2024年2月8日
羊毛のお手入れ
基本は陰干しなり
ウール100%の羊毛は、羊毛独自の油分で表面が撥水されています。さらに化学繊維よりも静電気が起きにくいため、埃やチリなどが付着しづらい素材です。ですので、普段使いしている分には私たちが思っているほど汚れてはいません。ただ、就寝時にかいた汗や日常的な湿気を飛ばすためにも、週に一度くらい天気の良い日に2時間程度の陰干しをして風を通すとふわっとします。太陽の日を当てて干すと気分が良いのですが、羊毛は人間の髪の毛と同じで紫外線を浴びると変色しますので、あまりおすすめしません。また、ECOLAもショール ウィズ ポケットも、お届け前は密閉されたパッケージ内で保管されているため、開けた瞬間においがきつく感じられる場合があります。この場合も一度風に通すと、湿気が蒸発して随分とにおいも和らぎます。最初に出るフワフワした遊び毛も、風を通すことで収まりが早くなります。
洗濯機を使って洗ってみました
羊毛は汚れが付きにくい、とはいってもうっかり汚してしまったり、シーズン終わりには洗濯をして清潔にしたい気持ちもあります。そんな時は、クリーニング屋さんでドライクリーニングするのが一番確実ではありますが、縮みが許容範囲であれば家庭で洗いたいと思う人も多いはず。以前お洗濯名人のお客様から、羊毛の洗濯は縮みの原因となる「熱」と「水分」と「振動」を同時に与えないことが重要!と教えていただきました。それを参考に、なるべく現状維持できる洗濯機での洗濯方法をご紹介します。
ダメ元でやってみた
洗濯機の毛布コース実験
洗濯機に「毛布コース」って言うのがあるやん、あれじゃあかんの?というシャチョウの素朴な疑問に応えるべく、ダメ元でやってみました、洗濯機毛布コース実験!結果から言うとECOLAスローは13.6%と大きく収縮。ブランケットも8.6%収縮しました。調べてみたところ「毛布コース」というのは主にアクリル毛布やカーテンなどの大物洗いという意味なのだそうで、純毛の毛布が洗えるという設定ではないようです。自宅で洗濯するのであれば、上記イラスト付き手順を参考にしてみてください。
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縮み率:13.6%
ECOLA
スロー
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縮み率:8.6%
ECOLA
ブランケット
適度なブラッシングで
毛玉を回避。
使用頻度や状況によって度合いは様々ですが、ウール100%製品を使っていれば必ず毛玉はできます。化学繊維のものと一緒に使えば、摩擦により毛玉はできやすくなりますし、遊び毛によってできてしまうケースもあります。適度なブラッシングを行うと、毛羽や埃が取り除かれるため、毛玉ができにくくなり、また風合いも柔らかく保つことができます。普段のお手入れには、洋服用のブラシを、毛玉が気になってきたら毛玉専用のブラシを使ってみてください。ただ、毛玉専用ブラシは、表面の毛布部分を薄く削ることになるので、強くかけたり同じ個所に繰り返し行うと、毛布自体がへたってくることもあります。
ウールの
チクチク問題
使い始めのウールは特に、表面に多くの毛羽や塵、細かなほこりなどが吸着していますので、それが直接肌に触れてチクチクします。まず袋から取り出したら、外で陰干ししながら、軽く布団叩きでたたいたり、表面にブラシをかけたりしてこうした余分なものを取り除きましょう。これを数回繰り返すと、随分とチクチクも軽減されると思います。寝具として毛布を使用する際は、間に一枚シーツを引いて直接肌に触れないようにすると、チクチクは回避され毛玉もできにくく毛布の保温性も上がります。ただし、チクチクが気になる度合いも人それぞれ。合わないと思うようであれば無理をせず、チクチク感の少ない柔らかな素材のものを使う方がいいと思います。
冬の静電気に
お気をつけあれ!
ウールは、アクリルやポリエステル等の化学繊維と比べると静電気の起こりづらい素材だといえます。しかし、身の回りに多種多様なものがあふれる現代の生活においては、ウールのものを使っていても、何かしらの静電気は発生してしまうことが多いです。たとえば、寝具として使用している際に、一緒に使うシーツやパジャマに化繊が用いられていると、その組み合わせによっては静電気が発生します。静電気が気になるという方は、お洗濯の際に柔軟剤や静電気防止の洗剤を使う方法もありますが、天然素材の良さが損なわれてしまうという一面も持ち合わせています。
シーズンオフの
ウールを仕舞うコツ
十分湿気のない状態にして、家の中で乾燥している部屋の上段に収納しましょう。(北側の下段収納は避ける)マンション住まいであれば、綿や麻の布で包んでクローゼットの高い位置に収納するのがおすすめです。古い一軒家の押し入れなど、虫食い被害が気になる住宅であれば、茶箱に樟脳等の防虫剤と一緒に入れて仕舞えば虫の侵入を防げます。手軽な湿気&防虫対策では、布団圧縮袋に入れるのも効果的ですが、ふわっとした羊毛本来の風合いが損なわれる可能性があるので、あまり長期間の保管には向きません。