東屋 / 印判小皿 カッコー (別注)
スコープ別注 初代
印判小皿 カッコー呉須
世界的に名を馳せておりますデザイナーのクラウス・ハーパニエミ。クラウスがスコープのスケジュールノート(廃版)の表紙絵として2010年に描いてくれたのがカッコー柄です。クラウスのグラフィックは和食器、特に印判と相性が良いということをクラウス本人に示したくて、試しに作ったのが印判小皿カッコー。スケジュールノートの柄をそのまま小皿に印判で転写しました。その出来が予想以上によく、クラウス本人も気に入っていたので製品化しまして、今に至っています。このカッコー小皿は2011年2月に呉須(東屋定番の柄違い)で販売開始し、2015年5月に黒呉須で9,000枚生産した後に一旦生産終了。そこから六寸皿の印判鳥獣五画へとバトンタッチし2018年9月まで販売することはありませんでした。でも振り返りますと、あれこれ難しく考えずスケジュールノートの柄をそのまま小皿に写したところが良かったのだと思うわけです。多くの人から再生産のリクエストを賜わり、多くの人が愛用してくれていてイイ!と褒めてくれる。その様子をSNSでも見ていますし、カッコーが欠けた~割れた~という話が掲示板にも多く寄せられます。飲食店で使われている様を何度か雑誌でも見かけました。みんなが愛用してくれている先にのみある結果でしょう。そして何枚あっても困らない小皿群、その中にあってカッコーは何だか特別に見えます。その不思議な魅力、なんなんだろ。東屋の定番柄には申し訳ないけれど、カッコーが小皿界のセンターのように見えるのです。何がいいたいかと言いますと、素晴らしく良い物だから、やはり生産を続けることにします、という事です。そして2021年2月、初代の鮮やかな青カッコー、呉須を再生産しました。当面生産を続ける予定ですが、愛用されている皆さまはこの機会に少し補充しておいてください。
二代目&四代目カッコー
印判小皿 カッコー黒呉須
2015年5月に9000枚生産して、これでもう作らないと決めていたカッコー黒呉須ですけれど、リクエストも非常に多いですし、緑彩をやりましたら良い雰囲気に仕上りましたので、三代目の緑彩と同じ釉薬に変更したうえで改めてカッコー黒呉須を作ってみたくなりました。それで2018年12月改めましての四代目カッコー黒呉須が登場です。ただ、以前の二代目カッコー黒呉須とは釉薬が違いますから全く同じ物ではありません。緑彩と同じく雑味の多い釉薬に変えていますし、形も緑彩と同じく少し変更されています。ですので、単純に二代目の黒呉須を再生産したという訳ではなく、つまりは緑彩の流れを組む、微妙に新しくなったカッコー黒呉須、つまり四代目ということになります。ただ、過去に作った黒呉須と大きな違いがあるわけではないので、一緒に使ってそこまでの違和感はないです。そういった微妙に違う物が入り乱れるのも、またいい雰囲気になるんじゃないかと、僕はそう思います。
三代目カッコー
印判小皿 カッコー緑彩
過去に人気だった呉須、黒呉須を再生産すればいいんだけれど、新しい一歩を踏み出したい性分だから、同じ物を再生産するという選択がナカナカできないのです。2018年9月リリースの三代目カッコー(クラウスショールのオマケにしている金彩はノーカウント)は、古い印判手の皿によく見かける緑彩をやってみました。絵柄の色だけでなく、釉薬も雑味あるものに変えているので、地には黒点や茶点が多く含まれます。東屋が過去に作った製品の中に、これという肌の雰囲気をした品があり、それを取り入れて頂いてます。だから他カッコーとは雰囲気が少し違っています。こうしたかったのであって、こうなってしまったのではないです。また釉薬を変えたことにより、型の修正も必要となり、お皿自体の形も若干ですが、他の印判小皿とは異なっています。ほんの少しの違いですから、見極めるのは難しいレベルでして、一緒に使って違和感はありません。重ねると少し違いに気づく程度ですから、そこは心配無用です。《2020年で一旦お休み》
柄がズレたり、切れたり、
滲んだり、色のブレもある。
それら全てOKと思ってみよう。
紙の絵柄を、素焼きした皿に転写する。皿の上に転写紙をあて、濡れた筆で紙を濡らしながら押し当てていき、皿に絵を写す。これが難しい。特に皿の縁近く、つまり曲面が難しい。小皿の上に濡れた薄紙を綺麗に貼り込むような作業だから、どこかにシワができる。そのシワが柄の上であれば柄は切れ、柄がズレる。水の量が多ければ滲む、水が少なければ薄く写る。人の手仕事で紙から皿に柄を写すことで生まれる、決して均一ではない雰囲気が印判の魅力です。それはダメ、あれはダメとなれば、作り方が根本的に変わり、シリコンを使って機械でスタンプする現代の物作りに至ります。それが悪いわけでは無いのだけれど、違いのない綺麗で同じ物というのは、同じなんだけど違う物より、面白みに欠けます。ここで敢えて印判手の皿を作るというのは、そういった手仕事から生まれる違いを良しと感じる人のため、加えて、そう感じる人が増えて欲しいと思うからです。だから、もし、手元にお皿が届き、気になる点があったとしても、それをOKと思ってみませんか?どんな違いであっても、そこが気になっても、それをOKと思って使ってみましょう。きっと手仕事から生まれる個体差がよく見えてきて、これは面白い、味わい深いと感じられるようになりますから。色の違い、滲み、そこがいいんじゃない!と思うようになりますから。逆に、それが受け入れられないと思えば今後は手を出さないでおこうとわかるのですから、よい判断材料としてください。誠に勝手ではありますが、この考えが理解できそうにない人は申し訳ないのですけれどオーダーしないで欲しいのです。無理にこれを手にしなくても、均一で均質な物はいくらでも世にありますから、わざわざ選ぶ事もないと思うのです。ただただ、今の物がつまらなく見える人、印判が目に合う人、合うようになりたい人、そんな皆様どうぞと思い作っています。
- ブランド
- 東屋 (あづまや)
- デザイン
- Klaus Haapaniemi (クラウス・ハーパニエミ)
商品スペック
- 材質
- 天草陶石(磁器)、呉須、石灰釉
- 寸法
- 約φ115×H15mm / 90g
- 生産
- Made in Japan
- 備考
- 電子レンジ 〇 / 食器洗浄器 〇
購入前に確認ください
- 絵柄は印判という手作業による手法で染付しています。色の濃淡、柄の抜け、滲み、切れ等の個性があります。《印判について》
- 小さな黒点やピンホール、多少のがたつきは良品としています。