
Arabia / Moomin 2020 ウィンターマグ 0.3L
アラビアムーミンウィンターマグ2020
「Snow blizzard」
2020年のアラビア×ムーミン冬マグは「スノーブリザード(Snow blizzard)」。きゅーっと顔をしかめながらも激しく吹きつける雪嵐に立ち向かうムーミントロールの姿が描かれています。これは小説『ムーミン谷の冬』後半の一場面。スクラッチ技法による挿絵が、そのままマグの両面に表裏反転で使われています。
2006年から毎年、冬季限定販売されてきたウィンターマグ。2006年から2009年は濃紺、2010年から2013年までは水色と、4年ごとにテーマカラーが変わるのはサマーマグと同じでした。ところが、2014〜2017年、2019年は繊細な線画に差し色、2018年の「ライトスノーフォール(Light snowfall)」と今年2020年の「スノーブリザード(Snow blizzard)」はベースカラーに白抜きという、変則的なパターンに。
「スノーブリザード(Snow blizzard)」は一見、単色に思えるのですが、よーく見ると濃いめのブルーネイビーと薄めのブルーグレーの2色づかいだということに気づきます。地面近くはグレー、ムーミントロールのまわりを囲んでいるのはネイビー、そして持ち手の反対側の雪は2色を交互にと組み合わせることによってリズムと深みを生み出しています。
小説『ムーミン谷の冬』のストーリーを、過去のウィンターマグに絡めてざっくりとご紹介してみると、なぜかひとりだけ冬眠から目覚めてしまったムーミントロールが眠るムーミンママたちを見つめている2015年「冬眠(Hibernation)」→2019年「クラウンスノーロード(Crown snow-load)」でリトルミイと共に生まれて初めての冬を経験→2007年「スノーランタン(Snow Lantern)」でトゥーティッキ(おしゃまさん)と出会い→2016年「スノーホース(Snowhorse)」で雪のうまや氷姫の存在を知り→2018年「ライトスノーフォール(Light snowfall)」で冬も悪くないなと気づく、という流れ。
ふわふわ舞う雪を美しいと思い、冬を好きになりかけていたムーミントロールでしたが、突風に巻き上げられた「スノーブリザード(Snow blizzard)」で、再び冬の恐ろしさを突きつけられます。風に立ち向かい、雪に目をふさがれて、大きな雪だまりに倒れ込んでしまったムーミントロール。へとへとになって吹雪に背を向け、身を任せてみると……春の兆しを伝えるあたたかい風に包まれて、まるで空を飛んでいるような軽やかな気持ちになりました。その後、スナフキンが旅から帰ってくる2017年「スプリングウィンター(Spring winter)」へとつながります。
一見、冬の厳しさを表現したかのような「スノーブリザード(Snow blizzard)」ですが、雪解けまであと少し、肩の力を抜いて流れに身を委ねてみればなるようになる、そんな明るい気持ちで使ってみてください。text:萩原まみ(ライター)
ここで、アラビアムーミンウィンターマグの歴史と、
マグに使われている絵のストーリーについて、
ざっとおさらいしてみましょう。
Christmas
greeting
1997-2002
2006年から毎年リリースされるようになったウィンターマグですが、最初に出たのは「クリスマスグリーティング(Christmas greeting)」。1997年から2002年にわたって販売されました。スノークメイデン(スノークのおじょうさん。ノンノン、フローレンと同一キャラクター)とソリに乗るミムラねえさんの部分はコミックス『やっかいな冬』の一場面です。
2000年問題などで盛り上がった世紀の変わり目、1999年から2000年にだけ販売された「ミレニアム(Milennium)」は冬とは無関係のコミックス『ムーミン、海へいく』や絵本『さびしがりやのクニット』の絵に2000年の旗や冬景色が描き加えられています。
2004年と2005年の2年は薄めのブルーとどーんと描かれたツリーが人気だった「クリスマスツリー(Christmas mug)」。降りしきる雪にむかって両手を広げるムーミントロールの絵は小説『ムーミン谷の冬』から。ツリーはユニセフのチャリティーポストカード、プレゼントを持ったフィリフヨンカ、ムーミンパパとムーミンママはソングブックの絵をアレンジしたものですが、正体不明のクリスマスさんに振りまわされる短編小説「もみの木」のストーリーに沿って絵柄が組み合わせられています。
ウィンターマグが恒例となった2006年の「ウィンターナイト(Winter night)」と、2007年の「スノーランタン(Snow Lantern)」は『ムーミン谷の冬』の名場面を散りばめたもの。ひとり冬眠から目覚めて心細い思いをしていたムーミンが雪玉ランプの前でトゥーティッキと語り合う場面、寒中水泳をする冬のヘムレンさん、氷姫に見つめられて凍ってしまった子りすを弔うムーミントロールたちなどなど。
続く2008年の「ボンファイア(Winter Bonfire)」と2009年の「クリスマスサプライズ(Christmas Surprise)」までの4つはベースの色が濃紺のグループですが、「ボンファイア」はコミックス『やっかいな冬』の絵が使われていて、前の2つとは雰囲気が違います。「クリスマスサプライズ」は、包みを持ったムーミントロールが雪のなかに飛び下りる絵はコミックス『おかしなお客さん』、ホルンを持ったヘムレンさんとミイは『ムーミン谷の冬』と、コミックスと小説の絵が違和感なく組み合わせられています。
2010年の「スキーコンペティション(Skiing Competition)」、薄いブルーを基調にコミックスの絵をメインにしたマグが4つ続きます。2010年と2011年の「ウィンターゲーム(Winter games)」に使われているコミックス『やっかいな冬』は、冬眠をやめたムーミン一家がスポーツ協会のブリスクさん指導のもとウィンタースポーツに挑戦するお話。ミムラとスノークメイデンはきびきびしたブリスクに熱をあげ、ムーミントロールはしかめっつら。
コミックスのストーリーに沿ってマグを並べ替えると、2023年→2014年→2011年→2010年→1997-2002 年→2023年→2008年の順になります(ひとつのマグに複数のシーンが使われているため、多少前後する部分もありますがご容赦ください)。
2012年の「ウィンターフォレスト(Winter Forest)」と2013年の「アンダーザツリー(Under the tree)」はまた少し絵柄の趣が変わって、フィンランド外務省からの依頼でトーベが描きおろした「サンタクロースの手紙」のトナカイの絵、コミックス執筆を姉のトーベから引き継いだラルス・ヤンソンによる『Moomin and Aunt Jane』など、あまりなじみのない絵が使われ、アニメのイメージに近いような親しみやすい雰囲気でした。
Skiing with Mr.Brisk
2014
2014年からの4年間はグレー(モノトーン+差し色)のグループ。2014年の「ミスターブリスクとスキー(Skiing with Mr.Brisk)」にはコミックス『やっかいな冬』が再登場。ただし、白をベースにグレーの細かい線で冬の風景が描写され、以前のマグと比べると大人っぽく感じられます。 その大人な雰囲気に、小説『ムーミン谷の冬』の絵を乗せ、ウィンターマグの魅力を再認識させてくれたのが2015年「冬眠(Hibernation)」、2016年「スノーホース(Snowhorse)」、2017年「スプリングウィンター(Spring winter)」 。マグに登場するのは、ぐっすりと眠って起きてくれないムーミンママとムーミンパパの横にひとり佇むムーミントロール、シャンデリアの上のご先祖さま、トゥーティッキが作った雪のうまとムーミントロール、犬のめそめそに話しかけるスキーの得意な冬のヘムレンさん。そして、ソリに見立てた銀のおぼんで滑るリトルミイと、ミイにぶつかられて雪をかぶってしまったムーミントロール、春の太陽を背にムーミン谷へと戻ってくるスナフキンです。
「ライトスノーフォール(Light snowfall)」はウィンターマグではお初の表と裏が同じ絵の反転パターン。『ムーミン谷の冬』の後半、生まれて初めて空から降る雪を見たムーミントロールが、両手を広げて空を見上げている場面が使われています。白黒スクラッチ画法の挿絵をブルーグレーにアレンジ、水あび小屋のステンドグラスの赤がアクセントになっています。
「クラウンスノーロード(Crown snow-load)」は、小説『ムーミン谷の冬』の挿絵がいくつか組み合わせられています。冬眠から目覚めてしまったムーミントロールが思いきって外の世界に一歩踏み出し、真っ白な樹氷を見上げる場面。木に積もった雪がクラウンスノーロード=樹冠積雪という現象です。反対側には、ミムラねえさんとぬくぬくと眠っていたところを、おっちょこちょいな子りすに起こされてしまったリトルミイ。子りすが洞穴を覗く挿絵には実はミイの姿はなく、ちょこんと座るミイは同作のもっと後の場面から描き加えられました。ムーミントロールの後ろには小さなクニット(はい虫)。ピンク色で表現された地面のような箇所には、岩の上に設置された航路標識があり、そこが大地ではなく凍りついた海であることがわかります。空には雪景色を明るく照らす満月、雪の上に残された足跡が点々とマグ全体を横切っています。
「スノーブリザード(Snow blizzard)」には、きゅーっと顔をしかめながらも激しく吹きつける雪嵐に立ち向かうムーミントロールの姿が描かれています。これは小説『ムーミン谷の冬』後半の一場面。冬の厳しさを表現しているかのように見えて、雪解けまであと少し、肩の力を抜いて風に身を委ねてみたら、まるで空を飛んでいるような軽やかな気持ちになった、そんな明るい場面です。マグの両面にはスクラッチ技法による挿絵がそのまま裏表反転で使われています。単色に思えるのですが、よく見ると濃いめのブルーネイビーと薄めのブルーグレーの2色づかい。地面近くはグレー、ムーミントロールのまわりを囲んでいるのはネイビー、そして持ち手の反対側の雪は2色を交互に組み合わせることによってリズムと深みを生み出しています。
ブルーグレーのベースに線画が乗るというパターンに戻った「スノームーンライト(Snow moonlight)」。沈みかかる月、背景を埋める黒い線が、強い寒さを表しているかのようです。アクセントになっているのは、月とムーミントロールのガウン、トゥーティッキの髪の黄色。後ろ姿ですが、リトルミイもいます。マグの反対側には、冬空を照らす丸い月と、雪の重みでたわんだ木。これは物語の冒頭の挿絵で、ふたつのシーンが巧みに組み合わせられています。寒さに身を縮めた三人は、氷姫を見て凍ってしまった子りすを背に乗せた雪のうまが走り去っていくのを見守っています。木の下から凍った海へと続く地面をよく見ると、小さな足跡が。ムーミントロールのガウンは原作では青で、お葬式の寒さをしのぐために着たもの。元絵のムーミントロールの顔に入っている影のような線はマグでは省かれ、心なしか明るい表情にアレンジされています。お葬式の場面と思うとちょっと驚いてしまいますが、物語の最後には、もしかしたら子りすは生きていたのかも!?と思わせる、ほっとするようなエピローグが用意されています。
「ウィンターワンダーズ(Winter Wonders)」はコミックス『やっかいな冬』から、ブリスクさんの指導でスキーを試してさんざんな目に遇ったムーミン一家がスケートに挑戦している場面。スケート靴を下げたスノークメイデン(スノークのおじょうさん)、足元を見つめるムーミンママ、今にもひっくり返りそうなムーミンパパ、おしりを向けて前かがみのムーミントロール、アンダーウェア姿で寒中水泳をしようとしているブリスクさん、それを見守るミムラねえさんと大勢の人気キャラが描かれています。
商品スペック
- 材質
- 磁器
- 寸法
- 約φ80×W110×H80mm / 260g
300ml(容量はメーカー表記です。実容量は、約280mlになります。)
- 生産
- Made in Thailand
- 備考
- パッケージはありません
オーブン(直火不可):○ / フリーザー:○ / 電子レンジ:○ / 食器洗浄機:○
おつかれさまアイテム ※ 以下は販売終了した商品のため、入荷の予定はございません。
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2020 スノーブリザード