

SCOPE / 手ぬぐい 立花文穂
今年もどこかに、雪は降る
立花さんの雪が僕の毎日に少しだけど降って積もっていることが嬉しかった。最初は手ぬぐいに降って、次は猪口に降った。毎年、何処かに雪が降ればいいのに。そしたら少しづつ雪が積もって、いつかは立派な雪景色になるに違いない。今年も何処かに、雪は降る。手ぬぐいから始まった立花文穂さんの雪、2023年は木瓜角皿の長角に降り、来年はまた別の器に雪は降る。手ぬぐいは夜の雪、静かな夜に降る雪、そんな紺を2023年冬だけの色として作りました。

ナニゲに使いながら
ナニゲに飾っている
これまでも手ぬぐいを度々作ってきましたが、なかなか売れず長続きせず、ポツポツ作って終わるを繰り返してきました。それでも手ぬぐいに興味が向いてしまうのは、僕が装飾人間だからなのです。草食男子ではなく装飾男子、いや、装飾オッサンの忘れられないあの娘、その娘の名は手ぬぐい。シンプル、スッキリ、無機質な空間より、何かしらその人の趣味が現れるような装飾された空間が好みです。そして僕は物を見ても装飾の面白さにばかり目がいってしまうタイプですから、手ぬぐいは使いながら日々を飾ってくれる物、とても大事なのです。だから、僕はいつも台所に好きな手ぬぐいを掛けていますし、常に何枚も匣に収めて常備していますし、日々愛用を続けています。サイズ制限があり、シルクスクリーン作品を作るように完成していく小さな布(だから手捺染ばかり)、そんな高額な物ではなく手軽で手頃だから、手ぬぐいを作らないという選択はやはりないのです。手ぬぐいは装飾的日用品界にて最強なり!だから僕は僕なりに、これからも僕が欲しくなっちゃう手ぬぐいだけを作り続けてみます。台所を飾りたいなら手ぬぐいを使えばいいのに。確か、マリーアントワネットもそんなことをいってました、いや、いってない。自然に使って掛けておいたらよく、ただ置いておいて使ったらよく、手ぬぐい全体が見えなくたってよく、使うと飾るのはざまにあるからいいんです。手ぬぐいを飾るのではなく、ナニゲに使いながら、ナニゲに飾っている、その塩梅が手ぬぐいの魅力なのだと僕は思います。

森と雪から始まり
そして、雨のなかへ
《森》と《雪》が心底好きです。本当に素晴らしくて、この作品を配した物がどうしても欲しくなって、スコープの手ぬぐいは始まり、手ぬぐいができると和食器ができる流れを生み出したといっても過言ではなく、いや過言どころかそのまんまです。だから、森と雪は数年かけてでも壮大なるアイテム展開にしたいと思い続け、その始まりとなるのが起点の手ぬぐいです。そして、手ぬぐい森と雪は、他と少し違った風合いがあり、最高の仕上がりと僕は大満足しています。その雰囲気の良さには理由があり、少し余計に手間を掛けて仕上げられているのです。手捺染だけでなく、ロール捺染といって、手ぬぐいを両面ムラなく染める技術も併用し、手捺染+ロール捺染を組み合わせた特別仕様となっています。バッグやポケットへ入れてハンカチ替わりに持ち歩いても素晴らしい、古物を包んでも素晴らしい、台所にあっても素晴らしい。とにかく森と雪は素晴らしい。そして、僕の中では森と雪に続いている雨、雨中と名付けられた雨の柄、これも本当に素晴らしい。ある日、立花さんのアトリエを訪問しましたら壁に大きな作品が貼られていました。手ぬぐい雨中、想像もしなかった大きな作品から生まれていたのには驚きました。雨中の雨は少しだけ降っているわけではなく、たくさん降っていた雨の一部が、細長い窓から少しだけ見えていたのです。

手ぬぐいができると
和食器ができる
手ぬぐいができると、そこに図案があるから、その図案を使って和食器を作りたくなる。だから、手ぬぐいができると和食器ができる。そこにルールも決まりもないのだけれど、まずは様々猪口の積み上がった景色を生活に作り出してみたいし、猪口を食卓で頻繁に使えるようになれるといいなぁーとも思うから、猪口を中心としながらその流れは進んでいます。スコープ20周年に作りました上ゲ高台・蛇の目高台1組の猪口《スコープはたち》から始まり、《木瓜小皿 赤壽》《猪口 うしうしうし》《猪口 さし石》、2022年の干支《猪口 一匹大虎》、そして《印判小皿 へのへのもじへ》《猪口 へのへのもじへ》、《猪口 森と雪》、2023年の干支《猪口 兎に角》《印判小皿 兎に角》《平丸 五寸 兎に角》へと続きアイテムラインナップも少しづつ増えています。手ぬぐいから生まれる猪口は、上ゲ高台・蛇の目高台・細の3種が存在しています。日本酒を飲むのに丁度よい(薬を飲むのにもよい)上ゲ高台、そば猪口としても小鉢としても使える万能なるフリーカップな蛇の目高台、そして湯呑・酒器として使うにはこれがベストと贔屓されることの多い変わり種の細、好みは分かれるところですが、どうぞ自分の好みの赴くままに積み上げ、自分なりの偏った蓄積を楽しんでください。どれも波佐見で製造され、図案は手仕事により器に写して絵付けされています。それもあって多少の図案の位置や傾き、柄の出方に個体差はありますが、そこもまた手仕事による面白味として感じて貰えましたら、きっと長く付き合える物になってくれますし、それはスコープの考える明るい未来、使い捨てない未来へと繋がっていくと思っています。

手ぬぐいの用途
掛けておいて手を拭く。特に小さくて繊細な食器を洗った後に拭きあげる。よく使う食器を出しっぱなしにする時に埃避けとして上にかける。木箸や土ものの器を乾かしておきたい時には、その場所にちょこんと敷く。大事な古物や食器を仕舞う時、手ぬぐいで包んで箱に詰める。ハンカチ替わりに持ち歩く。庭仕事をする時に首から掛ける。弁当を包む。シーパップを付ける時に手ぬぐいを挟んで皮膚を保護する。日焼け対策として持ち歩き、車に乗る時なんかに使う。最初はあまり使わなかったとしても、使い続けていると利用頻度はどんどん増していくのが手ぬぐいです。テレビや雑誌で見かける手ぬぐいの用途ってどこかアクロバットで特殊な方向ばかりだから、見ていると逆に縁遠く感じてしまうのだけれど、手ぬぐいって薄い布、折り畳んでポケットに入る布なのですから、使いどころは日常にいくらでもあるのです。いつでも近くに置き、いつでも持ち歩いてみてください。どんどん使うようになっていきますから。

短辺は縫われていません
色落ち色移りに多少注意
両端は始末されていないので端がホツレてきますが、 永遠にほつれて最後は無くなるわけでもなく、徐々に収まりますので気にせず使い続けるのがよいと思います。また両端が切りっぱなしである故、水キレ良く乾きも速いという良い点もあります。ほつれてきた糸をハサミで切って整えている時間も良いものです。生産は京都、京都の染色工場にて手捺染で染めて貰っています。手ぬぐいの染め方は、手捺染と注染、大きくはこの二つにわかれます。違いは調べて貰うとわかりますから検索どうぞ。各々全く染め方が違いまして、各々に良い点があります。手捺染が良いのは、細かな表現ができるところ、これに尽きます。だから僕は手捺染を選んでいます。ただ裏面まで完全に色が抜けきらないので表と裏ができてしまうという点は注染に劣ります。また特殊な加工をしているわけではなく、昔ながらの手法で染めているだけですから、色落ちしますので白い物とわけて洗濯するようにしてください。特に使い始め数回は単独で手洗いするとよいと思います。また濡れたまま放置しますと色移りすることもありますから、多少ご注意くださいませ。
- ブランド
- SCOPE (スコープ)
- デザイン
- 立花 文穂 (たちばな ふみお)
商品スペック
- 材質
- コットン100%
- 寸法
- 約340×900mm
- 生産
- Made in Japan
- 備考
- 洗濯水温:40℃以下 / ドライクリーニング:○ / タンブル乾燥:× / アイロン:高温 / 漂白:×

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〈限定色〉035 雪 紺
1,500円 (税込) -
〈限定色〉034 ハッシュタグ ピンク
1,500円 (税込)あと 114個
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033 ハッシュタグ 白
1,500円 (税込) -
030 雨中 紺
1,500円 (税込) -
023 立花文穂 兎に角
1,500円 (税込)
緩衝誌に包んでお届けします -
017 チェックチェック
1,500円 (税込) -
016 モモとロク
1,500円 (税込) -
015 波風
1,500円 (税込) -
014 雪
1,500円 (税込) -
013 森
1,500円 (税込) -
011 一匹大虎
1,500円 (税込) -
008 へのへのもじへ
1,500円 (税込) -
007 さし石 苔
1,500円 (税込) -
006 さし石 桃
1,500円 (税込) -
005 うし うし うし
1,500円 (税込) -
004 壽 白
1,500円 (税込) -
003 壽 朱
1,500円 (税込)
おつかれさまアイテム ※ 以下は販売終了した商品のため、入荷の予定はございません。
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〈限定色〉031 雨中 ベージュ