Artek / A805 フロアライト
エンジェルウィング
黒いレザーで覆われたスタンドの仕上げはフィンランドで手縫いされています。シェード部分は樹脂製だと思われがちですが、白に塗装された複数の細長いスチールプレートがとても綺麗に組み上げられていますから、そこに微塵も安っぽさはありません。基本的に上を照らす照明ですが、シェードのプレートとプレートの隙間から下に光が漏れ、点灯時には非常に美しい陰影を見せてくれます。そしてシェードとスタンドをつなぐパーツはゴールドのブラスと、シルバーのニッケルの2種類が現行品には存在しますが、スコープではブラスのみを取り扱いします。やはり、ホワイト・ゴールド・ブラックのコントラストが高貴で魅力的だと思いますし、僕はそこにフィンランドの香りを感じていますから。「1954年にデザインされたA805は、本物のクラシックであり華麗な建築的かつ前衛的なランプだ。」僕が仲良くしているビンテージディーラーは、そんな風にフロアライトA805を褒め讃えていました。これが一番お気に入りの照明のようです。そしてこの照明は「エンジェルウィング」と「ラムヘッド(羊の頭)」という二つのニックネームが存在するぐらい、広く知られた照明なのですが、ビンテージは既に相当な高額となっていましてナカナカ手の出る物ではありません。だからといってそこまで大きくビンテージと現行品に差異を感じないのもこのフロアライト群の魅力でして、ここまでしっかり手抜きなしで作られていれば、現行品もずっと価値を保つのではないか?と思っています。ビンテージと現行品を手にしてみての個人的な感想ではありますけれど。
実際の生活にあるA805
部屋全体を柔らかく明るくする
このフロアライトA805は下より上を照らします。下を照らす照明はスポットライトのように狭い範囲を明るく照らしますから用途や使いどころをイメージし易いのですが、上を照らす照明というのは馴染みが薄いので、実際に使ってみないと効果はわかり辛く、僕自身も使い始めるまでは部屋の雰囲気をよくするための照明ぐらいに思っていました。現在、このフロアライト805はダイニングスペースに置いてあり、これがちゃんと役割を担ってくれています。上を照らすというのは、簡単にいいますと部屋を広い範囲でやんわり明るくします。この照明を中心に天井や壁が明るくなりますから、間接的に部屋全体の明るさが上がります。一般的な天井高であれば、これ一灯でも部屋はそこそこ明るくなり、照明に近い位置であれば暗いながらもギリギリ本を読むこともできます。また、食事をしたりお酒を呑んだりするのであれば、バーのような適度な明るさですからとても良い雰囲気となり、間接照明の素晴らしさ、醍醐味を満喫できます。ですから部屋全体の照度を補う目的でフロアライトを取り入れるのであれば、このA805は適していると思います。しかしベッドやラウンジチェアの近くに置いて読書灯のように使うのであれば、A811のように下をしっかりと照らし、一部分を明るくするタイプを選ばないと用途に合わない結果となりますのでご注意を。スコープアパートメントのダイニングにはシーリングライトAMA500とフロアライトA805があり、各々をオンオフして照度調整し、雰囲気のよい空間を作ることができています。これ1つが増えるだけでも部屋の明るさの構成は各段に深みを増し、雰囲気が数ランクアップすることは間違いなしです。ちなみにウォールライトA910は、この上を照らす、下を照らすを変更できるのですから、万能照明なんだってことが理解できました。
- ブランド
- Artek (アルテック)
- デザイン
- Alvar Aalto (アルヴァ・アアルト)
商品スペック
- 材質
- 本体: スチール ブラック革張り、真鍮
シェード: スチール、ホワイト塗装
コード: ブラック - 生産
- Made in Finland
- 備考
- 電球:E26
定格消費電力:白熱電球 60W / LED電球 7.3W
電球付属
購入前に確認ください
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組み立て必要 5~15分