若干の跡が残ります。サンドペーパーを当てれば多少改善するものの完全に跡を消すのは難しいとお考えください。

またサンドペーパーを当てた部分を光にかざすと周辺に比べ、ほんのわずかですが艶が下がっているのが分かります。水拭きして胡桃油を塗る方法でかなり目立たなくなりますのでかんな仕上げの綺麗な艷を保ちたい場合はサンドペーパーの使用はおすすめしません。

水より金属に注意

液体以外で気を付けたいのがヘアピンなどの金属類。濡れた状態で天板に置いてしまうと簡単にサビ跡が付き、木の中にも浸透するので水拭きでは何ともならず、多少表面を削ったぐらいでは取れません。お風呂上がりや洗顔後にうっかり置いてしまわないようご注意を。僕も過去にオイルフィニッシュのタモ材にスプレー缶を長時間置いておいたら丸く黒い跡をつけてしまった経験がありますので空き缶なども注意が必要です。

【 p.s.おしぼり 】 4040は別の方法で

スコープの4040テーブルは欧米産のオーク材(日本語でナラ)で、東屋のちゃぶ台は国産のナラ材。どちらもオイルフィニッシュなので同じものと思われるかもしれませんが4040テーブルはサンドペーパーの親玉のような機械で削るサンディング仕上げであるのに対し、東屋のちゃぶ台は人の手によるかんな仕上げ。完成した姿はどちらもツルツルして見えますが前者はザラザラしたもので削り、後者は刃物で削っていると言う違いがあります。加工法の違いに加え、塗っているオイルの性質も異なりますのでこのページの輪じみの修正方法は4040には当てはまりません。4040のオークについては4040のメンテナンス方法をご参考くださいませ。