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2013年10月7日
おそろしい女の魔物、モラン。

モラン(The Groke)
2005-

すべてを凍りつかせるおそろしい女の魔物、モラン。

ムーミン童話における二大バケモノ(?)モランとニョロニョロ。
どちらも意志があるのかないのか、コミュニケートは困難ですが、
モランのほうは光や暖かいものに引きつけられるという性質が。
しかし、モランの通った後には霜が降り、花は枯れ、生き物は寒さに震えます。
1時間以上、モランが座った場所には何も生えないと言われるほど。

そのため、人々から忌み嫌われ、友達もいなかったモランに、
ムーミントロールだけが思いやりを持って接します。

『ムーミンパパ海へいく』(講談社)でムーミンたちの明かりを追って、
灯台守の島までついてきたモランにムーミンはカンテラの灯を差し出します。
モランは明かりを見つめながら歌のような音をたて、
体を揺すって踊るのでした。

モランは言葉を発することはないと思われていますが、
『たのしいムーミン一家』(同)でトフスランとビフスランの持つ
ルビーの所有権を主張するモランは「高いだよ」「たりねだ」と
片言で訛りのある言葉を話します。
頭と体の境目が不明のマツコ・デラックス体型ですが、
裾のヒラヒラはスカートなんです。

フィンランドの長く厳しい冬の象徴であるかのようなモラン。
作者のトーベ・ヤンソンが、夏を過ごしていた群島地域ペッリンゲには
モランそっくりの形の巨大な岩があります。
今では目と口が書き加えられ「モラン岩」と呼ばれて、
地元の子どもたちから親しまれているそうです。

ベースの紺色がきれいなモランのマグは、個人的に大のお気に入り。
でもやっぱり、モランの性質を知っているせいか、
夏場にはあまり手が伸びません。 (暑苦しくてたまらない日に
少しでも涼しげな気分を味わおうと あえて使うことはありますが)。
空気が澄みきって、月や星が美しく輝く秋から冬が
いちばん似合うような気がします。

作ってみたのはカフェロワイヤル。
角砂糖に染み込ませたブランデーから立ち上る青い炎、
モランも喜んで踊ってくれるかな?

text:萩原まみ(too)