東屋 / 衣桁
育ちの良い、東屋の衣桁
檜、紐蝶番そして安定性◎
東屋の衣桁は、材料がよくて作りも丁寧な、とてもよい小家具です。檜を丁寧に乾燥させ、繊細な面取りをし、ひとつひとつ綺麗に組み上げています。可動部は金属ではなく紐で留める紐蝶番を研究の末に採用しているのも、本当に素晴らしい事だと思う。使っている紐は真田紐、茶道具の桐箱や鎧兜着用時の紐などにもずっと使われている紐で、基本的に伸びない紐ですから、紐蝶番にはとにかく向いています。また縦にスラっと長い形ですから、基本的には不安定になりがちな物です。けれども安定性を高めるため、バランスはかなり工夫されています。この衣桁が登場する何年も前、スコープで取扱おうと計画していたコートハンガーは、衣桁と同じように開閉するタイプだったのですが、それはとにかく不安定で、倒れてしまうことが多かったので取扱いを諦めました。それもあって東屋の衣桁を実際に使っていますと、その安定性の良さをしみじみと感じます。とはいえ、倒れない物なんて訳ではないですから、無理をすれば倒れます。それは当然ということで。サイズに関しましてはロングコートを掛けないなら中丈、ロングコートを掛けるなら長丈。一人暮らし、二人暮らし程度であれば並幅、大人数であれば広幅でしょうけれど、それはその場のサイズ感も見て決めた方がいいとは思います。どちらかといえば、リビングのように常に人のいる場所に置いて使うことが多くなるでしょうから。とはいえ、かなり省スペースな上に、線も細いので、そこまで圧迫感あるものではありません。ちなみに一番人気は並幅中丈。
取り入れにくそうに思うのは
名前だけの事でした。
遠目にも感じる上品さが衣桁にはあり、ずっと使える物である事はとても、とっても、わかるのだけれど、あまりに本気な和家具が、果たして我家に鎮座する北欧小物や家具の良い同居人になってくれるのだろうか?と日本人の僕が言うのも変な話なんだけど、正直な所、そこが大いに気になって長いあいだ、取扱を見送り続けてしまいました。衣桁いかが?と言われた時に、どうも御膳を手にする程の見構えが生まれていたわけです。最近は正座もそうそうしないのだから、なかなか、どうして、手は出しにくい。衣桁はだめなの?何度もいわれ続けまして、ようやく重い腰をあげ、使い始めてみましたら、なんだと拍子抜けするほどに良かったという、まぁ、僕にはよくある話です。完全に洋風なる、現代的アパートメントな僕の部屋に実に良く馴染む。取り入れにくそうというのは、完全に僕の思い過ごしであって、思い込みであって、妙な先入観を持ってしまった事を反省しました。使用感は素晴らしく良好。折り畳みの動作も音も、優しく静か。軽量だから移動も簡単、見た目にも美しく、仕舞う時にもぴたりと折りたためて邪魔にならない。大きな生活の道具を部屋に出しておくと生活感が出て絵にならないものだけれど、この衣桁は部屋に出しっ放しにしていても、どこか静かで品があって生活感が薄い。ハンガーが掛かっているぐらいでも洒落てもみえる。(それはハンガー次第ではあるけれど。)スッキリと折り畳んであれば綺麗なまっすぐの木枠。必要なければ折りたたんで仕舞っておき、必要な時にだけ使う道具としてもいい。使って初めてわかるのです。綺麗な無塗装の檜の風合いが優しく、現代の明るい洋室にも、とにかくよく似合う物だということが。
特別仕様 / 衣桁 楢
特別仕様の衣桁が2018年12月登場しました。通常版に比べて大きく値段が上がっていますが、その最大の原因は何より材料費でして、国産の楢が使われています。楢はヒノキに比べて随分高いのですが、硬い材料でもありますから、通常より少し細く作られていまして、それであって耐荷重は同じ。あとは木の組み方がより凝っていて、仕口が違います。また紐蝶番の材料も綿ではなく、シルクが使われています。この特別仕様の衣桁は、販売価格は気にしないで、作りたいように作ってみるとこういう事になるという、そんな特別仕様なのですが、実際に部屋に置いて使ってみますと、その違いはやはり感じられます。よりカチっと確かな感じになったといいますか、よりキチっと引き締まった印象になったといいますか。ヒノキも楢も鉋(カンナ)仕上げですけれど、楢の方がその雰囲気をより強く感じるようです。
2021年5月17日
物干しと衣桁のサイズ
僕はもう何年も部屋干し族ですからmamaと衣桁は無くてならぬ物となってます。タオルや靴下といった小さな衣類はmamaに干し、シャツやTシャツやズボンなんかはハンガーにかけて衣桁に干します。で、物干しに使うのなら衣桁はどのサイズがいいだろう?これは中丈広幅、コレベストです。ロングコートみたいな服を干すことはないでしょうから、高さは中丈あれば十分だと思います。で、干すとなると洗濯物の間にスペースが必要ですから広幅でハンガー10本、頑張って12本、並幅でハンガー6本、頑張って8本が許容量って感じなので、広幅ぐらいないと幅不足に感じることが多くなると思います。リビングでコートハンガーとして使うのでしたら並幅の方がシュッとしていてカッコイイんですけれども洗濯干しに使うのでしたら広幅!って思いますです。
《2021年12月18日追記》ワンピースを干すという場合は中丈ではなく長丈を選んだ方が良さそうです。中丈か?長丈か?そこはワンピースのような服を干すか干さないかで別れるのでご自宅の具体的な洗濯物事情を思い返して丈選びしてください。
- ブランド
- 東屋 (あづまや)
- デザイン
- 猿山 修 (さるやま おさむ)
衣桁と併せて使えば超ワンダフル!
和室の長押に掛けて使うフック、東屋の鉤は、衣桁にジャストサイズ。超絶に手間をかけ、一つずつ丁寧に磨き上げられて作られています。でも鉤は生産が大変な物、高価でもあるから、いくつも買える物じゃない。それでは鉤のように衣桁と併せて使い易く、買い易い、そんなS字フックを作ろう。鉤と同じく猿山修デザインにて《HOOK No.2》というアイテムが完成。これらを備える事で衣桁はより便利に使えるようになります。また、オリジナルハンガーも販売を始めました。木目や色目を合わせたりちょっとした節や黒いライン、そんな部分は無視して作ってみたスコープ思考なハンガーです。こちらもよろしければどうぞ。
商品スペック
- 材質
- 檜:木曽檜、木綿(真田紐)
楢:楢、絹(真田紐) - 寸法
- 中丈 / 並幅:H1450×W900mm(檜:2.7kg / 楢:4kg)
中丈 / 広幅:H1450×W1200mm(檜:3kg / 楢:4.5kg)
長丈 / 並幅:H1700×W900mm(檜:3kg / 楢:4.5kg)
長丈 / 広幅:H1700××W1200mm(檜:3.3kg / 楢:5kg)
閉じた時の厚み:檜 約80mm、楢 約65mm - 製造
- 檜:小栗正彦 / 筒井木工所 / 山一 / 織元すみや
楢:四十沢木材工芸 - 生産
- Made in Japan
- 備考
- 耐荷重:片側につき30kg(全サイズ共通)
檜
楢
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楢 中丈/並幅
69,300円 (税込)あと 7個
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楢 中丈/広幅
71,500円 (税込)あと 7個
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楢 長丈/並幅
71,500円 (税込)あと 5個
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楢 長丈/広幅
73,700円 (税込)あと 4個