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2009年3月6日
リンナンマキのウインターパーティー 氷点下の中の雪遊び

PHOTO:原田 智香子

寒い冬こそ外へ出て元気に遊ぶのです

一冬も真っ只中の2月。外はマイナス10度、雪が50cm積もったフィンランドでは何をすると思いますか?暖炉を暖めてぬくぬくと家にこもるのでしょうか?そうではないんです、そんな時こそ外へ出て元気に遊ぶのです。

フィンランドの子供は、スキーなどのウインタースポーツや冬ならではの屋外の遊びを体験するために設けられた1週間のお休みがあります。この休暇の制度は今のおばあちゃんたちが子供だった頃の1930年代に始められました。目的は子供や若者がここで元気を蓄え、学校の長い春学期を乗り切ることにあります。公の許可を得て子供たちは思い切り外で遊ぶことが出来ます。そしてフィンランドの子供たちはこのチャンスを無駄にはしません。

フィンランド人はこの休暇にソリで丘を滑り下りたり、外でソーセージをグリルして食べたり、ホイップクリームがたっぷりのったラスキアイス・プッラを熱いジュースと一緒に食べたりして氷点下の寒い日を祝います。

リンナンマキのウインターパーティー

先週の土曜日に私は我が家の子供たち、ヘンリとメリ、そして彼らのいとこのヤーッコ、ユーリアと一緒にヘルシンキの有名な遊園地リンナンマキのウインターパーティーへ行ってきました。

冬の最中、遊園地がカルーセル (メリーゴーランドの意) をオープンし、私たちヘルシンキ住民はリンナンマキのウィンターパーティーでこの休みを過ごす・・・これはきっと他の町で暮らす人々の過ごし方とはずいぶん異なっているはずです。それでもコートを着てウールのショールを頭に巻き、子供たちと一緒にぐるぐる回るコーヒーカップに座るのはとっても楽しいものでした。

この冬はヘルシンキでも本格的な冬を楽しみました。バルト海沿岸のヘルシンキではこのように寒くて雪がしっかりある冬はけして毎年やってくるわけではありません。こんな風に雪が十分にあり氷も十分な厚さがあるのなら、と私たちはキックスレッジを取り出しました。フィンランド人の古い発明品です。凍った道ならこれがあればどんなに長い道のりでもすいすい行ってしまいます。

昔このキックスレッジは冬季の移動手段としてなくてはならないものでした。今でも地方では頻繁に使われています。そしてキックスレッジの素敵なところは友達を乗せることが出来るところです。

写真 (一番上のタイトル写真) から見ていただけると思いますが、男の子組のヘンリとヤーッコはまるで騎士のように女の子たちをソリに誘います。そして走り出したが最後、恐怖に叫ぶ女の子たちを気にもとめず、男の子たちは氷の道を暴走します。

もう一つ、やはり古くからの子供の遊び道具で面白いのがアイススレッジです。これは長い棒の先にそりが付いていて、まるで大きな円を描くコンパスを思わせるような構造です。仲間同士でビュンビュン回して遊びますが、現代のモーターで回るカルーセルなんかよりずっとスピード感があるんです。20回ぐらいぐるぐる回せば頭もぐるぐる回ってきます。

充分に遊んだ後は中に入り体を温めます。子供たちは熱いカカオを、大人たちはコーヒーをいただきました。熱い飲み物にはどうしても何か甘いものがほしくなります。幸運な子供はもしかするとお母さんが作ったおいしい2月のおやつ、アーモンド風味のルネベルグ・タルトが食べられるかもしれません。


Text & Recipe : Hanna Jamsa (ハンナ・ヤムサ)

ヘルシンキを拠点とした現地でのガイドツアーや様々なサービスを日本人旅行者に提供する会社、My Suomi(マイスオミ)代表取締役。実はフィンランド屈指のアンティークコレクターでもある。フィンランド・ヘルシンキ在住。

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