アナログ界のモーニングセット
2015年2月4日
今日はシエッポのできるまで解説しつつ(シエッポ製作三日目)
シエッポ製作三日目。
はい、なんとかうまく行きました。
多分、もう大丈夫です。
本日は、シエッポ製作工程を写真で
流しつつ、一日を振り返りましょう。
アッソーレ、ヨイショっと!
(職人サンA:吹き竿にガラスをとりまーす)
まさか、ここまで
苦労するとは思ってなかったです。
シエッポみたいに職人の手作業、
感覚が突出して完成形に影響する物で
更に古い物なら、研究しまくらないと
うまくいかない。身に染みました。
サンプルがあるぐらいじゃー、無理ね。
(職人さんA:一度形を整えます)
ここまでフリーな手法で作られている
バードも今では少なくて、製作の機会も
少ないというのも今回難関化した
ポイントだとも思います。
スコープオリジナルのラカティに近い
作り方。そして小さいとガラスが
すぐに固まるから、修正も効きにくく
より難しくなるのだそうです。
(職人サンA:型に吹いて一定の大きさに膨らませます)
古いシエッポを作っていた流れや
工程や感覚、型なんかが残っている
わけではないから、昔のまんまには
実物あってもサクッと作れない。
だから、まずは、今の現場で、
昔のシエッポと同じ匂いのするものを
作らないといけない。
それが、まぁ、難しい。
そもそも、昔のシエッポの匂いって
どこにある?って事になるわけですわ。
(職人サンA:背になる部分にハサミをいれる)
古いシエッポ。
わかっているようで
わかってなかったなぁ。
(このハサミいれ作業が重要!尾と頭と体のバランスが大体決まっちゃいます)
紙に書いてまとめて整理して
初めてそこで理解できた感じです。
今後は古い物や生産手法が
特殊な物はその方向で準備します。
(職人サンBに交代:やっとこのような道具で尾を成形します)
でも、まぁ、普段は別注リクエストし
サンプル見て、OKなら進んでいくから
ヴィンテージの現物があれば万全。
それで、何も困る事もないから
こんなことは想定外なのですけれども。
超レアケースです。
(職人サンB:尾を成形するのですが少し細くするといい感じです)
結局、古いシエッポらしさってのは
なんなのか?そこは僕も
職人の皆さんも、イッタラの人も
誰も具体的にはわかってなかった。
実に色々なパターンがありますから。
それはうまくいかないですわね。
(職人サンB;少し吹いて体を膨らませます。)
オイバがイッタラへ来てくれて
うまく指示だししてくれれば
何の苦労もないのだけれど、今は
そうそうイッタラへも来れないし
数日間くるってのは不可能だ。
(職人サンB:尾と頭の形を整えます)
実際、オイバもイッタラへ来るって
いったけど体調の関係かキャンセル
になってしまったし。
(職人サンA:Bが形を整えている間にクチバシのガラスを準備)
昔の物を沢山持っていて
どういう物が古いシエッポなのか?
それを知ってる(であろう)
僕が工場へ行くしかなかったという
のが、この出張の本題です。
(職人サンB:頭にくちばしのガラスをつけましてー)
よくよく考えればビンテージの
サンプルは送ってあって、それから
何度も試作して送ってくれるけど、
全然別物になっていたんだから、
そこで気付かないといけなかったん
ですね。今更ですが。
(職人サンB:ガラスをカット。この時の角度が重要、下へー下へー)
朝早く起きて説明書をかき
職人の方に手伝ってもらい
フィンランド語で説明を加えた。
僕作のシエッポ製作奥義!
超最重要項目1:お腹が横長に四角い感じで膨らむ
最重要項目2:尾は厚さ7mm前後で広がらず長め
重要項目3:頭はまっすぐか前傾
重要項目4:クチバシ大き目、頭の先から少し下で下向き
※もし頭が大きくなったらクチバシも大きく。
※上部のハサミの跡は残っていてOK
この優先順位で作っていけば
多少後半ブレてもシエッポになる。
ビンテージを色々見比べてそう思った。
大事なのは、少しデブである事なんだ。
ついついビンテージと復刻の大きな違い
頭に目が行っちゃうんですけれど。
(職人サンB:火にかけて形を整えます)
そこが抜けていたからボツが増えた。
それは結局、体が膨らみきっていなくて
バランスが悪いからシエッポに見えない。
ある程度体が四角く膨らんでいれば
古いシエッポの雰囲気になってくれる。
(職人サンB:根本をバーナーで熱します)
ここまで来ればスッと理解できるのだけど
なかなか数個シエッポを眺めたぐらいでは
わからないものです。
(職人サンB:竿からシエッポを外しやすいように根元をはさむ)
そして、これならいいやん!
って思った3日目の終わり掛け
フッと気付いてしまった。。。。
(完成です。職人サンAが冷却器へと運びます。)
クチバシがもっと本体にくっ付いた感じに
ならないだろうか?細かなポイントだけど。
現行のバードもそうで、クチバシが本体に
玉のように付いている。本体とクチバシの
間に溝みたいなのがある。
古いシエッポは、それがあまりない。
ベタっとくっ付いている。それできない?
と投げかけ。皆から、またか!!?って
雰囲気が漂う。でも、ここまでくると
皆さん解決しようと努力してくれる。
速攻で修正してくれて、それもなんとか
なったと思います。ガラスの質も昔とは
違うから100%同じにはならないですけど、
これならいいでしょって所まで来ましたよ。
なんとかなんとか。
フィンランドの職人の皆さん、だんだん。
次はデッカイPomPomベースの新色でも
オイバに配色決めて貰って、
試作は僕がしに行こうかな、なーんてねぇ。
ホント、何とかなって良かったですわ。
(オマケ。この職人サンが吹くとなんか変わった形になる。
主に縦長で銅が大きいんだよね。これは結構小さい方。
でも、それがいい感じなんですよね。彼製結構欲しい。)
text:シャチョウ