
モスグリーン
iittala / Alvar Aalto Collection ベース175x140mm
僕がここ数年で最も驚いたイッタラの企画は間違いなくこれです。Aalto vase 175x140mm、木型で作られているから驚いたというわけではなく、この型のアアルトベースを作るということに驚きました。こんなことできるんだ。スコープ20周年で実現できてしまったアアルトのウォールレリーフ、通称Elephantを作るぐらいのインパクトが僕にはありました。詳しくは次の段落で書きますけれど、この型がイッタラ工場で生産されたのは今回が初めてのことだと思います。イッタラ140周年の一環として作られたAalto vase 175x140mm、全てイッタラ工場にて木型を使い、ひとつひとつ熟練した職人により作られています。色の展開はコッパー、モスグリーン、クリア、ダークグレーの4色で、各色2021個生産のリミテッドエディションとされ、 "IITTALA ALVAR AALTO 〇〇〇〇/2021" のナンバリング入りの刻印が刻まれています。流石にこの発売情報を聞きましたら取扱したくなるのは当然で、こうして入荷することができて本当に良かった。クリア、コッパーは各100個、モスグリーン40個、ダークグレー20個を入荷しましたが、早々に完売してしまいました。これは特別なアイテムであり、既に完売しているから追加発注もできないと断られていたのですが、グレーとモスグリーンであれば100個追加可能と後日打診がありましたので、もう、これは残ってもいい、いつか売れればいい、いやずっとあってもいい、そんな気分で可能な限り仕入れることにしました。流石に2021年も終わりに近づいていますから、これにて再入荷はありません。

モデル9751
古い本にも図面しか出ていないブーメランのようなモデル9751というAalto Vase。2016年頃だったと思うのですが、フィンランドのオークションで僕は初めてその実物らしき写真をみました。ただ、その時はプロトタイプというようなことが書かれていたので、どうもそこで勘違いし、9751というモデルは製品化されたことがなく試作しか存在しない幻のモデルだと思い込んでいました。だから写真がないんだと。なぜそんなことを今でも覚えているのかといえば、フィンランドの知人を介して結構なところまで入札していたからです。予想以上の値段まで上がり続けてしまい、試作と言われれば試作の雰囲気もあったから、試作はやはり必要ないといい訳しながら諦めました。その頃というのは木型アアルトベースのスコープ別注の準備をするべく、かなり熱心にアアルトベースを研究収集していた時代です。そして2020年10月には雰囲気の異なる美しき黄金色をした9751がオークションに登場。そこにはカルフラガラス工場のデザインコンペから生まれたベースの1つ。レストランSavoyのインテリアとして使われていたモデルであり、1937年から1939年の間に20個しか製造されていない。現存するベースはごくわずかで、レストランSavoyにも保管されていないと書かれている。そして落札価格は44900eur!そして、それは輸出禁止となっていました。イッタラでアアルトベースが製造され始めたのは1949年以降と言われているので、つまりはカルフラで木型を使っていた時代にしか作られていないモデルが80年以上経過してイッタラ工場で再生産されたということになるのです。流石にこれは、かなりのスペシャル企画です。

モスグリーン

クリア
木型の魅力
木型を使って作られるアアルトベース、最近は作られることも少なくなりましたが、スコープでイッタラを取扱開始した頃にはポツポツ生産されていました。海外へいきますとショップで販売されているところをよく見かけましたし、その値段をみてビックリ!なんてのは土産ばなしの定番でした。木型のアアルトベースは全く作られていない物というわけではないのですが、日本にはほぼ入ってきていないので、木型は全く作られていないから超希少、ビンテージもしくは記念モデルしか存在しないといった印象があるのですが、そこまでではないです。ただ今回のAalto vase 175x140mmは80年以上も作られていない型だから特殊ケースです。アアルトベース、そもそもが木型から始まった物なので、木型を使って吹かれた物はやはり特別素晴らしいです。僕自身も木型のアアルトベースにハマりこんでいた数年があり、あれこれ調べてあれこれ買い集め、そこから数年イッタラ工場で試作しまくり、いくつか僕なりに完成はさせました。オイバ、アアルト、オイバ、アアルトそんな試作の日々があったのです。金属型ではなく木型を使っているので一つ吹くたびに型は焼け焦げ、変化していきます。吹けば吹くほど型は焼けて広がっていくので、数を作り進めるにつれてフォルムも緩くなっていきます。ですから木型のアアルトベースは同型であっても、個体差が激しくあります。それは厚さだとか表面の揺らぎに限ったことではなく、フォルムそのものに違いが生まれるので、そこがなんとも面白いのです。1つの木型で作ることができる数も少なく、形状や大きさによりますが10~50個ぐらいといわれていました。最近めっきり作られなくなっていた木型を使ったアアルトベース、木型はやはりイイです。細かなポイントなのですが、アアルトベースは緩やかな曲線が多い中、これはなかなか鋭角な形状をしているのですが、こういった形状は作りにくいといいますか、破損が起きやすいのです。複雑な形、鋭角な形を吹こうとしますと極端に薄くなってしまう部分ができて割れてしまうのです。具体的にはVになっている先端の底部分が極端に薄くなってしまいます。薄く吹こうとすると、その部分が極端に薄くなり過ぎて割れてしまうわけです。Aalto vase 175x140mmは薄く吹くのが難しい形状でもありますから、物のサイズに対しては比較的厚手の出来が多いと思います。出来上がりが薄手の物もありますが、下の写真で色が薄くなっている部分は色を見てわかる通り、かなり薄いのでそこは特にぶつけないよう注意した方がいいと思います。
- Alvar Aalto (アルヴァ・アアルト)

コッパー

ダークグレー
商品スペック
材質 | 無鉛ガラス |
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寸法 | 約W175×D130×H140mm / 1200g *詳細なサイズはカート上をご確認ください。 |
生産 | Made in Finland |
備考 | 各色2021個限定。シリアルナンバー入り 刻印:ALVAR AALTO IITTALA *** / 2021 |
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- 小さなヨレや気泡、黒点がガラス内部に含まれていることがあります。