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2010年8月22日
ラブレターフロムシャチョウ

休み明けからずっと
ECOLAの事を考えてテキスト書いてるんだけど
書こうと思って、まとめたり、調べたりしていると
色々なことに気付きます。


ECOLAを取扱開始した昨年の冬。

僕が一番キャッチされてたポイントはココ。
『 自ら羊を育て、羊毛は湧水で洗う 』

で、今年、更にキャッチされたのがココ。
『 色を染めていない 』

へぇー、染めてないって凄いねーと
ふと通り過ぎていってしまいそうな言葉なんだけど
よくよくリアルにイメージしてみると、とんでもない事です。

白い毛の羊、ベージュの毛の羊、茶色い毛の羊を育て
その自然のままの色を使って柄を織っている。
今のこの時代で、それを継続してるなんて素晴らしいことです。

昔昔は当たり前だった事なんだろうけど
今はそんな風にして柄を織るなんて正直あまりリアルじゃない。
均質にならないから今の世の中ではかなり難しい事なんだろうし。

もちろんクライアントの希望で赤や緑を使う事もあるそうだから
そういった時はナチュラルな方法で染めるって事なんだけど
基本的には染めない。

でも、その手法で柄を作れば個体差はでる。
僕が持ってる毛布と今年のサンプルの1枚は同じ柄なんだけど
色の濃淡が結構違うんですよね。今年は薄くて、去年は濃い。

こういった部分を使う人が問題としなければ
ECOLAもこのままずっと継続して作っていけるんだろうけど
それを駄目だという人が増えれば
染めて均質に一定な色目にしないといけなくなるわけで。

このECOLAに関しては、昔のままの物作りが続いているんだけど
どんどん神経質になっていく時代の流れに生産者も合わせないと
取り残され消えていってしまう可能性があるのであれば
みんな適応し変化していくわけだから
僕らが、皆が、知らない間に
何十年も何百年も受け継がれてきた沢山の大事な事が
クイッと曲げられたり、消えていってしまっているなんて事は
猛烈に沢山発生しているんだろうなって思う。

そんな事を文章書きながら感じました。
そして、その原因は実は現在の自分達にある。
あるんだよなぁ。



3日前に、僕の父親が誕生日プレゼントっていって
わざわざ片道100kmの距離を車を走らせて
『うなぎ』を持ってきてくれたので長角皿にのせて食べました。

我家の長角皿4枚のうち1枚は中心に大きなヒビ割れがあります。
検品してて売るのは難しいと思って、僕が買う事にした物なのですが
実はそれが我家では一番人気です。
息子が自分の前に置く皿はいつもそれ。ヒビ割れしている長角皿。
そのちょっとしたヒビや傷が個性であり、味だと感じているんです。

伊賀のシリーズをスタートした頃
個体差が激しいからクレームの山になるだろう
なんて思ったんだけど、どうしてもラインナップしたかったから
度胸をきめてスタート。印判のシリーズも、リサもそうだった。

輸入元さんや製造元さんは個体差が激しいから
ネット通販では難しいっていわれてたんだけど
実際は、問題になる事って殆どないんです。

それは、僕らが何ってわけじゃなくて
そういった生産上発生する個体差に理解をしめしてくれて
同じく価値を見出してくれてる。そんな素敵な方々が
スコープには沢山集まってくれているって事なんですよね。

こうしたい!という理想が僕に、スコープにあっても
それを支持してくれる人がいなければ何も進まない。


何を大事にするか?

それは人それぞれ違うと思うんだけど
大事にする方向が似ていて、共感できる人たちが集まれる。
それほど幸せなことはありません。

ECOLAがキーになって考えて
振り返って気付いて、みんなに感謝しています。
唐突で、なんか変な感じなんだけど、ありがとうございます。

スコープとしては、これからもずっと変わらず
積み上げられてきた大切なことを抱えた素晴らしい物を
大事に、全力で、ありのままご紹介していきますので
是非!これからも末長くご一緒しましょう!みなさま。

text:シャチョウ