生ハムを1枚ずつ剥がせるか実験
2008年12月25日
クリスマスムードいっぱいのオールド・マーケットホール
PHOTO:原田 智香子
ヘルシンキのオールド・マーケットホール
ヘルシンキのオールド・マーケットホールでクリスマスのご馳走を買うことは、ヘルシンキ住民にとって毎年繰り返される贅沢な習慣の一つです。
私をここへと呼び寄せているのは伝統です。1960年代、私が小さかった時にもやはりクリスマスの準備が始まると父と母は私をここに連れてきました。
ホールに来て始めにすることは、熱々のグローブの香りの強いグロギをいただくこと。グロギと一緒に星型のプルーン・ジャムパイはなくてはならないし、場所はホールにあるスネルマン・カフェに決まっています。
オールド・マーケットホールはヘルシンキ・マーケット広場の直ぐ隣にある古い赤レンガの平屋建ての建物です。この建物は今119歳。ハカニエミのマーケットホールが日常的な買出しの場所として知られているのに対して、ここはグルメのメッカとして有名です。
子供の時にはホールの中でみる魚が特に印象的でした。バルト海ニシンは大きな木箱に入っていて何千匹もいるように見えました!大きな鮭はおそらく私と同じ重さがあるでは、と思うくらい大きくて子供の目には恐ろしくも見えました。
今日はホールに行き、昔からの伝統を法りつつひと時を楽しんできました。たくさんのことが昔とちっとも変わりません。ライ麦パンがたくさん積み上げられています。クリスマス料理のための根菜のラントゥやにんじん、レッドビートが格好よく山盛りになっています。ピパルカックは昔ながらの型で焼かれています。
このホールで私の子供時代に物を売っていた人たちと、今いる人たちは大体同じ顔をしています。何故かというと、大抵のホールにテナントを持つ人たちはその権利を親族で受け継いでいくからです。買い物に訪れる客たちもやはり、自分の家族が何十年もの間いつでも買い物をして来た、同じ売り手の家族から買うのです。
ホールの商人から教わるアドバイス
ホールの商人たちは長年お客にいろいろなアドバイスをしてきた経験があります。もちろんすべてのお客が売り手からのアドバイスを期待しているわけではありませんが、私は大歓迎。私はホールの売り手たちを〈歩く料理本〉として大いに利用します。私は彼らからとてもたくさんの料理のコツを教わりました。
彼らから聞き出すことの一つは、いったい彼らは自分の売り物の中から何を自宅に持ち帰るのか、ということ。ほとんどいつも正直なところを教えてもらえます。こうして私もその店で一番おいしいものをショッピングバッグに収めることができるというわけです。
たくさんの旅行者がマーケット広場のついでにこのホールへも足を伸ばします。何人かの売り手たちに、「日本人の旅行者には何をお土産に勧めるか」と聞いてみました。
魚屋のぺトゥリ・ナティッラさんからはすぐに返事がもらえました。「フィンランドの魚の缶詰!」。ここ数年の間にフィンランドにはいくつかの高品質の魚や肉、きのこの缶詰・ビン詰めを製造する新しい会社が生まれました。その中でぺトゥリさんのお勧めの一品は、カラ・カッレ(Kala-Kalle)というブランドの直火焼き鮭の製品だそうです。
普通の魚の缶詰からも、たとえばサーモンのゼリー固めのようなとてもおいしい料理が作れます。これも鮭缶から作れるんです。レシピはこちら。これは高級感のある料理なので年末年始のパーティー時期にぴったりの料理です・・・今はちょうど一年で一番おいしいものを楽しむ時期です。
Text & Recipe : Hanna Jamsa (ハンナ・ヤムサ)
ヘルシンキを拠点とした現地でのガイドツアーや様々なサービスを日本人旅行者に提供する会社、My Suomi(マイスオミ)代表取締役。実はフィンランド屈指のアンティークコレクターでもある。フィンランド・ヘルシンキ在住。