東屋 / 印判そば猪口 蛇の目高台・上ゲ高台
完成度を高めた先に
生まれてしまう綻び
ずっと東屋の事務所に置いてあり、ミーティングの度に僕の気を惹き続けていたそば猪口が2019年9月、ようやく僕の家へやってくる日を迎えました。これは売るのが難しいと思われていた物なのだけれど、今の物にはない魅力が溢れています。口縁まで攻めた柄、古物にはよくあるけれど、今の物にはナカナカない転写の具合です。また形状も転写しづらい方向へと思い切りよく舵をきっているから、転写も難しくて柄抜けや重なり、滲み、特に下部には柄シワが多発しています。また転写する範囲を攻めているので口縁にかかった柄の滲みや不均一の具合も目立つわけです。でも、いい形だし、口縁まで柄が入っているし、そこに生まれるアレコレも含めて実にイイ雰囲気に仕上がっています。柄の転写に関して細かいことを気にしなければ出来ル物、そこを気にしだすと出来ナイ物。結局、何もかもは手に入らないのだから、どこを大事にするかであり、コイツは他と大事にする部分が違うんダナと僕は考えます。昔の人からみれば普通に見えるのでしょうが、今の人からみれば新鮮な魅力が存分に備わっている東屋の印判そば猪口。もちろん、これが僕の好みであることは言うまでもありません。そこから更に考えを進めてみます。いい物を作ろうと突き進んだ先にどうしても生まれてしまう不完全な部分というのは、悪いものではない。むしろそこに不思議な魅力が生まれるんじゃないだろうか。単に柄が滲み、抜け、シワがあればいいって話でもなく、完成度を高めようと突き進んだ先に生まれる綻びだから味わい深いのだと思うのです。
慣れたサイズの蛇の目高台
ずっと続くそば猪口と同型
東屋がずっと販売を続けている《染付そば猪口 蛇の目高台》と、この《印判そば猪口 蛇の目高台》は同型ですから、使い勝手も当然同じです。土と釉薬は違いますので少し雰囲気は異なり、こちらの方が雑味あり、柄にもアレコレあります。また一般的にそば猪口といえば、こんなサイズ感を想像するんじゃないか?の王道サイズですから、そば猪口が欲しいと思う方はこちらのサイズをまずはどうぞ。雑味があり、柄にもちょっとしたアレコレある味わい深い物がよければこの《印判そば猪口 蛇の目高台》、はたまたアレコレの少ない、綺麗な白い器が良ければ《染付そば猪口 蛇の目高台》を、そこは皆様の好みに合わせて選んで下さい。もちろん、混ぜての利用もどうぞ。そば猪口だからといって、そばを食べる時だけに使うのではなく、小鉢として使える大きさと形状ですから、使いだせば用途はどこまでも広がっていきます。そして色々な柄が集めていくことが楽しい物でもあります。
あまり見ない上ゲ高台
あまり見ないサイズ
一般的なそば猪口より一回り小さな《上ゲ高台》、その名の通り高台が高く、つまり底が浅いから、見た目以上に容量は少ないです。このそば猪口にここまで惹かれてしまうのナンでだろ。口縁から底にむかう角度も急勾配、加えて上ゲ高台、今ではあまり見ない形と雰囲気に仕上げられていて、まるで古物のように見える辺りに惹かれているのだと思います。そう、僕は特別これを気に入っているのです。かなり小ぶりな上ゲ高台、お酒を呑むのに使いましたら、これが最高にバッチリなのです。猪口というよりぐい呑みという印象です。またお茶を飲むにもよく使っていますが、そう使っていますと妙な心地よさ、よい日常を感じます。なんだかカッコよいのです。結局、長らく愛用を続けました結果、上ゲ高台に関しましては酒を呑む、お茶を飲む、呑む飲む器として日々に君臨していまして、それ故かバリエーションが増えることが楽しくなり、2021年はそば猪口バリエーション増大の兆しです。ただ、上ゲ高台は小ぶりな上に口縁から底にかけての勾配も急ですから転写が特別難しく、柄の抜け、滲みや重なり、シワなど実に様々ございます。なので、それはある物として考えてください。なにかあれば当たり!ぐらいに思える人に向いています。色々ありますから向かない人も多いでしょう、ご無理なきようお願いします。
2021年1月27日
蛇の目高台と生卵
朝ご飯のとき、そば猪口に生卵をいれるようになりました。ふつう、ごく普通なこと、それだけのことなのですが、僕はとっても新鮮に感じていまして、この用途が凄く気に入っています。生卵に納豆を加えてもOKな容量がある印判そば猪口蛇の目高台、小鉢と考えましたら用途は広いです。使い慣れてくるとドンドン使うようになっていきます。もちろん、忙しい朝にこんなことしてる余裕がないのもわかるんです。でも、こう使うのも、いい感じですよ。と、それだけの話です。小振りな上ゲ高台は主にお酒やお茶を飲むのに使っていまして、それより大きな蛇の目高台は小鉢的に使いまくってます。本当に良く使うようになった東屋のそば猪口です。手に入れて1年ぐらい経過して急にキタ感じがあります。
2021年2月10日
上ゲ高台を鉄瓶の蓋置にス
少し変わった印判そば猪口上ゲ高台の使い方を見つけました。それは、こんな、つまりは鉄瓶の蓋置という微妙な使い方でございます。ズコー!でも、これ、なかなか気に入っているのです。鉄瓶でお湯を沸かすときは蓋をしない方がいいってナンカで読んだのですね。それ以来、蓋をはずすことが多くなり、つまりは蓋を置く場所が必要となりました。台所にそば猪口が伏せて置いてあって違和感あるわけもなく、雰囲気は自然でベリーグッド。勿論、竹の蓋置があればベストなんだけれど、なかなか普通に持っている物じゃないから、《今欲しい!今置きたい!でも蓋置ない!》そんな時には、小振りナそば猪口上ゲ高台です。鉄瓶の蓋を置くにはサイズ感バッチリですし、鉄の蓋を置く物にはガッシリとした強固感があって欲しいところ、そこも小振りでギュッと詰まった感じありまして、妙なダイジョウブダ~を感じます。僕としては凄く向いた使い方だと思っています。って、まぁ、そんな、鉄瓶の蓋置なんて必要としませんかね。僕はホントよく使っていて、コンロの脇には常にそば猪口常設展示みたいなことになっているぐらいでありますが。ちなみに、こんな渋いポイントながら、ここに気づくまで数年かかっている奇跡。欠けたそば猪口の使い道としても良いと思います。
- ブランド
- 東屋 (あづまや)
- 製造
- 光春窯(こうしゅんがま)
商品スペック
- 材質
- 磁器(天草陶石)、呉須、柞灰釉
- 寸法
- 上ゲ高台:約φ70×H50mm / 90g / 80ml(満水)
蛇の目高台:約φ77×H58mm / 110g / 140ml(満水) - 生産
- Made in Japan
- 備考
- 電子レンジ:○ / オーブン:× / フリーザー:× / 食器洗浄器:○
購入前に確認ください
- 絵柄は印判という手作業による手法で染付しています。色の濃淡、柄の抜け、滲み、切れ等の個性があります。《印判について》
- 小さな黒点やピンホール、多少のがたつきは良品としています。
上ゲ高台
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千鳥の鳥襷
1,694円 (税込)あと 5個
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竹縞
1,694円 (税込) -
極七宝
1,694円 (税込)あと 7個
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菖蒲革
1,694円 (税込) -
角福
1,694円 (税込)あと 6個
蛇の目高台
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千鳥の鳥襷
1,694円 (税込)あと 6個
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極七宝
1,694円 (税込) -
角福
1,694円 (税込)