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2008年5月15日
リーヒマキガラス美術館

PHOTO:原田 智香子

リーヒマキのガラス美術館
美しいものをたくさん見たくなった時、私は一人で、時には友人と連れ立って、リーヒマキにあるフィンランド・ガラス美術館に行きます。ヘルシンキから約100キロメートルのその場所は、フィンランドで私が最も愛する場所のひとつです。

リーヒマキのガラス美術館は、フィンランド・デザイン界最大の<公然の秘密>といえると思います。この美術館の所蔵物のレベルの高さからいって、ここには怒涛のように人が訪れてもいいと思うのですが、ここを見つける旅行者は非常にまれです。美術館があまり知られていないということは反対に考えますとよい点でもあります。静かな環境でゆっくり作品を見て、自分の考えに没頭できるからです。

ガラス美術館のメインルームは1900年代初頭のモダンガラスが展示されています。薄暗いスペースに、スポットライトで明るく浮かび上がるガラスケース。それはまるで物語の中のお寺のようで、ついソロリソロリと足音を忍ばせて歩きたくなってしまうような雰囲気です。

このガラス美術館には少なくとも20回は訪れている私ですが、いくつかの作品は、見るごとに、まるではじめて見たような気分になります。また、何度も見てきたおなじみの作品に対して突然開眼し、<あっ、そうだったのか・・・>と、その作家の考えが分かったような気持ちにもなります。

フィンランド人だったら誰でも、今までに見たことのあるガラスや毎日実際に使っているガラスをこのガラス美術館でいくつも見つけるはずです。フィンランドではデザインは決して金銭的に恵まれた人のものでもなければ、トレンドに詳しい人の特別な世界のものでもなく、すべての国民の暮らしに含まれるものなのです。

フィンランド人の一人一人の家庭に、カイ・フランクの アイノ・アアルトのグラス など、何かしらのデザイン・グラスがあります。そして驚くほど多くの人が、作品の裏側に作家のサインが入っている、アート・グラスを持っています。

このガラス美術館では、ガラスデザインの歴史を垣間見ることが出来ます。たとえば、アルヴァー・アアルトのサヴォイベースの第一回目の試作品や、吹きガラスで作られた薄手のカルティオの第一作、オイヴァ・トイッカの1960年代のポップ・アートなどなど、なんでもありです。

デザインはフィンランド人の財産
フィンランド人デザイナー達に未来を見る力があったおかげで、デザインはすべてのフィンランド人の財産となりました。アルヴァー&アイノ・アアルトを始めとするデザイナー達は、一般労働者の家庭を、彼らの毎日の生活を美しいものにしたいと望みました。

お金のある人々は、いつでも身近に美しいものを見つけるでしょう。しかし、使いやすく、美しいものをあらゆる場所で使っていきたい・・・フィンランド人デザイナー達の挑戦はそこにありました。彼らのデザインしたものは、十数年か、時代を先取りした物となりました。

さらにその後、カイ・フランクはデザイナーの社会的な責任について表明しました。彼はデザイナーは出来る限り機能的な製品を作るべきであると考えました。ちょうど ティーマ・シリーズ や カルティオ のようなものですね。さらに彼は、デザイナーには環境にやさしい製品を生む責任があることを1960年代に明言した最初の人物でもあります。

オイヴァ・トイッカの美しい花のフローラ・グラスは、最近日本のコレクターに人気がありますね。でも、これが以前は山ほど作られ、たくさん売られていた物である事を知っている人は少ないようです。オイヴァ・トイッカも社会的な考え方をする人です。彼は、ガラス工場に働く人たちに十分な仕事があり、彼らが十分な報酬を貰うには、出来る限りたくさん売れるものを作りたいと考えました。

この楽しい実用グラスが製品化した後、彼はゆっくりとアートグラスに時間と労力を掛けることが出来たわけです。トイッカの1960年代のロリポップを見ていただけますか。私はこれは世界でも最上級のポップ・アートだと思います。

Text & Recipe : Hanna Jamsa (ハンナ・ヤムサ)

ヘルシンキを拠点とした現地でのガイドツアーや様々なサービスを日本人旅行者に提供する会社、My Suomi(マイスオミ)代表取締役。実はフィンランド屈指のアンティークコレクターでもある。フィンランド・ヘルシンキ在住。

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ヨーロッパを旅行なさった多くの日本人の方々もおそらく気がついていらっしゃると思いますが、特にフランス、イタリアそしてイギリスではとてもたくさん小麦を食べます。それはパンやクッキー、ケーキだったり、パスタだったりします。フィンランド人も小麦を使いますが、それに加えてオート麦、ライ麦、大麦などが一般的な食材に含まれます。

この3つの中で、間違いなくオート麦が一番おいしいといえると思います。オート麦はやさしい味なのです。これをフィンランドではパンにしたりオートミール粥にしていただきます。特に朝食としてオートミール粥をいただくのはとてもポピュラーです。フィンランド人の子供たちのほとんどが、毎朝オートミール粥を一皿分食べていますし、彼らの親たちも同じように育ちました。

フィンランドのほとんどのパンにはライ麦が含まれています。フィンランド人はライ麦が含まれる食品からは食物繊維と鉄分を豊富に取ることができるので健康によいと信じているんです。でも、ライ麦の味はとても強く、その尖った味には子供時代から食べ慣れていないと馴染めないものがあると認めないわけにはいけません。

ラップランドではリエスカという薄焼きの種無しパンを大麦で作ります。これはラップランド人の伝統的な食べ物です。

フィンランドの知識人たちの発見が知れ渡れば、オート麦はまもなく世界中で食されることになるでしょう。オート麦には血中のコレステロール値を下げる働きがあるんです。私はまもなく日本にもオート麦が広まると信じています。